くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「教室」真田コジマ

2013-07-17 01:39:12 | YA・児童書
 職業柄このタイトルが目に入ってくるんですよ。真田コジマ「教室 消えない虹」(金の星社)。引き出して見たらこれもスカイエマさんが挿し絵を描いていらしたので借りてきました。
 小学五年生のある学級の日々を、子どもたちにスポットを当てて描きます。「上原卓也 3番」「西川明日香 21番」というように出席番号も入っています。男女混合名簿みたいですね。
 さっきの話に出てきた子が登場することもあり、教室のみんなが生活の中にいる感じがしますね。うちの息子も同じ「五年二組」なので親近感。担任の先生は男性ですけどね。
 で、ここの担任水島朋美先生は、近々ご結婚の噂もある若い女性。子どもたちからも人気があります。
 両親の離婚で転校を余儀なくされた卓也は、この頃母親と親しいらしい男性の娘が同じ学校にいることを知ります。母は、自分のことが最も大切と言っていたのに、このところ行動を見ていると不安になってくる。
 隣のクラスにいるいとこに急接近する同級生が気に食わない有紀は、無理矢理家に泊まりに行きますが、おじさんから幻滅するような事実を教えられて一気に熱が冷めます。
 船の模型を作るのが大好きなのに、下の子が生まれることを知って嫌な気持ちになる男子とか、憧れの女の子がニュースになるような事件に巻き込まれたことで落ち込んでいるのを、なんとか励ましたいと思う女の子の話もあります。
 思春期の入り口だからか、誰が好きなんていう話題も出てきますね。その反面、アキラ(先述した有紀のいとこ)がお母さんにべったりと聞いてがっかり、みたいなところもあるわけです。
 水島先生は、最後にかなりショックなことがあります。なんとか立ち直ろうとする彼女と、マグカップを買ったときにはどうしても言えなかったのだろう彼のことを考えると、いたたまれない気がしますね。
 ところで、うちの五年生、宗田理が大好きなんですけど、ばあちゃんから「まんがみたいな本しか読まなくなるから買わないように」と言われ、困惑するわたし。「ぼくら」シリーズ、だめですかね? ある程度濫読しないとそれこそ読書環境は偏ると思うんです。読書の「筋肉」もトレーニングしないとつきませんって。
 それとも「もものかんづめ」のことでしょうか。学年一位だったKくんも、これは好きで何回も読んでいたんだけどなあ。
 どの本なら納得してもらえるんでしょう。わたしが五年生のときは「小公女」とか「ハイジ」とか読んでましたが。芥川でも買ってみる?