ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

シベリア、そして満州の記憶

2014年04月28日 | 研究・書籍

『酷寒シベリヤ抑留記』(竹田正直著 1991年)を読んだ余韻からか、面高春海さん(三洋電機OB)の絵画が無性に思い出されます。(2012年8月31日ポポロの広場:参照)

「消えない記憶 少年の満州」の動画を紹介します。
制作者の佐竹明彦さん(三洋電機OB)が、ドキュメンタリータッチで見事に編集されています。

面高さんの作品には夜汽車がしばしば絵画上方に登場します。日本兵を乗せたシベリア行きの列車です・・=写真

「消えない記憶 (面高春海)少年の満州=佐竹明彦さん制作編集」

 

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酷寒シベリヤ抑留記―黒パン350グラムの青春
竹田正直 著

光人社

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酷寒シベリヤ抑留・擬似体験

2014年04月26日 | 研究・書籍

読書ならではの醍醐味です。
『酷寒シベリヤ抑留記』(竹田正直著 1991年)
著者(主人公)の世界にすっかり自分が吸い込まれ「陸軍二等兵」として擬似体験をさせていただいた。
それにしてもすごい人生、ひどい“酷寒”な青春です。大きな「国家」間の戦争行為によって小さな小さな「個人」が理不尽に翻弄される・・。

著者は、当時の「ソ連兵」「ロシア人」に対して、民族的な偏見はなく冷静に、客観的にとらえているところが好感がもてた。

昭和20年(1945)8月9日ソ連軍は国境を突破し侵入。わが関東軍は、戦車は南方戦線に移送され飛行機もなく裸同然の守り。ソ連の近代的な28トンもある重戦車(T34型)を見て「とてもかないっこない」と思ったが、果敢な兵士の一人が教本通り模範的に、敵戦車に駆け上って肉弾自爆を試みた。勇士の体は粉々に飛び散ったものの戦車は、しばし停車しただけでびくともせずまだ動き出した・・。

敗戦により武装解除を命じた連隊長は、その日のうちに拳銃で自決。ソ連軍は日本人狩りを開始し婦女子5千人を含めおよそ70万人がソ連領土各地に抑留される。勝者が敗者を奴隷としてこき使う。「スコーラ・トーキョー・ダモイ」(もうすぐ東京に帰れるぞ)とソ連兵はいうものの家畜を運ぶように貨物列車に乗せられた日本兵たちは、ソ連の奥地、奥地へと運ばれた。スターリン独裁政権は“生きた戦利品”として日本人を拉致したのだった。

ソ連の兵隊たちは貧しく時計や万年筆を持つ豊かなヤポンスキー(日本人)から略奪行為をくりひろげる。しかし野蛮そうにみえるソ連の軍隊にはピンタや体罰、鉄拳制裁などはなかった。

著者は民主化リーダー候補に選ばれ民主学校で教育を受けた。たった1カ月であったが半年以上学んだように感じられたという。「民主化」には魅力を感じたものの「これこそ絶対である」の教条的な体制賛美の言葉には直観的に眉つばな感じがし、どこかで白けていた。

ラーゲリ(収容所)では、演芸大会も開かれ戦後歌謡界の大御所となった三波春夫も出演した・・。(動画参照)

復員船に乗って待望のダモイ(帰国)を果たせたのは昭和23年(1948)9月28日。連行からちょうど丸3年、著者20歳~23歳の抑留生活・・。

不条理な人間の愚挙

今、日本の戦時中の加害者責任ばかりが一方的に問われているが、シベリア抑留はれっきとした「被害者」の史実。著者はさいごに言う「なぜ、人間は間違いを繰り返し、戦争と言う愚挙に出るのか。私が抑留生活を通してつくづく感じたのは不条理ということだった。これはイデオロギーうんぬんよりも人間の存在にかかわる根源的な問題だ」

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酷寒シベリヤ抑留記―黒パン350グラムの青春
竹田正直 著

光人社


【三波春夫もシベリヤ抑留体験者】

 

 

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民主主義を捨てたがっているのかな

2014年04月22日 | 研究・書籍

欲しいものは買う、関心のないものはパス・・。
これは消費者の態度です。

「投票には行かない」「政治には関心を持たない」という消極的な「協力」によって熱狂無きファシズム(静かなファシズム)が進行していく。国民が民主主義の「主権者」から単なる「消費者」に成り下がってしまっている。著者のするどい観察です。

本のタイトル『日本人は民主主義を捨てたがっているのか』に大いに興味を感じ読みました。
著者、想田和弘氏は栃木県の出身(足利高ー東大)、気鋭の映画監督、脚本家。

昨年9月、安倍首相のIOC(国際オリンピック委員会)での福島原発事故について「完全にコントロールされている」の明らかなウソ発言・・それに批判的な意見を述べると「五輪開催の喜びに水を差すのか」「ウザい」「キモい」「非国民だ」のコール。著者もネットで非難を受けたという。

何が何だかまったくわーけがわからなくなりました!!
最近分からないことが多く、「わけが」を略語登録で「まったくわけがわかりません!」としました(笑)

