2017年9月17日(日) 2:00pm 東京芸術劇場
スッペ 詩人と農夫、序曲 9′
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番ト短調 13-2-8-12′
ピアノ、ダニール・トリフォノフ
(encore)
プロコフィエフ シンデレラより、ガヴォット 3′
Int
ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調 田園 11-13-5+4+8′
コルネリウス・マイスター 指揮 読売日本交響楽団
●
2011年チャイコンチャンピオン、お初で聴きます。トリフォノフはチラシの写真とはだいぶ変容している。
才能を無造作にそこらへんに広げたような作品で大変に魅力的なプロコフィエフ。随筆の材料出尽くした後に書く物こそ随筆の神髄、小説家は書き続けると内田百閒が言ったかどうか、そんな絞った後の雑巾のような湿り気を感じる曲で粗野とさえ言える。
トリフォノフは肩にだいぶ力が入っている。力んでいるような気配はあまりないのでこのような弾きスタイルなのかもしれない。ただ、この作品のこのような魅惑的な鳴り具合の作品が彼の力学的スタイルの部分を多少なりとも隠していたように思う。
ストレート、単刀直入に作品に没入する姿は音楽のピュアなところを魅せてくれてエキサイティング、うれしくもなる。やや骨太できれいな響きを満喫。
伴奏オケが特筆すべき素晴らしさ。読響の正三角錐の音場が不思議な鳴りのプロコフィエフをきっちりと表現していて、こちら、粗野感ゼロ。音の跳び具合は正面跳び、切れ味良くて素晴らしすぎた。伴奏越え。
後半の田園はテンポ定まらずふらつく。リハ不足と思う。
アルブレヒトのベト全は愛聴盤で読響ベト基準はこのCDと思っており、もちろんオケ自身も一家言あると思うのだが、この前のベト7、それに今日の田園と、もっと締めないと。
おわり