ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

脱原発、イマイチの『Newton』誌

2011年11月29日 | 研究・書籍

月刊誌は早2012年の1月号が並んでいる。

発刊30年になる科学誌『Newton』1月号。新春号の特集は「知っておくべき電力とエネルギー」。3部構成。プロローグでは「原子力の安全性が絶対でないことがだれの目にも明らかになった以上、この先原子力発電に多くを依存するのは現実の問題として困難な状況」・・「多くを」にまだふっきれないものを感じるがまあよい。しかし「とはいえ現状では電力の30%をになう原子力発電がなければ電力の安全供給がむずかしいというのも事実です」と、ここに至っても原発依存をあきらめようとはしない。

Part1は電気の基礎知識。Part2では、様々な電力をNewton誌らしい視覚に訴えるグラフィックな形で解説。あるある、いろいろな発電方法・・「バイオ燃料」「太陽光発電」「風力発電」「地熱発電」「波力発電」「海流発電」「潮流発電」「海洋温度差発電」「中小水力発電」「太陽熱発電」「高温岩体発電」・・。

Part3では、めざす将来のビジョンとして蓄電池のメリットと電力網の改革を提起。当広場でも取り上げた「スマートグリッド」の構想」だ。ここでは各セル(細分化された電気系統)が互いに電力を融通し補完し合う「デジタルグリッドメーター」を用いたネットワークを紹介している。

ここまで前向きに進みながらも「これらのエネルギーが安全でない、使いにくいという問題が残されている・・」と。そしてむすびは「原子力発電所をある程度残すのか、火力発電所を増強するのか、自然エネルギーを大幅に導入するのか、ありがたいことに選択する余地が残されている」としている。この記述からして、あくまで原子力には未練があり選択肢から外せないようにも感じられる。人類、地球、自然と共存できないのが原子力発電。まず原子力発電に依存しないことを大前提にし、多数ある発電方法から未来を展望するべきだと思うのだが。

原発事故から8か月以上経つ中でこの間、友人知人と原発問題についてしばしば話題にしてきた。職業的には看護師、薬剤師、獣医師、検査技師のいわば理系、命を預かる医療系の人たちが意外に原子力依存傾向にあることを知る。Newton誌の論調と良く似ている。同誌のような先端と思われる科学雑誌でさえまだ脱原発には距離があるように。おしなべて「現実的には原子力がなければ、私たちの生活、経済が成り立たないのでは・・」という見方だ。実際は原発なしでも電力は十分足りてるのだが、これまでの国民への原発依存洗脳・宣伝の効果のすさまじさを改めて感じる。

最後に小出裕章先生の動画「8分講座」を聴き再度、「電力学習」をしてみたい。

Newton (ニュートン) 
2012年 01月号
ニュートンプレス

 

原発なしでも電力足りてる 小出裕章助教(京大)

 

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松下政経塾は“大学院”か

2011年11月27日 | 教育・文化

今年は、松下政経塾1期生の野田佳彦が総理大臣になり、同塾及び、同塾創立者の松下幸之助への関心が一段と高まった年ともいえる。

10月に放映されたNHKの土曜ドラマ『神様の女房』では、妻の目からみた幸之助のサクセスストーリーを取り上げていた。財産もない、家もない、学問もない、ないないづくしの貧乏人がエレキ(電気)に取り付かれて、一歩一歩立身出世していく・・。幸之助は「人が働くことは社会に奉仕すること。奉仕と奉仕の交換で社会が成り立つ・・」と持論。そんな彼の理想社会を実現するための人材養成機関を松下政経塾には託したのだろう。

松下政経塾の「政経」は政治経済の意味でなく、国家経営のことだ。英名The Matsushita Institute of Government and Management に表れている。

松下村塾と松下政経塾

1979年、松下幸之助が私財70億円を供して創設。全寮・4年制。新しい国家経営を推進していく指導者の養成が目的。ネーミングからして幕末の志士、吉田松陰が主宰した「松下村塾」を連想させられる。

