ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

新型コロナの分類を2から5類に

2020年12月28日 | 新型コロナウイルス問題
医療機関がコロナ患者の対応でひっ迫しているといわれています。


「ひっ迫の真因はコロナを感染症2類にしているからではないか。2類指定を解除せよ」の週刊新潮12月31日1月7日特大号を読みました。


日赤医療センター呼吸器内科部長の医師もその見解を述べている。しかし今「インフルと同程度の5類に」の本音をいうのは今非常に勇気が要るようです。それは「人命軽視」の批判を浴びるからです。しかし日本に上陸したコロナは弱毒性で、高齢者にはインフル以上であっても若い人にはそれ以下。政治家は批判の覚悟を恐れず5類指定を主張すべき、との記事に大いに同感させられました。


現在のコロナ感染症は「2類」の指定になっていますが、毎年流行が確認されている季節性インフルエンザと比較することがサイエンスの手法。感染者数こそ連日増えてはいるものの致死率は圧倒的に少ない。インフルエンザは毎年、直接死が3千人、関連死合わせれば1万人が亡くなっています。(『コロナ論2』参照)


英国からの変異種が危険視されていますが、感染症区分の法的な運用は柔軟に的確に素早く対応するべきです。現状の2類指定にしたまま、いたずらに過剰防衛でいては医療機関の首を自分で絞めているような状況が続いてしまいます、何とかしないと。


日本人は幸い免疫力が強い。ここは「自然免疫=抗体=集団免疫」のスウェーデン方式の再評価で行くのが良いように思います。


以下、参考まで。


(一類感染症)
感染力が強く、発症した場合は非常に重篤な状態に陥る可能性があるきわめて危険な感染症です。原則的に入院が勧告され、場合によっては交通制限が発動されることもあります

(二類感染症)
感染力が強く、発症した場合は重篤な状態に陥る危険が高い感染症です。必要に応じて入院勧告が出され、一定期間食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。

(三類感染症)
発症した場合に重篤な状態に陥る危険性は少ないものの、特定の職業に就業することによって集団発生を引き起こす可能性がある感染症です。一定期間、食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。

(四類感染症)
主に動物を介して感染が拡がり、健康に影響を与える恐れの高い感染症です。対象となる動物の輸入禁止や検閲強化などの措置が取られます。

(五類感染症)
発生動向を調査し、その情報を国民や医療従事者に周知することで、発生予防に役立つと考えられる感染症です。

(一類感染症)
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ熱、痘(とう)そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱

(二類感染症)
ポリオ、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSウイルス感染症)、結核、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルスCOVID-19

(三類感染症)
腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス

(四類感染症)E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザなど

(五類感染症)インフルエンザ、麻疹、ウイルス性肝炎、後天性免疫不全症候群(エイズ)、性器クラミジア感染症、梅毒など

【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
 
 
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社民主義のゆううつ?

2020年12月19日 | 社会民主主義ノート
「社民主義のゆううつ」をテーマに3人のひとの意見が紹介されていた。朝日新聞2020年12月18日『耕論』欄

社会民主党の分裂が決まった今、同党が掲げてきた社会民主主義は、どうなっていくのかが問われています。

「21世紀には、大衆運動の選手交代がはっきりしました。たとえば、アフガニスタンで砂漠を農地に変えた中村哲さんの活動には社会貢献と社会改革を一体化する可能性があります。自主的小グループの活力が世界的に高まっていたのです。そのようなパワーを党の糧にできなかったのは、大労組依存と小グループ軽視、もう一つはヨーロッパの社民主義の軽視です」(社民党員、沖縄在住、元村山首相秘書官 78才)

「社民党は、前身の社会党が新党結成に失敗し、行き場がなくなった勢力が生き残りのために存続させたという印象が強く、社会民主主義を実現するために結成されたとは理解していません。社会党・社民党の失敗は、社民主義の失敗ではありません。日本では、社民主義はいまだかつて試みられたことはないのです。格差が広がる今日、社民主義への要請は高まっているといえます。一方で、それを担う政党があるかと言えば心もとない」(法政大学教授、64才)

「民主主義が根付いている社会を実感できたのはスウェーデンに滞在して。同国の新型コロナの危機に対する強さも深く根付いた社会民主主義が育んだものなのだと思います。かつて日本でも社会党の女性党首がブームを巻き起こし平等や多様性を重視した社民主義を掲げていたことを知ると、そういう政党が大きな勢力を保ち続けていたら、日本の政治や教育現場はどうなっていただろうという思いはあります」(東京学芸大学大学院生、25才)

以上、お三方に共通していえることは、社会民主主義に問題があるわけではない。むしろ格差が広がる今日、社会民主主義的な平等や多様性を包摂することは必要であり、ますます強く求められているとおっしゃっていますね。

たとえば自民党政権であっても社民主義的な政策は十分とは言えないまでも取り入れることは可能だし実際、貧弱ながら取り入れてきた面もある。そうなると「社民主義=社民党の看板」とも言えなくなる。社会民主主義の旗手は社民党だけなのだろうか。多くの現実的な有権者の心に響く会心の政策とはいったい何なのか。
このことが具体的に示されないと「社民主義のゆううつ」は、これからも続くことになるのかもしれません。。


中村哲さん的な社民主義」が世界にも日本にも求められているのではないでしょうか。

【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔


銃撃から1年・・・中村哲さんの遺志は アフガンの今(2020年12月4日)
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わかりづらい?社会民主主義

2020年12月06日 | 社会民主主義ノート
「中道はわかるようでわかりづらい道だ」


群馬・東毛の誇る農民運動家、須永好の今風に言うならツイッター(つぶやき)です。
政治の中道をめざしていた須永翁の心情も社会民主主義であったと思います。
中道はわかるようでわかりづらい道だ、令和の時代になっても変わらないつぶやきだと思いますね。
社会民主主義は、この国の巷(ちまた)では、まだまだ正しく理解されていないように感じます。

ある若い世代のユーチュバーが、社会民主主義の世界組織「社会主義インター」のことを危険な極左団体のように思い込んで非難を
している認識には驚きです。「社会」や「主義」の響きに強いアレルギーがあるようです。それも無理ありません。20世紀は社会主義、共産主義の実験の失敗つづきでしたからね。

さて「社会民主主義」を広辞苑ではどう書かれているでしょうか。
「(歴史解説部分略)マルクス主義の立場をとる共産主義者の主張とは区別するため、議会を通じて漸進的に社会主義に到達しようとするさまざまな改良主義的社会主義の主張の総称」

ここで「さまざまな改良主義的・・」とあります。「さまざま」がまた混同の一因でしょうか。社会民主主義は多元的な価値を認め合う思想だけに、それそのものの定義からして多様となっていますね。
ちなみに「民主社会主義」と「社会民主主義」は同じことと私は解釈しています。これにも別解を持つ人もいるようですが。

社会民主主義の定義としては(1)民主主義(2)混合経済(資本主義経済の肯定)(3)社会改革の徹底、を三位一体とする見方があります。(『国境を超えた社会民主主義』新田俊三編著 日本評論社)

須永好先生、たしかにわかりづらいです。中道、社会民主主義は。



【須永好、すながこう】1894-1946 群馬県旧強戸村生。旧制太田中を経済的事情で中退後、家業の農業に従事するかたわら農民運動に携わる。郷里強戸村を理想郷へと小作農民を組織しわが国初の革新自治体「無産村強戸」を実現。戦後は日本社会党結成に奔走、日本農民組合初代会長 衆議3期(戦前戦後通算)。


 
理想社会への道は険しい・・

Otis Redding-ドック オヴ ベイ
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