河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2411- ショスタコーヴィチ、レニングラード、ヤルヴィP、N響、2017.9.16

2017-09-16 22:59:06 | コンサート

2017年9月16日(土) 6:00pm NHKホール

ショスタコーヴィチ 交響曲第7番ハ長調 レニングラード 28-12-18+18′

パーヴォ・ヤルヴィ 指揮 NHK交響楽団


第3楽章の弦を除いたインストゥルメントで18小節目まで食い込みをみせる頭17小節の二拍子のような動きの3拍子の吹き具合伸ばし具合、素数の束から出来上がった幾何学的模様のアヤ。明るめ硬め。ぬくもりは背後にまわり機能的な直線美を感じさせてくれる。これがヤルヴィの技、このオケドッシリドイツの遺伝子を横に跳ね飛ばすような響きのパフォーマンス、最高のバランス。これがツボ、ヤルヴィPの真骨頂。決まりました。
ショスタコーヴィッチの透徹した眼が厳しく光る。
このあと、ひとしきり盛り上がりがあり第2主題的フルートソロが練習番号112の3小節目から。このフシが安定調で今度はヴィオラで137の3小節目から始まる。素数もウエットになるときがあるとヤルヴィが語っているようでもある。
ところで、このヴィオラ節が出て来ない演奏もあると思うのですが、どうでしょうか。例えば、2016年テミルカーノフとペテルブルク、同じく2010年テミルと読響では演奏されていないと思います。割愛なのか別の形をしているのかわかりません。テミルの1995年商用CDでは演奏されてますね。他数多ある演奏はどうなっているのかはわかりません。
これ、気のせいかな。

N響のサウンドは脂身をそぎ落とした硬質なもの。霜降りが気持ち悪くなる人はこれですね。
昨晩のミョンフン東フィルの復活に続き今日もCb10。圧倒的だがこのホールではまだまだプレイヤーが至るところに陣取れそうな余裕のキャパ。客席も同じく横幅広のホールで、薄められた音がむなしく拡散する極悪非道ホールなれど、何十年もここでやってきたN響さんですからね。相応なことはしているだろうし、きっちりと決めれる。おそろしいと言えばおそろしい腕前。

終楽章も3楽章同様の方針、低音開始、もやもやしない。クリア、進行するにつれ解像度は増していく。激情よりもこれです。
長い第1楽章はボレロの前の副主題が泡のように溶けていかないで主主題の対立軸になっている。明確な音楽づくりです。響きの解像度とともに形式感もよく見えるもの。

いい演奏でした。
おわり