くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「龍-RON-」結局漫画文庫を買いました。

2012-02-28 20:24:00 | コミック
今、頭の中は「龍-RON-」でいっぱいです。
その後、二十五巻と二十八巻以降をなんとか入手せねばと古本屋を探しまわったのですが、やっぱりないですねぇ……。行くたびに違う本をつい買ってしまう。「獣医ドリトル」六巻までと、「カラフル」と「ドリームバスター」と……。
先日、古川の書店で会計を終えたわたしに、夫が
「二十一巻で完結してる」と、漫画文庫を示すではないですかっ。
ええ、買いましたよ。十五巻から二十一巻まで。でも、十四と十八が欠けているのです。ううう……。気長に探します。
馬賊になるというイメージが強かったので、なんだか道教のお寺に修行に行ったのには驚きました。
ていが撮影する映画の内容にもびっくり。女性監督だから、しっとりした作品にするのかと思っていたんですが、なんと冒険活劇!
その主人公を演じる雲龍が、子供ながらひねくれていて、わたしは日影さんが気の毒でならない……。
龍とていの娘の和華と、スタジオに閉じ込められる場面、とてもはらはらしました。
印象的なのは、鳳花の死の部分ですね。執拗に命を狙う□徳豊。龍は彼を親友と呼び、その言葉に□は涙をこぼすのです。
順番が前後して申し訳ないんですが、小鈴がとても哀れでした。卓磨との心のすれ違いが。龍が自分との思い出を忘れてしまったこともショックでしょうが、ていから彼が生存している事実を打ち明けられなかったこともかなりつらいように感じます。
ストーリーから離れて、当時の事情をある程度知っている人から見れば、田鶴ていという女優さんは、スキャンダルを起こしながらもカムバック。そして、単身満洲(まんがでは「満州」ですが)に渡り、現地に住む中国人と結婚。その後映画監督に、というプロフィールに見えるのでしょうか。
これから二人がどうなるのか、それが気になって気になって、一気にラストまで読みました。思ったよりアッサリ……と感じたんですが。
これが、すさまじいほどに脳裏に焼き付くのですよね。ふと、映画のカットバックのように、あのエンディングが浮かびあがる。成功した雲龍が自分の映像に涙する場面、小鈴のもとに和華の息子(展開からいうと父親はインドの方なんでしょうね)が訪ねてくる場面、龍の消息を知る文龍、ロケットセンターの科学者として働く冬馬、そして、寄り添う二人の影。
とても、記憶に残る演出だと思います。
この前、ブータン国王が訪日し、自分の中の「龍」について話したというエピソードを思い出しました。様々な場面に「龍」がちりばめられていると思ってはいましたが、ここにも、ですね。
人類が生んだ星。科学の力を、今度は平和に利用することなのかもしれません。(原爆との対比ですね)
思うに龍の人生は、次々に襲う苦難との戦いの道であるようにも思われます。ほんの一場面として描かれていますが、ダライ・ラマに随行したり。チベットも戦禍がひどかったでしょうし。
近くの本屋では全く漫画文庫も売っておらず、悲嘆に暮れるわたしです。早く全巻読んですっきりしたい。
わたしがこの作品と出会ったのは、ていが女学校の友達に竃掃除の様子を見られる場面です(「灰かぶり=シンデレラ」ってことですかね)。おそらく二十年くらい前。ずっと読みたいと思いながらも、余りの長編ぶりに怖じけづいていたのですが、でも、買った甲斐がありました。コミックスと文庫まぜこぜですが。
まあ、わかってはいたことですが、装丁や版型が違っても気にはしませんね。
わたしは「愛書家」ではないんだと思います。