ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

北毛3町村の厚い人情、しかし・・

2012年01月31日 | 原発震災・原発問題

原発事故後、いち早く被災者を受け入れた片品村。そして今度は震災で発生したがれきを北毛(ほくもう=群馬北部)の3町村(中之条町、東吾妻町、高山村)は受け入れを表明しました。「お手伝いは人の道」と、義理人情に厚い上州人らしい善意です。

全国では昨年4月当初、572自治体が震災がれきの受け入れに手を挙げましたが、放射性物質の懸念から昨年末54自治体に激減。前橋市もその一つ。

政府は、震災がれきの全国広域処理を進めていますが、現状ではそれは汚染の拡散につながってしまいます。東京電力に言わせると、放射性物質は所有者のいない「無主物」という主張ですがとんでもない暴論です。放射性物質はれっきとした東京電力の原子力発電所から吹き散らされたもので原発事故がなければ発生しなかったもの。無主物どころか明らかに東電の「所有物」です。東電に返却するのが筋です。

放射性物質の管理は万年単位

放射性物質は一元管理しなければ危険が抑えられません。フィンランドでは「100,000年後」の安全を考え最終処分場「オンカロ」を建設し代々にわたって監視をつづける態勢をとっています。

全国各地に分散しては、きちっとした対応がこれから先、何十年、何百年と個々の自治体で万全な管理ができるでしょうか。もうすでに伊勢崎市の処分場の放流水から2011年7月、8月、9月に国の基準値以上の放射性セシウムが検出されているような状態です。核種はセシウム以外でないことも知っておかなければ・・。

北毛3町村の「痛みを互いに共有」し受け入れようとする気持ちは温かいものです。しかし放射性物質に限っては、その厚情では処理しきれないものであることを3町村は認識しなければなりません。

【写真】除染作業(時事通信)

参考動画 小出裕章氏と班目春樹氏

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でたらめだらけの原発事故対応

2012年01月28日 | 原発震災・原発問題

原発議事録とらなかった官僚

とても信じられない政府の原発事故対応の数々。政府の原子力災害本部は、事故発生から昨年末まで23回に及ぶ重要会議の議事録をまったくとっていない。何事も文書にして残す役人達が、これだけの事故に遭って何の記録も残さないというのは、先の大戦で終戦直後、「機密文書を一切焼却せよ」と指令した大本営の亡霊に通ずる感覚が今も生きていると感じた。つまり責任追及を逃れるため証拠隠滅を謀ったのだろう。しかし原発事故は敵味方を超える全人類史的な出来事だ。不幸なこととはいえ、多くの犠牲を伴った体験は貴重なものである。なぜ議事録を残さなかったのだろうか。

無理な除染を知って従う農民の哀れ

除染を2014年3月完了すると発表する環境省のハッタリもすごい。年間50ミリシーベルト以下を優先するものの50ミリシーベルト超の計画は示せない、にもかかわらず「完了」とは。
疑問を持ちながらも除染行っている福島県の農民の人の話を紹介したい。

「今、福島で果物の木を高圧洗浄しています。農協はそういう形で作業費を農民に支払っています。でも軟らかいふかふかに作ってある土の上で脚立に上って高圧のホースを扱うって大変なんです。結局、木についている放射性物質を土に落としているのですから木はまた吸い上げるでしょうね。私たちもそのことを分かって無駄だと思いながらもやらされています。日和見と農民を言わないでください。何かをしていないと気が狂ってしまいそうです。減染も集染も結局は移染なんです。ここにあるものをどこかに移すだけ。考えていると吐き気がしてきます。肥料に混ぜているんだって放射性物質の怖さを本当に分かっていないんです。国が知らせないから。滅びの国ニッポンに滅ぼされるフクシマ、殺されながら生きてるわたし達・・」

元々電力は余っている・・

去年とは打って変わって枝野経産相が別人のように「今夏は原発ゼロで乗り切れる」と見通しを話す。去年の夏、15%の電力削減義務を課され電力使用制限令が出された。企業では夏休みを返上し増産。電力削減を乗り切った。また自家発電設備を購入したためかなりの金額を使い大変な苦労をしたという。それが一転、今年の夏は原発がまったく稼働してなくても電力削減義務がなくなる可能性がある。昨年の努力は一体どういうことだったのかなと非常に不満があると語る経営者。

