2017年9月23日(土) 6:00pm みなとみらいホール
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 ?+10+7′
ヴァイオリン、木嶋真優
Int
ドヴォルザーク スラヴ舞曲第1番 第10番 5′、6′
スメタナ モルダウ 11′
荘厳序曲1812年 17′
(encore)
ドヴォルザーク ユーモレスク 5′
小林研一郎 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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NHKホールからの移動に手間取り、着いたらメンデルスゾーンが始まっていた。3階の立見席に入れてもらい第1楽章の途中から聴く。立見席と言ってもステージは見えず音だけ聴く。この立見席、びっくりするほど音が来る。ヴァイオリンソロの音はやたらとデカいし、オケのピリピリした息づかいまで聴こえてきそう。スピーカーでもあるのかと勘繰りたくなる。
メンデルスゾーンはもう勘弁してほしいが、しょうがない。
ヴァイオリンはさっぱりとした感じ。オケ伴がないと進行にやや不安があるようにも聴こえる。
渋谷からの移動が遅れに遅れてもいいので1812だけ聴ければいいやという割と投げやりな気持ちだったのだが、横浜定期、めずらしい名曲オンパレードコンサートで1曲ずつ炎の解説付き。それが結構面白い。軽妙な語り口というわけではないが百戦錬磨の余裕を感じる。材料はたくさんありそうだし。
解説付き、試奏付きで聴衆をグイッと引き寄せてくれる。なかなか楽しかった。演奏もよかったですね、プレイヤーになれ合いのニヤケは一切なくて真剣。指揮者もオケも好感度高い。
1812年は印象的な演奏でした。昨今の右手振り、指揮棒を持った右腕の雄弁な動き、オケの反応の良さ、芸風はさらに一段深みを増している。
演奏は騒がしくがなり立てるものではなくて、むしろ端正とさえいる。一つ一つの進行が非常に丁寧で味わい深い。静かな中から強烈ブラスセクションが品性を保ちながら自然に湧き出すようなスペクタクルで、もはや、エキスのみの枯れた演奏と言えるのではないか。両者気負いゼロ、音楽の神髄だけ魅せてくれる。見事なものだ。
大砲はバスドラ、バンダはオルガンレベル。大音量のオーケストラ演奏なはずだが、何故かスタティックな味わい。煽り立てることはせず作品の内面を魅せてくれる炎の棒。淡々とした中に気品と美しさが漂う佳演でした。
いい演奏会でした。満足。ありがとうございました。
おわり