くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ぼくたちのアリウープ」五十嵐貴久

2013-07-16 05:29:07 | 文芸・エンターテイメント
 スポーツ小説です。種目はバスケット。アリウープというのはかなり高度なシュート技らしい。よく説明できませんが。
 五十嵐貴久「ぼくたちのアリウープ」(PHP)。スカイエマさんの表紙の本を借りようと勇んで図書館に行ったものの、メモ書きを忘れて愕然。でも確か、五十嵐さんの本で一冊あったはず(「You!」は既読)、と探したらこれでした。実は返却日が過ぎているんです。例によってトランクに積んだままだったから……。
 で、一気にラストまで読み終わりましたよ。この人、まんがやドラマで育ってきた人なんだろうな、と読むたびに思うんです。展開がね、スピーディー。キャラクターの出し方もそうです。
 「ぼく」こと斎藤順平は、中学では中位グループだったのに、試験のヤマが大当たりして名門高に入学します。インターハイ常連のこの学校でバスケットを続けようと思っていたのに、三年生の不祥事で一年間は対外試合禁止。とばっちりをうけた二年生からはまた裏切られるのはこりごりだから、新入生は受け入れないと言われてしまいます。 
 二年生と試合をして勝てば入部を許してもいい。だめなら退部。そんな約束を交わした順平は、ただ一人残ってくれた鶴田(ツル)と一緒に戦ってくれるメンバーを集めますが……。
 メンバー集めに奮闘するあたりでもう半分終わっちゃうんですが、ドリブルのうまい坂田(モンキー)とか、茶道部と兼部している国木田(ドッポ)とか、個性的なメンバーが結集します。国木田くんのお姉さんは女バスの部長で、見かねて練習相手を買って出てくれ、それに付随して「メガネ」が、さらには糖尿病一歩手間のウトウが入ってきます。
 わたしは国木田くんが好きですね。「健太やります!」あたりにもこういうタイプのキャラがいたような。
 二年生ではキャプテンの小野くんが出てきますが、レギュラーチームじゃないのに神田さんにやたらとスポットが当たっていますよね?
 中根先生、審判できるならバスケ顧問してあげればいいのに。バスケ審判はとにかくコート中を走り回るハードな仕事ですよ。
 わたしも約十年前、4カ月だけ顧問をしました。当時妊娠中で、体育館は寒いしお昼に差し入れされるコンビニ弁当は胸焼けするし、練習試合の日は帰ったら寝込む毎日でした……。
 でも、バスケする生徒たちはかっこいいんですよね。お母さんたちと一緒に応援する毎日でした。