そもそも資源エネルギー庁が発表した夏のピーク時の電力需要予想が、ずさんなものだった。たとえば一般家庭で、業務用並の大型冷蔵庫を保有していることになっていたり、大型エアコンを留守中もペットのために使用することになっているなど。
さらに今年の夏についても政府の試算では全原発が停止した場合、ピーク時で9.2%の電力不足になると公表しているが実は最大で6%もの余裕があるという別の試算があった・・。

聞けば聞くほど、でたらめ三昧の原発行政。まったくあきれて言葉が出てこない

【写真】除染作業をする福島県飯舘村公民館(毎日新聞)

「原発全停止でもこの夏乗り切れる」 枝野大臣。原発無しで元々大丈夫なのだ。

不滅の動画:小出裕章氏(京大)「原発なしでも電力足りてる」 http://youtu.be/PLJVLul6Wz0

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いる社員、お払い箱社員?

2012年01月24日 | 研究・書籍

「いる社員、お払い箱社員」プレジデント誌最新号の特集、厳しい標題ですね。リストラ恐怖心を突き付けるイヤな言葉です。

目に止まった記事は、40代後半で役員になる人、なれない人の分岐点(経営幹部の条件)を小山昇氏(武蔵野社長)が語る。

(1)幹部になる人は「イエスマン」である。

経営幹部になる人は社長が決めたことは忠実に迅速に実行する。上司の決定を1カ月で実行できたら課長。同、一週間で部長、同、一日でできる人が経営幹部。社長が間違っていると思っても実行する・・。なるほど監督の命令に忠実な体育会系の人がもてはやされるわけか・・。

(2)実力とは失敗の量と質。過去に失敗した経験のある人。

失恋経験の多い方が幹部に向く。・・これはちょっとうなずける。世襲の二代目、三代目は公私ともに失敗の経験が足りない、ゆえに経営幹部に向かない・・。しかし現実は、そうした幹部が後を絶たないのはなぜか。

(3)ボーナスを全額妻に渡す人は出世しない・・(笑)

野田総理も立派な“イエスマン”

それにしても誌名の「プレジデント」らしい特集内容だった。考えてみれば、この国の最高経営幹部の“プレジデント”野田さんも、財界に対してはかなりの「イエスマン」。そうでなくてはここまで出世はしないものなのか。いる社員とお払い箱社員、本当は逆じゃないの?世の中これでいいのだろうか。

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野田総理 マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行

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SPEEDIは日本国民に知らせず米国に

2012年01月20日 | 原発震災・原発問題

驚きました。あきれました。。

情報隠しという意味では「尖閣ビデオ」以来の腹立たしさだ。

放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI」で得られた東京電力福島第一原発事故での予測情報を、政府が事故直後の昨年3月14日に米軍及び米国政府には提供していたという。福島県の被災住民より先に。

国会の事故調査委員会での質問に文部科学省科学技術・学術政策局渡辺格次長が明らかにした。SPEEDIの予測情報は、外務省を通じて直ちに米軍には知らせていた。

問題は米軍に伝えたことではなく、なぜ自国民に少なくとも同時に伝えなかったかということだ。放射能高濃度地帯とは知らず飯館村方面に逆避難してしまった多数の人たちが放射被ばくをしてしまった。116億円投じ世界的にも優れた予測システムを持ちながら・・。SPEEDIの公表は米軍にとどまらず、まずは日本国民、さらに地球規模の汚染被害が及ぶだけに、国内外を問わず世界に向けていち早く発信すべきだった。それにしてもマスメディアの本件の扱いは軒並み小さい。1面に大きく報道されるニュースと思われのに。せめて「ポポロの広場」では、皆さんに詳細を知っていただきたいと思います。

小出裕章(京大)助教の見解 「SPEEDIと廃炉まで最長60年など」

NHKニュース SPEEDI情報 米軍に提供

録画30分過ぎからさらりと局次長が答弁しています。 SPEEDI拡散情報 事故後直ちに米国には公表「 文科省 」

【写真】2011年3月12日~24日のSPEEDIの試算結果(原子力安全委HPより)

 