私も以前に一度、今は国指定史跡になっている「松下村塾」(しょうかそんじゅく)を訪れたことがある。山口県萩市の貧相な母屋のような一軒家であった。ここで下士(下級武士)の子弟達が学び尊攘派の拠点とした。きびしい幕府の弾圧のものに塾生たちは貧しくも理想に燃えていた。

時代も異なるので、単純比較は酷かもしれないが、松下政経塾の方は、しゃれた湘南の一角、神奈川県茅ヶ崎市にある。塾生たちへの研修費手当ては1年生が月20万円、2年次以降が25万円、他に年間100万円以上の活動資金が充てられる。塾生は、すでに国内の一流大学、さらには米国の大学院等を修了しているいわば“上士”(上級武士)たち、ハイクラス層の若者だ。そうした面からは、松下政経塾は一般の「大学院」のイメージではなくゴージャスな、しいて言うなら有給スーパー大学院といえるかもしれない。

第二保守政治家の輩出

発足当初、塾長は松下幸之助、副塾長には宮田義二(元鉄鋼労連委員長)を据えた。副塾長の宮田は、「今の自民党を一皮むきたいという気があるのです。第二保守党的なことになるんですね。そのために必要な政治家はここで、ぜひ作り上げようと」(評論家・山崎一三)

塾創設の理念を着々と実現したかのようにみえる松下政経塾。日本をとりまく現在の政治状況を果たして幸之助翁は、今どのような気持ちで見つめられれていることだろうか。

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【写真】軍部からの無理な生産要請に苦悩する松下側(NHK「神様の女房」から)

 

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放射線測定器貸出し(大泉町)

2011年11月25日 | 地域・一般

本日発行の『広報おおいずみ』によりますと、大泉町は、希望する町民に放射線測定器と高圧洗浄器の貸出しを行うといいます。良策です。

すでにこれまで52施設の測定を終え、基準値を超えた10か所のすべての除染を済ませています。そして今回の測定器の貸出しです。放射能対策では、先手先手と対応していて気持ちがいい。

ただ、但し書きの「簡易な測定機器(PA-1000Radi)のため、高めの値を表示する傾向があります。」がちょっと気になりました。同器は安定性のあるシンチレーション式で、ガイガーミュラー管方式とは異なります。むしろガイガーの方が一般的に高めに数値が出ると言われています。おそらく簡易タイプなので、厳密性という点では多少差異を生じると言いたかったのでしょうが。この機種は、現在市販されてる測定器としては一級品です。「高めの値」の表現には、メーカーの堀場製作所の開発者たちが聞いたらきっとがっかりすることでしょう(笑)

ホットスポット(高濃度地域)下の都市にある施設の園長が、母親からの園庭の測定申し出に激怒した話があります。(当広場11/4参照)しかしそれとは正反対に、園自ら放射線測定器を積極的に保護者に貸し出している模範的な保育福祉施設があります。それは群馬県藤岡市のひかり保育園。

測定情報がどんどんオープンになって正確な数値を皆が知り善後策を講ずるようになること。こうした傾向が、ますます広がることを期待します。測定結果は知るまでは内心ハラハラしますが、それはガンの告知と同じ。患者側(市民側)がきびしい現実としっかり向き合い「闘病」の覚悟を持たなければならないと思います。

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HORIBA(ホリバ) 環境放射線測定器

PA-1000 Radi (ラディ)

堀場製作所(日本製)
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国定忠治の魅力とは

2011年11月22日 | 研究・書籍

面白い本でした。『国定忠治』(群馬出版センター、小西敬次郎著)=写真

昨年一度、国定忠治遺品資料館(伊勢崎市国定村、忠治の墓のある養寿寺境内)を訪れましたが、ひなびた館内に、ヨレヨレの三度笠やマント、刀などがあったような記憶があります。これまで訪ねた幾多の資料館では一番みすぼらしかったが、それがかえって天下に聞こえし渡世人の「ボロは着てても心は錦」の粋が感じられました。ただ小中学生の見学先としてはおすすめできません。

