ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

降りかかる不条理に抗す(4)

2020年09月21日 | 研究・書籍
団結か連帯か? 私たちの対応

「疫病のペストとはナチズムを暗示しているのだとするカミュの告白はフランス語版のウィキペディアには引用(日本語版は未記載)されている。『ペスト』は戦争小説の一種であり災害文学でもある、というふうになる」(藤岡寛己氏 福岡国際大学名誉教授)

戦争となると、対するは「団結」。一丸となっての壊滅作戦だ。しかしウイルスに対しては団結の「joint」より連帯の「unity」 での対応ではないか。ウイルスを根絶することは難しく、私たちは自然界の中でさまざまなウイルスとは共存せざるを得ないものと思います。

団結も連帯も「Solidarity」と共通の訳もありますが・・。
医師や看護師など医療関係者の緊迫した動きは「兵士」のよう。現場は野戦病院の様相ですが、それを広く支える市民社会の組織、人々ポロの連帯が不可欠となります。


今夜のNHKのEテレで「100分de名著」では「デフォー ペストの記憶」3回講義のテーマは「管理社会vs市民の自由」です。

(つづく)

 
コロナ禍は陰鬱です。60年代フランスのエレキサウンドの“名曲”を


悲しきヤング・ラヴ/レ・プレイヤーズ
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降りかかる不条理に抗す(3)

2020年09月16日 | 研究・書籍
生命か、生計か?究極の選択

NHKのEテレ「100分de名著 デフォー ペストの記憶」第2回講義のテーマです。「生命か、生計か?究極の選択」。

「生計」は仕事、生活、労働、経済、ここではすべて同義語ですね。
生命と生計とは対立物ではないでしょう。仕事、生活、労働、経済は生命の源でもあります。テキストでは人間社会の本質に通じるテーマとして、貧富の差、階級格差の問題としてもとらえています。

ペストの襲来でロンドンから逃げ出せるのは、お金持ちの人たちだけ。残った人たちの中でもそれなりに経済力がある者は、一定期間は家にとどまり外出自粛生活ができました。しかし貯えのない人たちは生きていくために働かなければなりません。

生きていくために働く」このフレーズが問いであり答えに近いのではないでしょうか。
誰もが択一のチョイスは可能ではないし、誰もが一方を選択することでリスクを回避できるものでもないですね。ここは感染症相手のむずかしいところ。

今、小林よしのりの新書『コロナ論』でも帯に「生命至上主義か?経世済民か?」とこの問題を投げかけています。「あえて言う。経済の方が命よりも重いのだ!」とは、よしりん(小林よしのり)の説。労働(経済)をどうとらえるのか、労働の中にも幸福が生まれる(カミュ)とも。

よしりんの『コロナ論』はさて置いて、デフォーの『ペストの記憶』に戻ります。
ペストによって「災害ユートピア」の現象も出てきた。それはキリスト教の宗派間対立が一時的に解消されたことや慈善家の救済活動が生まれたことなど。

現代の私たちのコロナ禍でも「ニューノーマル」「新しい日常」という言い方を耳にしますね。これは私たちも変わらなければならない、というメッセージ、だとテキストの弁(武田将明氏=東大准教授)。

パンデミックのもとでは正解や出口が見えない。ならばどうすればいいか、逡巡しながらやっていくしかない(武田将明氏)という苦しい状況の中で、番組出演者の伊集院光氏がまとめた。「まずは自分の中でベターを選ぶ。それがベストとは思い込まない。今の自分の考えの中で手を抜かずに選択をする!


(つづく)



 
 
『愛の休日』ミッシェル・ポルナレフ♪
コロナ禍で毎日が愛の休日では困りますが・・



Holidays
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降りかかる不条理に抗す(2)

2020年09月14日 | 研究・書籍
コロナ禍が日に日に社会の不条理な面を浮きだたせています。
その不条理を嘆き悲しむことは自然な感情ではありますが、時にはこの状況を逆手に取って冷笑してやろうではありませんか。

カミュの『ペスト』、再読しています。
『ペスト』には以下のエピグラフ(巻頭に記す題辞)が書かれています。最初はさっと無感情に読み過ごしてしまいましたが、細心の注意を払っての熟読です。