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武装解除のプロは上州女性

2012年01月17日 | 研究・書籍

紛争地で兵士から武器を回収し、その後の兵士たちの社会復帰をケアする「武装解除」職の女性、瀬谷ルミ子さんは上州出身だった。

生まれは群馬県新里村(現桐生市新里町)。1学年45人しかいなかった小学校時代から特に英語の環境に恵まれていたわけではなかったが努力して語学を勉強。前橋女子高、中央大国際政策文化学科を経て、英国ブラッドフォード大平和学部で紛争解決学を学ぶ。

その職業的任務は正式には「DDR」。兵士の武装解除(Disarmament)、動員解除(Demobilization)、社会復帰(Reintegration)。

妙齢の女性が、殺気立った紛争地に行くだけでもかなり勇気の要ることと思われますが、そのリスクよりも使命感が上回っている。志望のきっかけは高校3年のときルワンダの大虐殺を新聞写真で見た衝撃から。

多くの紛争地で、日本人の彼女に言われることは「日本は戦争でアメリカやヨーロッパから総攻撃を受け原爆まで落とされボロボロになったのになぜ復興できたのか、教えてくれないか」と。

アフガニスタンでは日本人が武装解除を求めると、兵士たちは信頼して素直に武器を差し出した。日本はアフリカ大陸で植民地支配をしていない。支援を行うにも政治的な下心はなく中立的な国と受け取られ、現地人からはむしろ希望を与える存在に思われ友好的だ。

「他の国がどれだけお金を積んでも入らない価値をもっている。日本人の多くはそれを知らない。そして世界で一定の地位を築いた今、その道を失い自信も失っている」と瀬谷さん。

どこか小田実の遺言にも通づるものを感じます。防災強国となり平和の使者に徹した国になろう、と呼びかける小田の言葉が遠くから聞こえてくるようだ。瀬谷さんは自身の経験からも「資金協力か自衛隊派遣か、の二択ではなく新しい選択肢をつくること」と語る。

2011年、『Newsweek日本版』「世界が尊敬する日本人25人」に選ばれた瀬谷ルミ子さん。彼女が上州女性だったことは重ねて嬉しいことだ。

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職業は武装解除
瀬谷ルミ子著
朝日新聞出版
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良心的軍事拒否国家

2012年01月13日 | 政治

小田実の遺言をまた追ってみます。(NHK BSアーカイブス参照)

反戦は弱虫か?

1967年、ベトナム戦争真っ只中。北爆(北ベトナムへの空爆)に反対した4人のアメリカ人水兵が米空母「イントレビット」号から脱走。べ平連(ベトナムに平和を市民連合)が保護し小田実、鶴見俊輔らが記者会見をした。このニュースは今でもはっきり覚えています。この時の米兵達のとった行動は、勇気ある決意だと賞賛こそすれ決して弱虫、卑怯者、裏切りとは少しも思わなかった。べトナム戦争を振り返る今もその感じ方は変わらない。

「良心的兵役拒否」は権利として認められる。ドイツの基本法(憲法)4条では何人も武器をとることを強制されないとし拒否者には、ミリタリーサービス(兵役)の代わりに介護などの市民的奉仕活動が義務付けられる。その場は国外でもよく、実際にドイツの青年が日本の各施設でも活動している。

「防災強国」をめざそう!

小田実は「良心的兵役拒否」を国レベルに置き換えて、日本は良心的軍事拒否国家をめざそうではないかと提起している。日本は災害大国だから「災害基本法」を作り「災害に強い国」となって、個人のボランティアだけにまかせるのでなく国家として国内外の救済にあたる。災害は必ず難民を生む。日の丸を付けた「難民救済機」を被災地に飛ばす。必要とあれば日本にも被災者を連れてくる。日の丸のイメージを変えようと。

日本的な平和主義に誇り

小田は「日本は民主主義と自由をアメリカからもらったけれど一つ大事なものを付け加えた。それが平和主義である。民主主義と自由をもつ国は多いけれど、そこに平和主義を結合したのは日本だけだ。平和主義に基づいて産業構造もできあがった。国の中心部分は軍需ではない。平和産業を中心に国を築き繁栄してきた。繁栄の経済基盤は“中流”をつくってきた。日本は価値のある国だと思っている・・」(2007年談)