著者の小西敬次郎氏は1930年生まれ。上毛新聞社編集部長、群馬テレビの役員を歴任した人。よくここまで国定忠治について詳しく調べたものだと感心します。著者によると出典の多くは『赤城録』に基づくものだという。それでは『赤城録』を記録した人物とは一体何者なのか。羽倉簡堂という人物で大阪生まれの武士、忠治より20歳上。父の代からのお代官様で、各地の代官所を回ったいわゆる高級官吏の“転勤族”。のちに忠治が襲った岩鼻代官所(現在の高崎市「群馬の森」あたり)でも一時期赴任したことがあります。

著者の推測では、今のように言論の自由もままならない中、江戸幕府の高官が、処刑された一博徒を評価し書に著わすというのは相当な覚悟と信念が必要だった、と。忠治の行動には時代性と社会性が富んでいる。そのあたりに羽倉簡堂自身、強く惹かれるものがきっとあったのだと思えます。

 

二足の草鞋の親分衆

さて前置きが長くなりましたが、庶民に人気のある忠治の魅力とはどこの有るのだろう。その前に予備知識として、「二足の草鞋(わらじ)」について整理してみます。「二足の草鞋」とは「同一人が両立しないような2種の業を兼ねること(広辞苑)」として現代でも会話等で使われますが、「もと博徒などが十手をあずかるような場合をいった(広辞苑)」の意味もありました。幕府は地方の治安維持にその土地の博徒を道案内人として起用した。無給の道案内を何年か勤めると捕吏(役人)の「目明し」に取り立てた。つまり「毒には毒をもって制す」とか「蛇の道はへび」といった手法を取り締まり、巡察に利用しました。私はこの本を読むまで「十手」をもつ人は皆が皆、下級官吏か豪商であって、まさかヤクザの大親分が兼務していたとは思ってもみませんでした。

貧民救済の義侠

「忠治の魅力」に入りましょう。魅力の第一は、忠治は二足の草鞋を履くヤクザを徹底的に嫌った。ヤクザの道一筋の「筋者(すじもん)」で生涯を通した。二足派の親分が多かった中で、生粋のヤクザでありつづけた。魅力その二は、19世紀の江戸時代後期、世は天保の大飢饉(1836年)。冷害、洪水、暴風の災害続きの中、窮民救済に決然と立った忠治。国定村880戸中260戸の極貧困窮者に米、銭と交換できる切符を気前良く配る。そのため忠治の身上はすっからかん。しかし赤城山麓一帯の山村からは一人の餓死者も出さなかったと言う。博打は強運で財は有ったが、一方金離れもいい気風(きっぷ)のよさ。その三は生涯、反体制、反権力を貫いた。良民から年貢や保釈金を不当に搾り取る悪代官は許せなかった。岩鼻の代官所を襲って代官松井軍兵衛らを斬殺。備蓄米は困窮する農民に開放し与えた。

不思議なことに代官所襲撃の件では、ご公儀(幕府)は身内の役人の悪徳行状を表ざたにしたくないためか忠治をとがめなかった。忠治が捕らえられ処刑されたは、別の殺しと関所破りの罪状でした。

代官所を襲った忠治

十手を片手に、二足の草鞋を履く親分衆は、ちょっと見には世間に背を向けご公儀にたて突いているようでいて、実は公権力にしっかり協力しているということになります。そうした点がまったく見られなかったのが忠治の特徴で、この辺のことはウィキペディア(国定忠治)には書かれていない。大胆にもお上(幕府)の出先機関である代官所を襲ったり、磔(はりつけ)の極刑で惨死したヤクザは歴史上、国定忠治を除いて他にはいません。