「ある種の監禁状態を他のある種のそれによって表現することは、何であれ実際に存在するあるものを、存在しないあるものによって表現することと同じくらいに、理にかなったことである。」

抽象的で難解な文章ですね。実はパンデミックの文学としては、カミュ(1913-1960)よりも前の年代のダニエル・デフォー(1660-1731)の存在があることを知りました。カミュが影響を受けたと思われるデフォー。カミュもあえて意識をして巻頭辞に紹介したものと思われます。

さてダニエル・デフォーってどのような人なのだろう。
今月、NHKのEテレで「100分de名著」では「デフォー ペストの記憶」が放映中です。
今夜(月曜午後10:25~10:50)第二回の講義。

ダニエル・デフォーはイギリスの作家・ジャーナリスト。一人で新聞を発行し政治経済評論をしていた。小説『ロビンソン・クルーソー』『ペストの記憶』などを書く。

カミュの『ペスト』の舞台となった北アフリカ・アルジェリア、オランの町はペスト禍に襲われたわけでなく架空の話。しかしデフォーの『ペストの記憶』は17世紀のロンドンを襲ったペスト禍の実録版にちかいという。

カミュから、さらにデフォーも調べてみようと思います。
「見えざる恐怖に立ち向かう。先が見通せない不安を支えあうものは何か?」
(100分de名著 デフォーのペストの記憶 表紙文)

隔離生活、飛び交うデマ情報、第二波の流行・・。17世紀のロンドンのあり様から今わたしたちが学ぶものは多いようですね。(つづく)




 

シャルル・アズナブールの濃厚な恋唄『イザベル』ナイスですね♪♡

Isabelle
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降りかかる不条理に抗す(1)

2020年09月11日 | 研究・書籍
あなたに降りかかる不条理に対して、
全力でその最前に立つ。
生きているだけで価値がある社会を、
何度でもやり直せる社会を構築するために。



れいわ新選組の「決意文」の一節です。
「不条理(ふじょうり)」という語が出ていますね。

「不条理」とは道理に反すること。実存主義の用語で、人生に意義を見出す望みがない、絶望的な状況を指す。特にフランスの作家カミュの不条理の哲学によって知られる(広辞苑)

コロナ禍の今、再評価が高まっているアルベール・カミュの『ペスト』をなんとか一読してみました。新潮社、宮崎峯雄訳を久々に電子書籍キンドルで。

長編もので文字を追っているだけで十分な理解が進まず、途中居眠りすること十数回。とりあえずゴールまでたどりついたというだけで読んだという実感にはほど遠く、お恥ずかしい限りです。

2年前にNHKのEテレで放映されたテキスト『100分de名著 アルベール・カミュ ペスト』を友人から貸してもらいました。今、リバイバル人気で店頭でもバックナンバーが売られていますね。こちらの方は中条省平氏(学習院大学教授)の解説が分かりやすい。まったく眠くならず一気に読みました。

北アフリカのある町が、突然、疫病禍に襲われる。人々はこの災厄を乗り越えることができるのか。不条理に反抗する人間のありようを描いた傑作小説『ペスト』の現代的意味を探る。それぞれの現実を見据え、生きる(100分de名著の表紙文)

当ブログではこれよりシリーズで何回になるかわかりませんが、降りかかる不条理に抗す思いで
不条理の哲学、作家カミュ、小説ペストに関して取り上げさせていただきます。
カテゴリを「コロナ」か「研究」かで迷いましたが、後者に区分します。


アダモの声にカミュ的な「反抗」を感じますね♪


 

ブルージーンと皮ジャンパー   アダモ
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教員免許更新制は廃止すべし

2020年09月09日 | 教育・文化
「教員免許更新つらかった」という学校の先生の声が新聞投書欄に載っていました。(毎日新聞みんなの広場2020/9/7)

教員の免許更新制どうなっているのか調べてみました。

免許状有効期間 10年
更新講習 必修&選択科目 30時間
講習個人費用 3万円



更新試験にパスしないと失職してしまう!!
これは精神的にもきついですね。


更新講習の受講資格は現職の場合、校長の証明書が必要

これもきつい、これでは校長には一切逆らえませんね。この管理強化も目的の一つなのでしょう。

この更新制度、第一次安倍内閣が教育再生をねらい起案し2009年4月から始まっているということです。その後、民主党政権になり見直す方向でしたが進展しないうちにまた安倍政権になってしまった。

