草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

占領政策への抵抗の歌であった「雪の降る町を」

2011年01月30日 | エッセイ

 会津は今日も雪である。それもぼさぼさ降っている。日曜日のせいか、車もそれほど走っておらず、まさしく「雪の降る町を」の情景である。「雪の降る町を」は、昭和28年にMHKラジオ歌謡として発表されたもので、戦後の歌なのである。それを知っている人は、ほとんどいないのではなかろうか。作詞は内村直也、作曲は中田喜直であった。内村は「進駐軍占領下の心情を吐露した」といわれる。民族独立への思いがこめられていたのである。だからこそ「おもいでだけが/通りすぎてゆく」のであり、「この哀しみを/いつの日かほぐさん」「このむなしさを/いつの日か祈らん」という歌詞になったのである。先の大戦で日本は、軍人と民間人を合わせて300万人以上の犠牲者を出した。昭和28年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効され、体面上は主権を回復したが、占領軍に押し付けられた憲法は今なお改正されていない。戦後体制がそのまま続いているのだ。さらに、国のために散華した者たちの慰霊も、なおざりにされたままだ。独立国家として保持すべき軍隊も、日陰者扱いである。日本人にとっての戦後とは、過去の日本を捨て去ることであった。しかし、それによって、失ったものも大きかったのである。

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