著者は「国定忠治は天保という自然大災害の時代と上州人気質が生ませた、あるいは生んだ異端児、異端やくざと言えるかもしれない」と結んでいます。同じ感想です。

【写真】十手(じって)。奉行所の捕り物の協力者が携帯できる武器。警察官の警棒のようなもの。

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原子炉解体工法に研究者の夢

2011年11月18日 | 原発震災・原発問題

2011年新装版の書『原子炉解体』(1993年に既刊)。出稿は原子力推進に携わってくられた研究員の皆々さん。

タイトルからすると一見、脱原発の運動論かと錯覚しますが、この本は原子力技術による工学的な廃炉工法に関するものでした。

3月末、東京電力は福島第一原発1号機から4号機までの廃炉を宣言した。これから行われる廃炉工事とは一体どのようなものか、すでに日本ではJPDR(動力試験炉、茨城・東海村)での解体経験があります。世間の人たちと放射能認識には大きな溝を感じている原子力研究者。寿命の尽きた廃炉が世界的にも次から次。いよいよこれからの「廃炉の時代」に向けて正しい認識をもってもらいたいと著者代表の石川 迪夫(いしかわみちお)氏=日本原子力技術協会最高顧問)は語っています。

個人の家の解体でも同じことがいえますが、取り壊す工事に求められるのは「安全で、かつ安く」の2点。廃炉そのものによっては何も生み出されるものはなく、誰もが金をかけたくはない。そこで最終工程まで包括する「システム工学」の考えが必要となる。いわゆる3Kの解体工事はたいへんでご苦労なことと同情されるものの、世界各国の研究者達は大方の予想に反して、この作業工程を楽しみに変えている。むしろハイテクを駆使し、嫌な仕事はロボットにさせる。圧力容器を輸送容器に変えることもできる。放射能除染工事は環境浄化に役立つ。廃炉への道のりで、研究者はそれぞれの夢を追い求めているといいます。

JPDRは1986年から1990年に解体工事を行ったが、廃炉費用は約200億円。ちなみに米国のショッピングポート発電所(1989年解体)で9100万ドル(約120億円)。その金額は当然最終的には、一般消費者の電気代に上乗せされている。

石川氏は、「数年前までなら原子炉跡地はゴーストタウンにはならないでしょうというのが精一杯だったが、今は違う。胸を張って、放射能を取り除き跡地を再利用することができます」と。

原発に夢を抱き推進してきた研究者の方達と、今夜は論争する気はありません。本書に紹介されているような優れた日本の解体工法で、石川氏のその意気をもって全炉、完璧な廃炉工事の成功を願うばかりです。

新装版 原子炉解体 廃炉への道
石川 迪夫編著
講談社

おススメ動画東京で高放射性粒子計測報告:米科学者。発癌率上昇! ガンダーセン氏(福島、東京、米シアトル3地点。車のエアーフィルターの付着比較など)

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悩む 食品内部被ばく測定

2011年11月16日 | 原発震災・原発問題

「福島から250キロの東京郊外のスギから検出。年明けから“セシウム花粉”が飛散。ゴーグル&マスクで内部被ばく対策徹底を・・」(『女性自身』11/29、12/6合併号)

これまで大気中の放射線量の測定に傾注していましたが、外部被ばくとともに内部被ばくにも目を向けなければならないことを遅まきながら感じています。私たちは毎日、口にしている食品の放射能汚染にどう対処したらよいのでしょうか。

当広場「子どもたちを放射能から守るために」で取り上げた菅谷(すげのや)昭氏が市長を務める長野県松本市の学校給食では、食材の産地表示と放射能測定を開始しました。松本市の食品基準値は40ベクレルです。(国の基準は500ベクレル)菅野市長が自身のチェルノブイリでの診察経験を生かし、安定ヨウ素剤の備蓄や給食の検査を徹底していることが評判になり、「移住するなら松本市」と言われるほどです。

高い日本の暫定基準値。セシウム137の規制値比較(1キログラム当たりのベクレル)