これはどう見ても教育への公権力の支配介入・強化です
教員の生殺与奪権をお上にすっかり与えてしまったかのように思えます。

新聞投書の先生は中学の教員64歳。「いつもと逆の立場になって改めて生徒のつらい気持ちがよく分かった」さらには「年齢のせいか暗記力も低下していて、試験を受けるのが正直怖かった」と個人的な感想を述べ、特にこの更新制度の是非そのものには触れていなかった。

しかし私は改めてこんな制度が実施されていることに驚きました。今、教員の間でメンタル疾患者が増えているのもうなずけますね。更新制度がそれを助長しているのではありませんか。

やはりもう一度、本物の「政権交代」が必要です。この制度、即刻廃止のためにも。

今宵はチャックベリー先生と歌いましょう♪♪


【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔



Chuck Berry "School Days"
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CD選書 憂歌団17/18オンス

2020年09月06日 | CD棚卸し
1年ぶりのCD棚卸し。

まだまだ猛暑が続いていますが終活作業の再開です。わが家に散在し眠っているCD、DVDのたぐいを整理しています。

きょうのCDは、憂歌団(ゆうかだん)のアルバムの一つ『17/18オンス』(ポニーキャニオン販売元)

憂歌団メンバーは木村充揮、島田和夫、花岡献治、内田勘太郎。

代表曲『おそうじオバチャン』『嫌んなった』など・・全17曲♪

ライブ感がマイナスに作用しているようにも。私が淡白になったせいなのかな。
コピーされているMIYOさんの『おそうじオバチャン』の方がいいな=動画

お下品な歌詞も女性ボーカルだとまた感じが変わりますね。

棚卸し判定は、Good bye!、廃棄します。



MIYO|おそうじオバチャン
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マイナポイント妙味なし

2020年09月04日 | 経済
今月1日から来年3月末までマイナポイントが始まりましたね。

「チャージした金額の25%分最大5000円」の意味がどうも分かりにくかったのですが、はっきりしました !


今回の事業の還元はわずかマックス5000円までの話なのです。

6月終了の「キャシュレス決済還元」事業の場合は、期間内に買い物をするたびに5%が戻りました。その感覚で行くと今回もチャージするごとに25%バックになるのかなと勝手に想像していましたがそうではありません。還元は後にも先にも5000円だけで終わり

その5000円をいただくのに、マイナンバーカード手続きから始まりスマホが未対応の場合はパソコン用のカードリーダーを用意することも。けっこう面倒な手間がいるようですね。

今、マイナンバーカード取得だけでも1カ月かかるという。


だめだ、こりゃ(笑)


もの好きな私も気力が失せました。




参考になった動画を掲示しておきます。
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔

【驚愕】マイナポイントの登録が面倒すぎる!!
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首相の辞任表明で思う

2020年08月29日 | 政治
首相の安倍晋三さん、体調不良を理由に辞任表明。

思えば2006年の「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍第一次政権の誕生の時は、期待をしてしまった。今思えば不覚なことでした。

それというのも「拉致問題」や「謝罪外交の終焉」をこの政権は実行するものと感じたからだ。しかしフタを開けたら驚いた。内閣発足後、いきなり村山談話(侵略史観)、河野談話(慰安婦強制)を踏襲と来たもんだ。

びっくりしました。まるで旧社会党の村山富市さんが首相就任早々に「日米安保堅持」と言ってのけたのと変わらない驚きでした。日頃の信条をコロッと変える、こんな無節操ってないんじゃないでしょうか。

革新なら革新の、保守なら保守の信念と矜持をもってほしいと願いました。

村山政権は短命でしたが、それでも第二次安倍政権は通算国政選挙6連勝。しかし最初の売りだった「拉致問題」をはじめ重要案件は案の定、みな手付かず中途半端。(国家機関の私物化だけはしっかり完遂)
「常に道半ばを強調して、有権者に、じゃあ、もう少し支持してみよう、と思わせてきた。これが7年8か月続いた悪影響は非常に大きい」(中島岳志東工大教授毎日新聞8/29)