アメリカからの「民主主義」や「国防」についてなど厳密には異論もあろうかとは思います。しかし小田実の漠とした提言の主旨は傾聴に値します。3.11原発震災を経て、改めて人類は放射能(核)とは共存できないことを知らされました。パワーバランス、「抑止力」的な軍事拡大戦略の行き着く先は地球汚染、人類破滅の道ではないでしょうか。広島、長崎、福島と死の灰に三度見舞われたわが日本。人には「良心的兵役拒否」を、国には「良心的軍事拒否国家」を。小田実の考えは実に先進的なものだと思わずにはいられません。

【写真】北爆に反対した反戦4米兵、昭和42年(The Intrepid Four,1967)

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老いてこそ市民

2012年01月08日 | 研究・書籍

今年は元日早々に地震がありました。鳥島近海M7、群馬・東毛では震度4、福島県中通り、浜通りも4。1月2日から福島市のセシウム134、137の量が数倍に跳ね上がっているとの報告があります。4号機の不安要素は依然変わらず。市民の放射線監視体制を緩めることはできません。

さて、小田実がこの世を去って5年目の年となります。

「老いてくれば定年退職その他でいやおうなしに職能から離れる。しかし、それは彼、彼女が「市民」になったことでもある。老いには社会、国家の問題が集約的に集中してのしかかる。経済問題しかり、医療問題しかりーー 解決を年少の働く世代にだけ任せておけば、問題の解決はいつまでも官的であり企業的になる」

そして小田実はその解決を「市民が自ら動いてはじめてなされ得る。海外旅行に行くのもよし、ツボをつくるのもよし、しかしご同輩、「老」市民よ、今の世に中、あまりに憂い、怒ること多い。「老いてこそ市民」の自己認識の下、自ら動くべき」と鼓舞する。

私はこれまで小田実の著作は300冊以上も出ていたというのに、じっくり読んだことがなかった。今回、『戦争か平和か』で初めて彼の著書を手にしたことになります。小田の晩年の年齢に自分が近づいてきたことで、老市民に期待する彼の主張がよく理解できます。積年の体験を生かして市民予算案をつくり政治改革を迫る、それこそが「老いてこそ市民」の役割と小田は言う。

旅順、大連が租借地であった頃、関東軍はソ連軍が侵入してくると一目散に日本に逃げ帰った。情報を知らぬ開拓民は中国に取り残された。これは国家による「棄民」政策だった、との記述があります。同じようなことが今日、原発震災後に起きていないと言えるだろうか。もし小田実が今、3.11以降の日本の状況をつぶさに見ていたら何と感じ、そしてどのような行動をとっているだろうか。彼の遺志に少しでも沿うようなかたちでの市民の端くれでありたい、本書を読みながらそのようなことを思い浮かべました。

【写真】長女、なら誕生の時の家族写真、小田実53歳。

 

戦争か、平和か―「9月11日」以後の世界を考える (Somo‐somo sosyo)
小田実 著
大月書店
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測り初め 放射線測定

2012年01月02日 | 原発震災・原発問題

迎春 2012年

よーこそ!今年もお気軽にポポロの広場にお集まりください。

円陣(pow wow)を組み語り合いましょう。

辰年は「昇り竜」。気持ちを強く持ってどんまい、どんまい!

 

測り初め、わが家の室内を放射線測定器でチェックしてみました=写真

昨年末加わった日本製エステーのエアカウンター(タマゴウォッチ型)、ベラルーシ製のツインガイガー、そして中国製のガイガーRM2021、いずれも0.10~0.12μSv/hを示す。

このところ数値はわずかながら徐々に上昇している。こちら放射線数値の「昇り竜」は困りますね。しかし考えてみれば原発事故は未だ収束していません。毎時0.6億ベクレルの放出が続いているわけですから空間線量が微増して当然のことなのでしょう。小出裕章先生の「基本的には現在も戦争が続いている状態」の認識にはうなずけます。

新春のメッセージをウクライナの歌手ナターシャ・グジーさんからいただきます。2008年のものですが原発震災を経験した私たち日本人が、今ここで彼女のメッセージ&歌を改めて聴くことは意味が深いと思います。

ウクライナ女性が"千と千尋~"主題歌を Nataliya Gudziy sings "Spirited Away"

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