野菜 日本500  ウクライナ40

パン・パン製品 日本500 ウクライナ20

肉 日本500 ウクライナ200

魚 日本500 ウクライナ150

たまご 日本500 ウクライナ6

飲料水 日本200 ウクライナ2

牛乳、乳製品 日本200 ウクライナ100

(京都大学原子炉実験所 今西哲二さんの資料)

チェルノブイリの原発事故後には、内部被ばくをした子どもたちが、ガンや白血病を多発した例が報告されています。子どもに限らず大人にも健康被害を与えていることは自明のことです。いずれ日本人へも必ず影響が出ることでしょう。

自称“市民放射線測定隊員”としましては、食品の汚染を調べることができるガイガーカウンターをただ今物色中です。ただちょっと躊躇してしまうのは、もし高い数値が検出されたらどうしようかと思うからです。食品の場合ポンポン捨てるのはしのびない。かといってもったいないからとそれを食べることは迷ってしまうし、またどう処分したらいいものか新たな悩みを抱えることが予想されるからです。

そう考えますと食品測定というものは、やはり最終消費者が調べるのではなく、もっと上流の産地でしっかり行われないことには意味がないように思われます。正確に測定したらどの食品もNGで廃棄しなければならなくなったりしたら・・。今度は食べるものにこと欠くようになるのでは・・

私たちは、ほんとうにすごい事態に追い込まれてしまっています。しかし市民測定隊員としては、厳しい現実から目をそらしてはならないと思い内部被ばく測定に向け新たな作戦を練っています。

 

PKC-107 放射線測定器 ガイガーカウンター
GM管2本仕様 食品測定可能(ベラルーシ製)
COLIY
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出たぞ!福島産ガイガーカウンター

2011年11月11日 | 原発震災・原発問題

日本製の期待できる放射線測定器がまた一つ登場しました。福島県大玉村の三和製作所で開発されたガイガーカウンター=写真。

価格も1万8千8百円と手頃です。ガイガーミュラー(GM)管は、国内では製造しておらず同製作所でも当初はロシア製を使っていましたが、自社開発を終え順次、メイド イン フクシマのGM管を組み込んでいくといいます。おそらく日本製では初めての量産ガイガーカウンターになると思います。その名もズバリ、「ガイガーFUKUSHIMA」!!

早速、仮予約をしました。今持っている中国製のガイガーはなかなか数値が安定せず満足できません。おそらく福島大玉村産のこのガイガーなら、きっと期待に応えてくれるものと思っています。

好評のエステーの測定器は、定価の倍近いプレミアム価格でしかまだ入手できません。いずれ近々、正価格で群馬県内のホームセンターなどでも出回ることでしょう。こちらもぜひ手にとってみたい製品です。放射線測定器(線量計)は大人も子供も一人一台の時代になると思います。まずは子育てのお母さん達から必携アイテムです。

エステーのエアカウンター(商品名)ではガンマー線のみの測定ですが、福島産ガイガーはベータ線とガンマ線の双方をカバーしています。エステーは測定器の監修を福士 政広 (ふくしまさひろ)氏に依頼。同氏はいわゆる原発御用学者です。そのため「ガンマ線のみの測定しかできないように、わざわざベータ線をカットするフィルターを内蔵して手の混んだ小細工を・・」との指摘(atom-tokyoさんのブログ)もあるほどです。本当でしょうか?。ただ、福士氏(首都大学東京)は、山下俊一氏(福島県医大)同様、100mSv/hまで大丈夫と公言していることは確かで巷の人物評にはきびしいものがあります。エステーの、この人の起用は当たっていなかったようです。

ともあれ福島産のガイガーが到着するのが楽しみです。

おすすめ動画 小出裕章助教「未来のために!原発事故が教える現実」長野大学(上田市)での講演 2011年11月6日

 