伝統の保守政治、さらには広く政党政治そのものを空しいものに導いてしまった安倍政権。それでもすべてのものは終わりがありますね。

国民有権者も与党はダメだが野党もダメとして冷笑し澄ましていてはならない。どちらもダメなら「与党」でも「野党」でもぶちこわして作りなおすくらいのパワーを投じようではありませんか。

これはもちろん小生自身に言い聞かせていることではございます。



今宵はアントニオ カルロス ジョビン wave(波)♪

Antonio Carlos Jobim - Wave  
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なつかしい「田中康夫主義」

2020年08月24日 | 研究・書籍
本棚に『田中康夫主義』が今では忘れられたように眠っています。

知事時代、自身の健康状態を包み隠さず公開した田中康夫が、なぜか最近とても懐かしく思います。現職中に膀胱がんの手術をし人口膀胱となったことなどをきわめて自然なこととして皆に伝えつづけた田中康夫。

白いキャップをかぶりニッコリ笑って手術室に運ばれる写真を新聞で見た記憶があります。
(ネットで検索しましたが見当たりませんね)

自分の病気を常時子細に、オープンに知らしめた田中康夫の度胸は立派。長野県知事就任後知事室を、金魚鉢のように誰もがのぞけるガラス張りにしたことも田中康夫主義の具体例でしょう。

一個人の場合でも、自分の病状を正確に広く周囲に知らせることにはそれなりの覚悟が要ります。病名を先方に知られ不利益を被ることも考えられるからです。弱みを見せたくない気持ちがはたらくだけに限られた人にしか伝えないということにもなるでしょう。

しかし公人であるトップは、その影響力が個人とは大きくちがいます。自身の健康状態は自分だけのものではありません。それを公開することで今後、愛する民がどう方針を立て行動をとるかの判断材料ともなるからです。リーダーとしては田中康夫がかつて示したようにあってほしいものです。


田中康夫が知事に初当選したときは、隣県の民ではありますが私も期待に胸が膨らみました。今でいえば、ちょっと「れいわ新選組」の躍進にも似たかんじでしたね。

私も陰ながらやっしー(田中康夫)を応援しました。カモシカバッジなども購入したりして(笑)
しかし信州に吹き荒れたやっしー旋風も、後半はワンマン化し身近な同志が相次いで去り残念な結末となりました。

ただ健康状態を、県民・有権者に臆することなく広く徹底開示した点は今も高く評価できます。(敬称略)




 

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お見事、帯広農業すず野球

2020年08月16日 | スポーツ・健康
送り火の後、きょうはテレビで甲子園の高校野球交流試合を観戦しました。

地元群馬から桐生一と健大高崎の二校が出場とあって朝から落ち着きませんでした。桐生一が明石商に2-3で負けたのはやむを得ないとしても、つづいて行われた帯広農と健大高崎は、大差で健大が勝つと思ってみていました。帯広農は21世紀枠、全員が右バッター、公立校でどうやら「野球専門校」ではなさそう。夏の地方大会は1回戦で敗退。

帯広農が先制しないと関東の覇者、健大の一方的な試合になってしまうのではないかと同情していました。最初に帯広が2点取り、これは面白くなりそうだ。いつ健大が逆転するかなと見守っていました。

あらら・・??
帯広農業、強いなあ~

とうとう4-1で健大高崎が負けてしまった!
2年前の夏、秋田の金足農の健闘を想起させられました。帯広農は朝ドラ『なつぞら』のヒロイン、広瀬すずにちなんで「すず野球」というのだそうだ。ドラマに出てきた「十勝農業高校」のモデルになったのが帯広農だとか。

主将で主戦投手、3番打者の井村塁選手が印象に残りました。笑顔を絶やさず野球を楽しんでいる様子。金足農の吉田輝星投手を思い出した。

コロナ禍によって変則的に始められた交流試合。敗者の監督と選手にもインタビュー時間が割り振られ、敗者に悲壮な涙が見られないのは新しい発見でした。


一戦完結のこの方式もなかなか良いものだと思いますね。




2020 03 17 帯広 農業 高校 野球部・センバツ出場に至る道・21世紀枠・自分たちで作った食料
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どうするマイナンバー

