悪口雑言をマスコミから言われても、大方の日本国民は安倍晋三首相を支持している。何かすると槍玉に挙げているマスコミや自称リベラル派は、拍子抜けしているのではないだろうか。公文俊平の『情報社会学序説 ラストモダンの時代を生きる』は、情報社会を生きる上での羅針盤である。2004年発行だが、まだまだ色褪せていない。とくに私が評価するのは、「第三章共進化する智民たちとコンピューター」である。見出しだけを拾っただけでも、智民たちがどのように進化しているのかが分かる。「八ッカーズー対抗智民」「ギークスー智民の進化」「ギークスから子供(キッズ)へ」。ハッカーズは同じようにパソコンを駆使するテクノクラートへの対抗文化として登場した。高等教育を受けていた点ではテクノクラートとは共通していたが、日本の「おたく」という言葉がふさわしい、サーカスの最下層の芸人を意味するギークスになると、まったく違ってきた、成績の優劣は問題外になった。公文はギークに関して「もともとのテクノギークスとしてのそれから、より広い文化・社会的なものにまで拡大していった。こうしてギークスという言葉は、まさに第一次情報革命の『出現の突破』を担った智民たちの総称としての地位を占めるにいたった」とまで書いた。1990年代のことであった。そして、次に登場したのがキッドだ。専門的な知識をひけらかすそれまでのネット住民とは違って、ネットで生まれ育ったキッドは、専門的な知識に疑いを抱き、確実に実績を重ねてきている。専門家として名の通った経済アナリストよりも、まともな情報を発信するキッドが出てきているのである。日本のネット住民もまた、そうした流れとは無縁ではありえず、だからこそインテリ批判は徹底しているのだろう。
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