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リストラ大揺れ 三洋大泉

2011年11月08日 | 地域・一般

「リストラ 大揺れ 800人規模 大泉町に危機感」・・今日の毎日新聞群馬版の見出し。「全く情報が入らない」と斉藤直身町長は嘆く。40代の男性社員は「先が見えない。この上なく不安だ」・・三洋電機東京製作所の変わらぬ厳しい状況の記事内容。

この10月末、私の友人知人、数名が60歳定年を前に職場(東京製作所)を去った。これまでも再編、再編で配置転換、職種変更などのきびしい中、歯を食いしばって頑張って来ただけに、さぞかし心中は穏やかではなかったことと察せられる。

当広場に「三洋電機 リストラ 大泉」の検索だけで訪れる人が先月来、連日2ケタ更新が続く。ヒット数が高いのは注目を集めているあかしではあるが、リストラ関連でお越しいただいているのは、広場の住民としては複雑な気持ちだ。せっかくお訪ねいただいてもタイムリーな最新情報やアドバイスを持ち合わせているわけでもなく心苦しく申し訳なく思う。

ただ在職の皆さんには、出来るだけ辞めることを選択せずあくまで勤務継続を基本に職制と胸襟を開いて話し合っていただきたいと願います。組合員であれば労組ともしっかり相談してください。それでも「完全統合」が当座の大きな事業目標になっているだけにそう簡単に折り合いがつくとは限らない。きつい配置転換、他事業所へ異動、転勤も場合によっては受忍しなければないかもしれない。

「華麗なる転身」は多くはない

ビジネス書や経済雑誌などでは、転職を勧めるものや辞表を叩きつけ華麗なる転身を紹介しているものもあるが、現実はそう簡単に成功例とばかりとは行かないと思う。不格好で、時には屈辱的に感じることがあっても、ぶら下がり続け、粘り続けることです。景気の浮き沈み、変動サイクルは経済の常なるもの。今の状態がずっと続くとは限らないし、これを好転に向けることが企業の努力でありそこで働く者の使命と思われるから。

退職された方は、直後は手続き等で何かと忙しいことでしょう。しばらくして一段落するあたりからポカンと穴があいたような空虚な気持に襲われるのではないでしょうか。早期でも満期退職者でも永くつづけてきた生活の切り替えには一抹の寂しさと、しばし戸惑いが出ましょう。二つの感情があろうかと察せられますが会社で培われた人脈は大切にしてほしい。

幸い三洋電機にはOB、OG会(洋友会)がある。戦後、新生大泉町に登場した若きエクセレントカンパニーの東京三洋電機。操業以来の伝統が自由闊達な社風。群馬地区の三洋電機OB、OG会には今もそれが根強く受け継がれている。永い間、同じ“電気釜”の飯を食い辛苦を共にした仲間たちが集う。現役時代の上下関係を超え、同じ三洋の同窓生として情報を交換し、これからの社内の後輩たちの幸せと会社の再興・発展を願いつづけている。共に考え行動する同会へどうぞご参加を。

【写真】創業者、井植歳男翁が表紙の社内報追悼号【1969年)

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放射能除染実施の大泉町

2011年11月04日 | 地域・一般

大泉町は、町内の保育所、児童館、小中学校、公園など85カ所で測定した放射線量を公表し除染に着手した。国が除染の基準にしている毎時0.23マイクロシーベルトを超えた地点21カ所のうち11月2日現在、19カ所の除染を終えた。細部にわたる調査と除染実施には、心理的な抵抗もあり町当局のある種の覚悟、決断が求められたことと思う。たとえ厳しい結果であっても正しい情報を開示することが、住民の利益つつながることは自明なこと。SPEEDIのような優れたシステムを有していてもそのデータを出し渋っては意味がない。遅れた開示よる住民健康被害は計り知れない。そうした轍(てつ)を踏まないためにも、線量値がまだ比較的高くないうちに迅速に対応した大泉町の姿勢は、十分に評価できます。