2020年08月14日 | 研究・書籍
キャッシュレスの次の関心はマイナンバー制度です。

かつて私は住基カードを興味本位で作りました。しかし何のゴリヤクもなく使用する機会もなく肩すかしでした。それでも住基カードでは11桁の番号が希望すれば変更ができましたが、12桁のマイナンバーになると番号変更は生涯不可だという。マイナンバーとはいったい何なのかとりあえず信頼できそうな本を一冊手に取り読んでみました。

斎藤貴男著『マイナンバーが日本を壊す』(集英社インターナショナル 2016年)

ぱらっと開いて目に入ったのが「戦時中の兵籍簿のイメージ」の章・・。こりゃたいへん、しっかり読まないと。

なになに「土建屋政治」から「IT政治」。完成して終わる建設工事よりもセキュリティやメンテで半永久的に独占できるのがIT産業。

2013年、すでに安倍政権。日本政府はマイナンバーの工程管理支援業務を米国生まれの多国籍企業(コンサルタント業務)「アクセンチュア社」に9億3500万円で丸投げだったという。コロナ禍の今も同政権の「丸投げ」依頼はよく聞く話。ここでもか。

本書では「超監視社会の到来」も警鐘している。いろいろとマイナンバーの生い立ちについては知るところとなりました。

さて、ところでマイナンバーカードどうしましょう。
住基カードを作った頃のような茶目っ気は今はなくなっています(笑)




 



イパネマの娘 小野リサ 
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続「火葬場に立つ少年の写真」

2020年08月10日 | 教育・文化
「火葬場(焼き場)に立つ少年」については、当ブログでは過去2回触れています。
2012年3月2日「戦災に耐える少年の唇」
2019年11月25日「核保有は倫理に反する」

長崎への原爆投下75年に当たる今年、NHK Eテレでは同長崎放送局が少年の写真を徹底調査し放映した。

撮影者のオダネル氏のカメラ、アニバーサルスピードグラフィックに合わせた再現方法を採り最新技術でその日の天候(曇り)や足元のケーブルから割り出して場所(長崎本線沿線)もほぼ確定できた。そして少年の右の眼の放射線障害も確認された。

また鼻からの被曝による出血を抑えていた跡もみられる。


少年は弟を荼毘に付したあとは、振り返ることもなく立ち去ったという。戦災孤児としてその後どのように生きたことだろうか、番組では同じ境遇で長崎の孤児院で暮らした人たちなどから聞き取りをしている。

広島と長崎への2つの原爆は、戦争の早期終結に貢献したという意見が米国では多い中、レンズから見た生き証人としてのオダネル氏は「原爆投下はまちがっていた」と話していたという。

ローマ教皇も着目された「焼き場に立つ少年」の写真。
今回のETV特集の追跡取材は、涙なしには見られなかった。




焼き場に立つ少年 (2019年)
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国際組織には失望です

2020年08月07日 | 研究・書籍
時々、ダイレクトメールで国連の関連機関のNPOから寄付の誘いが届きます。
最近では当方の名前入りのグッズも同封されていて恐縮してしまう。途上国の飢えや病気に悩まされている子供たちを救うための支援の要請文が添えられている。

少額なら協力しようかと思わないでもないのですが、このようなことで救出に果たして役立つのだろうかと疑ってしまう。
国連への出資金は、日本は世界で2位か3位の多額協力国だ。昨年3位、240.2万ドル、国連予算の10%近くの供出額。それなのに今も国連53条敵国条項は削除されていない。削除決議はなされているのにもかかわらず。つまり日本はお金はたくさん払っていても依然敵国扱いは消されてはいないと言うことです。


United Nationsを「国際連合」と名訳したせいで、国連のイメージは良い。神聖ともいえる平和な殿堂のイメージです。高校時代の友人で将来は国連職員になることを夢見ていた少年の心は清らかだった。ご参照:2017年8月10日ポポロ通信舎「国連の理想と現実」