きょうの一曲も前回に続いて福島市出身在住のシンガーソングライター、片平里菜。
曲は『Come Back Home』。「帰る場所があるんだ~♪」の言葉が重く感じます。
ふるさと福島の自然、おばあちゃん、母校の後輩たち・・

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日本人は民主主義を捨てたがっているのか? (岩波ブックレット)
想田和弘
岩波書店

  片平里菜【Come Back Home】

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国道354バイパスさらに延長

2014年04月21日 | 地域・一般

東毛広域幹線道路(国道354号バイパス)の2360メートルが4月11日から開通。「坂田北」交差点もできました。

新しい道路から眺める景色は、なんとも新鮮です。
見る角度が異なるとこうも印象が変わるものなのか不思議な気持ちになりました。

【写真】群馬県大泉町、坂田北交差点


きょうの気になる一曲は、今月末リリース予定の『Oh JANE』。福島出身在住のシンガーソングライターの片平里菜の作品。歌の感じはaikoに似ているかな。

「♪♪ 夢なんて 見てさんな 幻想だって言ってんだろ!のセリフが小気味よい。JANEは元気な女の子の名前(イメージ)。

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小保方、笹井両氏の会見を聴いても

2014年04月19日 | 研究・書籍

STAP細胞をめぐって、今月に入って小保方晴子さん、笹井芳樹さん(理化学研究所副センター長)の両氏の記者会見が相次いで行われた。この間に『natureダイジェスト』(2014.03号)も読んでみた。

論文撤回することはない

小保方さんは「論文は撤回しない」、笹井さんは「撤回した方がいい」と見解は分かれましたが両者ともSTAP細胞の可能性は否定していない。ケアレスミスはともかく論文内容に致命的な欠陥が認められないのなら研究は続行すべきです。

われらが武田邦彦先生の見解も「小保方さん頑張れ」のスタンスに変わりはない。私も撤回することはないに一票。まだ研究は始まったばかり。これからが本番だと思う。

序章段階のようにみえても『natureダイジェスト』によると、この研究すでに5年を要している。ストレスによって多能性を獲得する、体細胞を幹細胞化できる、ということは「素晴らしい成果」(同誌笹井氏)だという。

ちなみにSTAP細胞のSTAPは「Stimulus Triggered Acquisition of Pluripotency:STAP」の略。「刺激性惹起型の多能性獲得」のこと。

革命的な研究は大胆仮説から

大きな革命的な研究は、大胆な仮説に基づいて出発することは、ガリレオの時代から変わることはない。

この研究が注目されたのは、理化学研究所の小保方晴子博士をリーダーとしたユニットチーム、山梨大学の若山照彦教授、ハーバード大学(米国)の組織工学研究者Charles Vacanti の3者による英国科学誌『nature』1/30への発表からでした。

小保方さんが蒼白な表情で会見した時、後ろに共同研究者がずらっと並んでも良いのにと思った。そこに笹井氏、もしくは若山氏、理研のトップ級幹部も同席してもおかしくない。むしろ彼女一人が単独会見している様子は哀れに映った。

理研が結論を急いでいる背景の一つは、今「特定国立研究開発法人」への昇格話しがあり、危うくなった責任を小保方さん一人に背負わせて幕引きを図るという見方もあるという。また研究者の雇用形態にも問題がある(いわゆるポスドク問題)。リーダーの多くは1年~5年の有期雇用。任期中に成果を挙げなければ雇用が更新されない。それだけに若手研究者の立場が弱い。若山教授が理研から山梨大に移ったのも任期付きの研究者生活に不安をもっていたからではないか・・(『サンデー毎日』2014/4/20参照)

話がソレましたが、いずれにしろ再生医療への貢献も大いに期待できるビッグな研究テーマ。引き続き小保方さんにエールを送りたい。

STAP事件簿 小保方さんの記者会見 / 武田 邦彦

nature (ネイチャー) ダイジェスト
2014年 03月号 [雑誌]
ネイチャー・ジャパン
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アンと散歩(ヴィオリラバージョン)

2014年04月16日 | 音楽

ピアノ曲『アンの散歩』をヴィオリラ(桂宏美)とピアノ(嶋田ありさ)のアンサンブルで編曲。

「ヴィオリラ」は不思議な音色です♪
弓で弾くバイオリンのような、ピックや指で奏でる琴やギターのよう・・

ヴィオリラ=Violyre 

Viol(ヴィオル)中世の弓奏弦楽器
Lyre(リラ)古代ギリシャの琴

Viol + Lyre = Violre

『アンと散歩』をヴィオリラでお聴きください。↓↓


http://youtu.be/szsN2Ww8RoA

 

YAMAHA SH-30NW/Violyre ヴィオリラ
21世紀の新発想弦楽器

ヤマハ

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アンと散歩

2014年04月10日 | 音楽

桂宏美の新曲『アンと散歩』です。

仔犬のアンと楽しくね♪

今回は全国発売でなく、限定スモール販売です。

ポポロの広場の子どもたちはこの曲が流れると踊り出します。

赤ちゃんはピタッと泣き止みます(*^_^*)