測定を拒否されるケースも

千葉県内のホットスポットとされている、とある地域では園児の母親が園庭の測定を願い出たところ園長から激怒されたという。「もし高い(汚染)数値だったら、お母さん、あなたが責任をもって除染してくれるのか!」と。園側にしてみれば結果によっては風評や対策コストなど経営に与える影響を考えて、母親の要求に応じられなかったのでしょう。むずかしい問題です。個人の対応では限界も感じます。ここは行政の出番です。

測る方も、測られる方も覚悟が要ります。しかし子どもたちのためにも双方、勇気をもって厳しい現実に立ち向かい合い善後策をみつけたいものです。

エステー効果で“国民皆測定”の時代に

近い将来、ケータイのアプリにも放射線測定機能が付加されてきます。エステーが良質の製品を市場に参入したことで、放射線測定器の価格はどんどん下がっている。まさに“エステー効果”。当のエステーのヒット商品は福島地区先行販売で生産が追いつかない。正価9,800円がプレミアム価格で販売されている状態。しかしまもなく全国のお店で手軽に入手できるようになるはず。国民が全員線量計を持って、健康と安全のために正確な数値を把握し合うことは大いに意味のあることと思います。

家庭用放射線測定器
エアカウンター
エステー

 

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なぜSPEEDIが公表されなかったか

2011年11月02日 | 原発震災・原発問題

100億円もする先端システム、SPEEDI(スピーディ、緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク)の放射能汚染地図が事故直後なぜすみやかに公表されなかったのだろうか。この謎を解明するのは、本来は事故調査・検証委員会の役割だろうが、同委員長の畑村洋太郎氏(原発推進派)にそれを期待するのは無理だろう。畑村氏は検証する前から「個人の責任は一切追及しない」と免罪公言をしているほど最初から腰が引けているからだ。

朝日新聞が追跡報道として連日、「プロメテウスの罠」欄で事故検証を行っている。「研究者の辞表(木村真三氏)」シリーズの中でSPEEDIについても触れている。

尖閣ビデオもSPEEDIも

放射性物質は同心円状に広がらないのは常識。SPEEDIは拡散を最大79時間先まで予測できるすぐれ物。原子力安全・保安院のERC(緊急時対応センター)は、3月11日21時12分にはすでに1回目の放射能汚染地図を受け取っていた。にもかかわらず首相官邸(対策本部)が、同心円避難指示を独自に下したので、保安院ERC側は、その可笑しさを感じながらもSPEEDI地図を示さず、(同心円指示を)追認し従ったというのだ。しかし対策本部の構成は本部長は菅直人首相だが、事務局長は寺坂信昭氏(保安院院長)だったのだ。同じ対策本部にありながら寺坂氏は菅首相にSPEEDIのことを話していない。そのことについて寺坂氏に朝日新聞が取材を申し込んだが応じていないという。

「尖閣ビデオ」といい「SPEEDI」といい、なぜ公開すべき重要な情報を持ちながら隠ぺい、厳封してしまうのか。そして今度も、時とともに責任問題をうやむやにしてしまうのだろうか。

「500ベクレル」設定のいい加減さ

国の高い暫定基準値500ベクレル/キログラムも一体何を根拠にしたのか気になっている。農水省に聞くと決めたのは食品安全委員会(内閣府)だという。当の食品安全委員会に聞くと、厚生労働省だいう。同省に聞くとICRP(国際放射線防委員会)に基づいた原子力安全委員会の数値を援用したとの回答。「援用」という文字がくせ者だ。援用とは「自己の主張の助け」、つまり主体的には何も取り組んでいないということ。(「SPA!」11/1号参照)

しかし、このような国民の健康に関わる大切な数値を、どこもかしこも、しっかり自分のところで確証をもって決めてはいないことがわかる。知れば知るほどなんとも無責任でいい加減な原子力行政だと思う。

SPEEDIの公表されなかった6,500枚の放射能拡散試算図

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