しかし現実の国連およびその関連機関の有様はどうでしょう。原発震災事故も冷めやらぬ中で首相の「放射能汚染水完全ブロック」の言葉を受け、しかも酷暑時期の日本での五輪を決定したIOC(国際オリンピック委員会)。

コロナウイルスは人から人には感染しないとしマスクも不要としていた方針が一転、パンデミック宣言。なんともいい加減な判断をして人々を惑わせてた事務局長が退陣もせずいまだに指揮を執り続け、今度は「影響は今後数十年に及ぶ」とほざいていらしゃいます。それが国連の専門機関の一つWHO(世界保健機関)。

情けないですね。これでは国連機関を名乗っている団体にはとても献金する気にはなれません。

『我、国連でかく戦えり』(藤木俊一著 ワニ・プラス)を読みました。

本書では、主に慰安婦問題が国連の場で1992年ごろから「性奴隷」の誤った表現が国連から世界に発信された問題を訴えています。「戦時売春婦」を「性奴隷」としたことで、日本は多くの非難を受けざる負えない窮地に立たされてしまった。同じく「戦時労働者」だった徴用工が「強制(連行)労働者」になってしまっている。著書は「国連は左翼の巣窟だ」というが、この件は日本の左翼、および国連にとっても確かに弱点と言えますね。

そんな国連を今後どうしていくか。

著者は「大改革を、または新たな国際機関の創設」と。わたしもそれには同感です。
わずかなポケットマネーで賛助金を払って満足している場合ではない、何をなすべきか、何に投じるべきか、それが課題。具体策はそれぞれで考え抜きましょう。



きょうの一曲はエルトン ジョン『Your Song』 

 
Elton John - Your Song (Top Of The Pops 1971)
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農学者、李登輝を悼む

2020年07月31日 | 研究・書籍
1949-1987年まで戒厳令下にあった台湾を1996年の総統直接選挙で台湾民主化を確実に実現させた李登輝元総統が亡くなった。「全世界の政治家の中で、唯一尊敬できるのが李登輝だった」と高く評価し哀悼しているのが漫画家の小林よしのり(以下よしりん)。

私が李登輝について詳しく知ったのは、よしりんの『台湾論』だ。本書の発行は、台湾では焚書騒ぎになるほどの反響でよしりんも一時は入国を拒否されていた。

その後、台湾でよしりんが李登輝と会食したとき、彼は自分の愛する母国の農業政策について饒舌に語ったという。李氏は石川県出身の水利技術者八田與一(はったよいち)の功績を称えた。八田與一は、現代の私たちにはあまりなじみのない人だが、今でいえばアフガンの治水に貢献した中村哲医師のような功労者であったと想像できる。
八田與一は用水・灌漑のダム設計で広大な土地への給水が実現し、台湾の農民に「三年輪作」の教育と指導をした。八田夫妻の銅像は国民党支配下でも地元の人たちが命懸けで隠し保管し続けたという。そのことを農業経済学者でもある李登輝が熱っぽく話したのだ。若き日に日本の大学で農学を学んだという氏にはとても親しみを感じる。

『台湾論』の中では李登輝については「国際舞台から見離され、国家として認知されず中国大陸から武力威嚇を常に受け続ける台湾に出現した偉大なリーダー」と紹介されている。台湾を取り巻く厳しい情勢は依然変わらないが李氏の志は今、確実に蔡英文総統に受け継がれている。

台湾統治の歴史はオランダから始まり鄭(てい)氏政権、清国、日本、国民党と変遷してきた。
李登輝他界の後も台湾の民主主義が絶えることはないと確信したい。 合掌。





 
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弘田三枝子さん

2020年07月28日 | 音楽
中学3年の冬、前橋。
就職のため数日後に上京するクラスメイトのM君宅を訪れた。

なんとなく寂しさが漂っていた雰囲気の中、白黒テレビのブラウン管から飛び出てくるような元気な女の子の声がした。
二人とも話すのをやめて、しばし画面に目が行った。

子供ぢゃないのよ~♪♪

何かとても元気づけられた。M君と顔を見合わせて笑った。

それがぼくらの弘田三枝子だった。。。   合掌



【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔


弘田三枝子 子供ぢゃないの
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