2017年9月15日(金) 7:00pm サントリー
マーラー 交響曲第2番ハ短調 復活 23-10+10+5+33′
ソプラノ、安井陽子
メッゾ、山下牧子
合唱、新国立歌劇場合唱団
チョン・ミョンフン 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
●
同公演はこの7月に同じキャストで聴きました。
2386- マーラー、復活、チョン・ミョンフン、東フィル、2017.7.21
演奏内容の印象はその時と概ね同じですが、ホールが違っていて今回のサントリーは音場環境が随分と改善されました。7月はオペラシティのコンサートホールでの公演で、18型(1Vlnのみ16)のぎゅうぎゅう詰め。Pレベルに立った合唱もところせましと。オケのフォルテでは飽和状態となってしまった。
ステージ上のヘリ左右奥に傘がかかるという奇妙な建築物、その下に立つことになるベース、パーカスが一部あり、あれは最悪と思う。2000何年だったかニューヨーク・フィルがここで演奏した時はホールキャパも含めたしか問題が出たと記憶する。
この1600キャパ、大きくないホールにもかかわらず見晴らしも良くない席数が多数あり、大規模作品にとどまらず視覚的にもふさわしくないホール。なんで、この時節、シューボックスにしたのか余人の理解がおよぶところではないが、音は相応に良いとまことしやかに言われる席位置もあるものの、ひどいホールの部類に入ると思うのだが。
この日の公演は7月の時より若干スピードアップ。ホールの影響なのかどうかはわからない。
この作品を掌握しきった演奏、オーソドックスな表現の中にドラマチックでオペラチックな勢いと繊細さがある。こちらのハートまでぐっさりと食い込んでくる。
肝は最後の最後、静寂の中でオケを引き継ぎ、タメを作ることなくスッーと入り込んでくる合唱のひと声。ハッとする。えも言われぬ美しき荘厳。あの呼吸はオペラ指揮者が成しうるものだろうと思うなぁ。
それから、せっかちでゴチャゴチャした汚れた拍手はホールを改修しても何も変わらない、残念ながら。
指揮者の胸も痛むことだろう。
おわり