 

1月リリースの『病気になったら』はお陰様で好評です。

  病気になったら
桂 宏美

ナウティムレコード  

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三洋電機、最後の「社史」発行

2014年04月06日 | 経済

ネットの「AV Watch」ニュースで「三洋電機、最後の「社史」を発行。62年の歴史を3部構成」の記事を見ました。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140401_642058.html

「創業製品の自転車用発電ランプなど34製品を紹介」
1950年の創業から2012年4月にパナソニックへ事業統合するまでの62年間を、社史本編となる「経営史-1950-2011-」、数々の商品の歴史に焦点を当てた「商品史-挑戦の軌跡-」、経営史や商品史のほか、歴史的な資料をDVDにまとめた「アーカイブス1950-2011-」の3部で構成。三洋電機の歴史を余すことなく伝える歴史的価値を持った重要な資料。

三洋電機社史プロジェクトのメンバーには、懐かしい顔が・・
100部限定。洋友会(OB会)へも配布する。この時期に改めて社史を編纂し発行したとなると・・いろいろと深く考えてしまいます。

【写真】群馬県大泉町の三洋電機東京製作所正門前(4月1日)

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三洋電機のCMにも勢いがあった70年80年代

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小保方さんを責めすぎ(STAP細胞)

2014年04月03日 | 研究・書籍

万能細胞(STAP細胞)の論文問題では、研究ユニットリーダー・小保方晴子さんに対してのパッシングが日に日に強まってきています。

私はiPS細胞研究所の山中伸弥教授の「論文の信頼を損ねる行為が報告されました。残念に思います。STAP現象については、再現実験の結果を引き続き待ちたいと思います」(4/2毎日)のコメントが冷静で的確だと感じています。

われらが武田邦彦先生(中部大)は、はっきり理研に非、小保方さんがんばれの立場をとっています。取り違えた画像は外部からの指摘でなく、ネイチャー誌や理研には、小保方さん自身が申請している。研究論文にはミスはあるもので、それはフィギアスケートの回転ミスと同じに例えられる。単純ミスは嘘や故意ではなくやむを得ないもの。引用については、科学で公知されている範囲であれば盗用には当たらない。

武田先生は組織と個人についても明解だ。小保方さんは個人だから間違えても理研は組織だから間違えることはないとは、決して言えない。「組織」の決定といえどもしょせんは「個人」が決めていること。組織=公と個人、いろいろ考えさせられる出来事です。

再現実験の結果と、小保方さんの反論を聴いてみたい。それまで周囲は騒ぐな、小保方さんを犯人扱いするなと、うっかりマスコミに乗せられそうな自分を含めて戒めたいものです。

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小保方さん 負けないで 【武田邦彦】

nature (ネイチャー) ダイジェスト
2014年 03月号 [雑誌]
ネイチャー・ジャパン
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ヨウ素剤飲んでいた福島医療関係者

2014年04月01日 | 原発震災・原発問題

3.11原発事故直後、福島県立医大の医師やその家族、学生は放射性ヨウ素・甲状腺がん予防薬である『安定ヨウ素剤』を飲んでいた。同大の内部資料を『フライディ』誌(2014.3.7)がキャッチした。

医療関係者だけも服用していたことは幸いとしても、なぜ広く県民に配布しなかったのか残念でならない。怒りさえ覚える。日頃の「原発安全神話」を信じ避難訓練もしていなかった一方で、当時114万錠のヨウ素剤が自治体には配られていたというのも驚きだ。やはりいざとなったらの不安な「本音」は、皆が持っていたのだ。114万錠もスタンバイ状態にありながら、服用についてのGOサインはなかった。唯一、田村郡三春町だけが独自の勇断で町民に渡した。

配布しなかった理由を県関係者は、「子どもは外で遊んでいても問題ない」とか「30キロ離れていれば1ミリシーベルト以下でヨウ素剤は不要」との山下俊一医師(県立医大)らの言葉が行きわたっていて医者の権威に気を遣ったからだという。「子どもにヨウ素剤をください」と訴え奔走した母親たちの悲鳴には何も応えられなかった。

しかし医大へは4000錠のヨウ素剤が届いていて3月12日から配り関係者は服用していた。ただし配布したことにはかん口令が敷かれていたというから許せない。

われらが武田邦彦先生(中部大)が、このことを取り上げお怒りなのにはしごく同感です。武田先生は「いつからこの国は・・」と嘆かれていますが、こうした体質は、先の戦争で戦況悪化をいち早く察知していたにもかかわらず民衆には真相を伝えず(棄民し)自分たちだけが本国に早々に逃げ帰った軍幹部などの態度にも見られます。

ああ、それにしても114万錠のヨウ素剤を用意していたにもかかわらず・・、なぜ配らなかったのか!! これから顕著になるであろう子どもたちの健康被害を考えると単なる失敗ではとても済まされないことだ。

「4月1日のウソ・エイプリルフール」であってほしいような「フクシマの真実」です。

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コメント (2)
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