柴山昌彦文科大臣が就任後の記者会見で教育勅語について語ったことを批判するのは、特定野党による単なる言葉狩りでしかない。「アレンジした形で、今の例えば道徳などに使える分野が十分にあるという意味では、普遍性を持っている部分がある」とのどこが問題なのだろう。政府は昨年3月の閣議において、教育勅語に関して「憲法や教育基本法に反しないように」と釘を刺しながら、教材として用いることを容認している▼北一輝の伝記を手がけ、新左翼の理解者であった松本健一は『論争教育とは何か』において「『天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ』とか『斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓』といった皇国史観につながりかねない国体イデオロギーの復活は問題があるが、人倫として父母に孝、夫婦相和し、朋友信じるという人間としての守るべき〝virtue〟は普遍的な側面があって、尊重していくのは当然でしょうね」と述べている。その座談会に出席していた中曽根康弘や西部邁らも、松本の意見に大筋では賛成していた▼柴山文科相が文科省に乗り込んで、抜本的な改革を行うのを阻止したい特定野党は、今後も重箱の隅をつつくように、色々と難癖を付けてくるに違いない。過去の日本を全面的に断罪するのではなく、尊重すべきは尊重することが大事なのであり、正論を吐く柴山文科相を孤立させてはならないのである。
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