恐山あれこれ日記

院代(住職代理)が書いてます。

番外:素人の蛇足です。

2020年03月26日 | 日記
 今回の疫病、私は「自粛」ですむ段階は終わったと思います。

 ある程度の規模の集団に対して一律に「面白くないこと」をさせるには、集団の統率者側による一定の強制、すなわち罰則を伴う取り締まりが必要です。およそ個人の意志のみでは2週間をこえる自制は困難でしょう。

 すなわち、政府と東京都は、今日にも緊急事態を宣言して、当面の期限を明示して東京を封鎖(買いだめ等を含む移動・行動制限)すべきです。既存の法律より強力な法的根拠の確保が急務でしょう(緊急の法改正か立法)。

 できれば今日から一週間程度の間に当局はできるだけの準備(特に医療と教育と治安)をし、情報を提供した上で、個人の「意志」ではなく、法的な「拘束」で社会を方向づけなければなりません。 

 それによって生じる個人と法人の経済的損失は、基本的にすべて国の資金で補償することもしなければなりません。国民の負担は膨大な額でしょうが、首都の経済活動が壊滅するよりましです(東京一極集中の日本では、首都だけの問題ではすまない)。

 オリンピックは中止すべきです。治療薬とワクチンが開発され、それが世界的な規模で必要な人に十分に行き渡るようになるには、たぶん1年では無理だと思います。開催できるかどうか不安を抱えながら、さらに準備に人的・物的資源を投じるべきではありません。そもそも、今後感染の第二波、第三波がくる可能性もあります。

 平和だからオリンピックができるのであって、オリンピックが平和を作るわけではありません。開催に対する懸念と労力を断ち切り、疫病撲滅に注力すべきです。

 これは確かに個人の「主権」制限です。しかし、「主権」は社会が規定します。その社会が崩壊の危機にあるなら、期限などの厳格な条件付きで制限することは理に適うでしょう。
 
 私はそう思うのですが。
  
 

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