河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2417- メンコン、木嶋真優、ドヴォスラ1,10、スメモル、チャイ1812、小林研一郎、日フィル、2017.9.23

2017-09-23 23:30:36 | コンサート

2017年9月23日(土) 6:00pm みなとみらいホール

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調  ?+10+7′
  ヴァイオリン、木嶋真優

Int

ドヴォルザーク スラヴ舞曲第1番 第10番  5′、6′

スメタナ モルダウ  11′

荘厳序曲1812年  17′

(encore)
ドヴォルザーク ユーモレスク  5′

小林研一郎 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


NHKホールからの移動に手間取り、着いたらメンデルスゾーンが始まっていた。3階の立見席に入れてもらい第1楽章の途中から聴く。立見席と言ってもステージは見えず音だけ聴く。この立見席、びっくりするほど音が来る。ヴァイオリンソロの音はやたらとデカいし、オケのピリピリした息づかいまで聴こえてきそう。スピーカーでもあるのかと勘繰りたくなる。
メンデルスゾーンはもう勘弁してほしいが、しょうがない。
ヴァイオリンはさっぱりとした感じ。オケ伴がないと進行にやや不安があるようにも聴こえる。

渋谷からの移動が遅れに遅れてもいいので1812だけ聴ければいいやという割と投げやりな気持ちだったのだが、横浜定期、めずらしい名曲オンパレードコンサートで1曲ずつ炎の解説付き。それが結構面白い。軽妙な語り口というわけではないが百戦錬磨の余裕を感じる。材料はたくさんありそうだし。
解説付き、試奏付きで聴衆をグイッと引き寄せてくれる。なかなか楽しかった。演奏もよかったですね、プレイヤーになれ合いのニヤケは一切なくて真剣。指揮者もオケも好感度高い。

1812年は印象的な演奏でした。昨今の右手振り、指揮棒を持った右腕の雄弁な動き、オケの反応の良さ、芸風はさらに一段深みを増している。
演奏は騒がしくがなり立てるものではなくて、むしろ端正とさえいる。一つ一つの進行が非常に丁寧で味わい深い。静かな中から強烈ブラスセクションが品性を保ちながら自然に湧き出すようなスペクタクルで、もはや、エキスのみの枯れた演奏と言えるのではないか。両者気負いゼロ、音楽の神髄だけ魅せてくれる。見事なものだ。
大砲はバスドラ、バンダはオルガンレベル。大音量のオーケストラ演奏なはずだが、何故かスタティックな味わい。煽り立てることはせず作品の内面を魅せてくれる炎の棒。淡々とした中に気品と美しさが漂う佳演でした。
いい演奏会でした。満足。ありがとうございました。
おわり



2416- ラフマニノフPC4、コジュヒン、スクリャービン2番、ヤルヴィP、N響、2017.9.23

2017-09-23 23:10:19 | コンサート

2017年9月23日(土) NHKホール

グリンカ 幻想的ワルツ  9′

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番ト短調  9-7-8′
 ピアノ、デニス・コジュヒン

(encore)
スクリャービン 3つの小品op2 第1番 練習曲 嬰ハ短調  3′

Int

スクリャービン 交響曲第2番ハ短調  16-12-15′

パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 NHK交響楽団


コジュヒンさんはお初で聴きます。
2010年エリコンチャンピオン。大柄でポニーテール、カンブルランを一回り大きくしたような感じ。弾く前から型にとらわれない雰囲気持っていそうなところがありますね。
軸のぶれないストライド走法ならぬ奏法のようでありながら、豪放磊落にジャバジャバといったのとはまるで違う。ちからまかせではなくて、力学と正確性のバランスの良さ。品性を感じさせる。終始スケールの大きい引き締まったプレイで、ヤルヴィPの締まったというか先に進むにつれて締め上げていくスタイルとは一見似ているようで非なるもの。そこは選曲の妙もあり両者聴かせてくれた。
生ではめったに聴くことのない4番コンチェルトは3番までとはちょっと付き合い方を変えて、ドラマチックでダイナミックなロマン性を横目に見ながら味わう。びっしり音が詰まったものではなくて隙間を感じるのはリズミカルな運びが目立つからかもしれない。要はたまにオケが吠えるのとは違うセンス。双方の拮抗が面白いし、ピアノの迫力も大したもの。筋肉オケと天性のプレイのぶつかり合い。楽しめました。

後半のスクリャービンの2番、これを聴くのは2010年、広上&日フィルのとき以来。(曲の話はこっちに)
1037- ファジル・サイ 広上淳一 日フィル ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 スクリャービン 交響曲第2番 2010.7.9 

