草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

左翼の最後の牙城はアカデミズムとマスコミだ

2024年02月11日 | 学問
 岩田温チャンネルで、岩田さんが語った一言が胸に刺さった。「アカデミズムでは右翼が差別されていますから」と言ったからである。マルクス主義がお払い箱になっても、環境保護やマイノリティなどの運動が猖獗(しょうけつ)を極めているのは、左翼の運動が未だに燃え盛っているからだろう。
 しかし、日本の人文科学の世界で業績を残した人たちは、左翼ではなかった。代々木のスターリン主義者に膝を屈したわけではなかった。党派的な運動として戦後の一時期、岩波や朝日に後押しされた進歩的文化人がのさばっただけであった。
 そのなかのリーダーであった丸山眞男が、晩年になって『歴史意識の「古層」』において、日本人の底に流れる基底音を問題にし、「なりゆき」や「いきおい」というキーワードで説明しようとしたのは、欧米的なイデオロギーではない。まさしく日本人の情念としての右翼の思想なのである。
 岩田さんのような優秀な研究者を排除するというのは、アカデミズムにとって不幸なことである。戦後のアカデミズムの世界で、土方成美の一派は東大経済学部を追われたが、その流れを汲む者たちは高崎経済大学、京大法学部の大石義雄の一派は京都産業大学をそれぞれ拠り所にした。
 それでもアカデミズムの世界で多数派を形成することはなかった。かつて保守派の拠点であった国学院、拓殖、国士舘でも今は左翼が浸透しているのではないだろうか。
 僕が出た法政などは、マルクス経済学の大内兵衛一派の牙城であり、経済学に関しては考えが違う人間は一切寄せ付けなかった。左翼の最後の砦がアカデミズムとマスコミである。それか崩壊しなければ、日本に本当の学問は復活しないのである。

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