ヤルヴィPの演奏は引き締まったもので、フィナーレに向けてさらに締めていって、コンパクトになってしまった。次の3番の情緒性の前触れを感じさせないのは彼のスタイルだろうが、勝利の歌にしてはスケール小さい。むき出しのブラスの歌はさまになっていない。

最初の曲のグリンカの幻想的ワルツ。
2番ホルンのソロが活躍していて、下吹きの高音ソロが聴ける珍しい曲だな、などと思いながら眺めていました。
おわり



2415- ベートーヴェン・プラス Vol.4 横山幸雄 ピアノ・リサイタル、2017.9.23

2017-09-23 23:00:29 | リサイタル

2017年9月23日(土) 10:30am-4:20pm コンサート・ホール、オペラシティ

オール・ベートーヴェン+

第1部 10:30開演
 ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op. 27-1  3+2+3+6′
 ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op. 27-2  5-2+7′
 ピアノ・ソナタ第15番二長調「田園」Op. 28  9-6-2-4′

Int

第2部 11:50開演
 7つのバガテル Op. 33  3-2-2-3-3-3-2′
 2つの前奏曲 Op. 39  5-3′
 ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1  7-8-8′

Int

第3部 13:30開演
 ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」 Op. 31-2  7-7-5′
 ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op. 31-3

Int

第4部 14:30開演
 バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV. 903
 モーツァルト:幻想曲ニ短調 K. 397
 ショパン:即興曲第4番嬰ハ短調「幻想即興曲」Op. 66
 ショパン:幻想曲へ短調 Op. 49
 ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」Op. 61

Int

第5部 15:40開演
 シューマン:幻想曲ハ長調 Op. 17

(16:20 終演予定)

ピアノ、横山幸雄


一日損した気分の秋分の日、あまり気張らず3か所巡り。
一つめは横山さんのロングリサイタル。朝の10時半から夕方4時半頃まで。
二つめの予定があるので作品31の真ん中テンペストを聴いたところで退出。18番までは聴くつもりでいたのだが、予定が押し気味で、各部の頭に横山さんのトークが入るのでさらに押した感があり、やむなくテンペスト止まり。

13,14,15,16,17の5ベトソナと7つのバガテル、2つの前奏曲。まぁ、これだけ聴ければほぼ満足。
横山さんのベートーヴェンは5月のガル祭でたくさん聴きました。今日も楽しみですね。

どの作品も肩の力が抜けていて本当に軽く弾いている感じ。そういったリラックスベトソナはフォルテのところでも透明さを保ったままで響いてくる。折れるカーヴが無い。自然に波打っている。ベートーヴェンの揺らぎは強くて柔軟。どれもこれもいい演奏。
13番は切れ目のないプレイで流れる。この作品のポテンシャルを再認識。大きい作品、魅力的。その大きさと幻想、醸し出す横山ピアノ見事です。
月光はガル祭でも単品で聴きました。今日は13番に続いての演奏。第1楽章のモードは13番を感じさせるも明らかにムードが3楽章寄りにシフトしている感がある。淡々とした演奏だがそういったことを思わせてくれる。すっきりとした中間楽章。これ必要ですね。
次の田園。全編を覆う魅力的な下降音型が印象的な曲。最下点に向かって押し込むようなものではなくて均質。むらが無い。2楽章などシンプルイズベストな雰囲気。大きな曲、田園を満喫。
ここで一服して次に進む。

7つのバガテル。明るくて大規模な作品でした。どこで終わってもいいような、いつまでも続きそうな、そんなピースのかたまり。
2つの前奏曲は粒立ちの良さ。
この2作品は譜面を見ての演奏と見うけられました。
16番は洗練された味付けで、ずれやねじれがカッコよく弾かれていて鮮やか。大変にバランスのいい演奏でした。
ここで2回目の休憩。

次は作品31のうちさっきの16番に続きテンペストと18番。
テンペストは一つずつの粒が小さくきれいに響いてくる。最初の13番からそういった力むことの無い演奏が延々と続く。
終楽章の無窮動、ピアノとフォルテのコントラストが素晴らしい。フォルテではややエキサイティングなところも。テンペストの嵐か。
最後はひっそりと沈みこむ。第1楽章のシベリウス第1番終楽章的エンディングとともに印象深い。

ここまで聴いて退席。

ホールは1階席は8割がた埋まっている。2,3階の左右バルコニーは普通に座ると舞台は見えない極悪席で、席を変えてほしいという方や、そもそも舞台を見ずに音に集中するかたなどまちまち。ホールサイズは横山クラスにはちょうどいいと思うのだが、舞台が見えない席が沢山あるホールなので、ここではなく別のホールでやってほしい。上野の大ホールで4,5階を閉めて3階席まで使う、など。演奏会は視覚的インパクトが大きいので、その点、この初台は全くよくない。
おわり