ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

首相の辞任表明で思う

2020年08月29日 | 政治
首相の安倍晋三さん、体調不良を理由に辞任表明。

思えば2006年の「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍第一次政権の誕生の時は、期待をしてしまった。今思えば不覚なことでした。

それというのも「拉致問題」や「謝罪外交の終焉」をこの政権は実行するものと感じたからだ。しかしフタを開けたら驚いた。内閣発足後、いきなり村山談話(侵略史観)、河野談話(慰安婦強制)を踏襲と来たもんだ。

びっくりしました。まるで旧社会党の村山富市さんが首相就任早々に「日米安保堅持」と言ってのけたのと変わらない驚きでした。日頃の信条をコロッと変える、こんな無節操ってないんじゃないでしょうか。

革新なら革新の、保守なら保守の信念と矜持をもってほしいと願いました。

村山政権は短命でしたが、それでも第二次安倍政権は通算国政選挙6連勝。しかし最初の売りだった「拉致問題」をはじめ重要案件は案の定、みな手付かず中途半端。(国家機関の私物化だけはしっかり完遂)
「常に道半ばを強調して、有権者に、じゃあ、もう少し支持してみよう、と思わせてきた。これが7年8か月続いた悪影響は非常に大きい」(中島岳志東工大教授毎日新聞8/29)

伝統の保守政治、さらには広く政党政治そのものを空しいものに導いてしまった安倍政権。それでもすべてのものは終わりがありますね。

国民有権者も与党はダメだが野党もダメとして冷笑し澄ましていてはならない。どちらもダメなら「与党」でも「野党」でもぶちこわして作りなおすくらいのパワーを投じようではありませんか。

これはもちろん小生自身に言い聞かせていることではございます。



今宵はアントニオ カルロス ジョビン wave(波)♪

Antonio Carlos Jobim - Wave  
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なつかしい「田中康夫主義」

2020年08月24日 | 研究・書籍
本棚に『田中康夫主義』が今では忘れられたように眠っています。

知事時代、自身の健康状態を包み隠さず公開した田中康夫が、なぜか最近とても懐かしく思います。現職中に膀胱がんの手術をし人口膀胱となったことなどをきわめて自然なこととして皆に伝えつづけた田中康夫。

白いキャップをかぶりニッコリ笑って手術室に運ばれる写真を新聞で見た記憶があります。
(ネットで検索しましたが見当たりませんね)

自分の病気を常時子細に、オープンに知らしめた田中康夫の度胸は立派。長野県知事就任後知事室を、金魚鉢のように誰もがのぞけるガラス張りにしたことも田中康夫主義の具体例でしょう。

一個人の場合でも、自分の病状を正確に広く周囲に知らせることにはそれなりの覚悟が要ります。病名を先方に知られ不利益を被ることも考えられるからです。弱みを見せたくない気持ちがはたらくだけに限られた人にしか伝えないということにもなるでしょう。

しかし公人であるトップは、その影響力が個人とは大きくちがいます。自身の健康状態は自分だけのものではありません。それを公開することで今後、愛する民がどう方針を立て行動をとるかの判断材料ともなるからです。リーダーとしては田中康夫がかつて示したようにあってほしいものです。


田中康夫が知事に初当選したときは、隣県の民ではありますが私も期待に胸が膨らみました。今でいえば、ちょっと「れいわ新選組」の躍進にも似たかんじでしたね。

私も陰ながらやっしー(田中康夫)を応援しました。カモシカバッジなども購入したりして(笑)
しかし信州に吹き荒れたやっしー旋風も、後半はワンマン化し身近な同志が相次いで去り残念な結末となりました。

ただ健康状態を、県民・有権者に臆することなく広く徹底開示した点は今も高く評価できます。(敬称略)




 

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お見事、帯広農業すず野球

2020年08月16日 | スポーツ・健康
送り火の後、きょうはテレビで甲子園の高校野球交流試合を観戦しました。

地元群馬から桐生一と健大高崎の二校が出場とあって朝から落ち着きませんでした。桐生一が明石商に2-3で負けたのはやむを得ないとしても、つづいて行われた帯広農と健大高崎は、大差で健大が勝つと思ってみていました。帯広農は21世紀枠、全員が右バッター、公立校でどうやら「野球専門校」ではなさそう。夏の地方大会は1回戦で敗退。

帯広農が先制しないと関東の覇者、健大の一方的な試合になってしまうのではないかと同情していました。最初に帯広が2点取り、これは面白くなりそうだ。いつ健大が逆転するかなと見守っていました。

あらら・・??
帯広農業、強いなあ~

とうとう4-1で健大高崎が負けてしまった!
2年前の夏、秋田の金足農の健闘を想起させられました。帯広農は朝ドラ『なつぞら』のヒロイン、広瀬すずにちなんで「すず野球」というのだそうだ。ドラマに出てきた「十勝農業高校」のモデルになったのが帯広農だとか。

主将で主戦投手、3番打者の井村塁選手が印象に残りました。笑顔を絶やさず野球を楽しんでいる様子。金足農の吉田輝星投手を思い出した。

コロナ禍によって変則的に始められた交流試合。敗者の監督と選手にもインタビュー時間が割り振られ、敗者に悲壮な涙が見られないのは新しい発見でした。


一戦完結のこの方式もなかなか良いものだと思いますね。




2020 03 17 帯広 農業 高校 野球部・センバツ出場に至る道・21世紀枠・自分たちで作った食料
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どうするマイナンバー

2020年08月14日 | 研究・書籍
キャッシュレスの次の関心はマイナンバー制度です。

かつて私は住基カードを興味本位で作りました。しかし何のゴリヤクもなく使用する機会もなく肩すかしでした。それでも住基カードでは11桁の番号が希望すれば変更ができましたが、12桁のマイナンバーになると番号変更は生涯不可だという。マイナンバーとはいったい何なのかとりあえず信頼できそうな本を一冊手に取り読んでみました。

斎藤貴男著『マイナンバーが日本を壊す』(集英社インターナショナル 2016年)

ぱらっと開いて目に入ったのが「戦時中の兵籍簿のイメージ」の章・・。こりゃたいへん、しっかり読まないと。

なになに「土建屋政治」から「IT政治」。完成して終わる建設工事よりもセキュリティやメンテで半永久的に独占できるのがIT産業。

2013年、すでに安倍政権。日本政府はマイナンバーの工程管理支援業務を米国生まれの多国籍企業(コンサルタント業務)「アクセンチュア社」に9億3500万円で丸投げだったという。コロナ禍の今も同政権の「丸投げ」依頼はよく聞く話。ここでもか。

本書では「超監視社会の到来」も警鐘している。いろいろとマイナンバーの生い立ちについては知るところとなりました。

さて、ところでマイナンバーカードどうしましょう。
住基カードを作った頃のような茶目っ気は今はなくなっています(笑)




 



イパネマの娘 小野リサ 
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続「火葬場に立つ少年の写真」

2020年08月10日 | 教育・文化
「火葬場(焼き場)に立つ少年」については、当ブログでは過去2回触れています。
2012年3月2日「戦災に耐える少年の唇」
2019年11月25日「核保有は倫理に反する」

長崎への原爆投下75年に当たる今年、NHK Eテレでは同長崎放送局が少年の写真を徹底調査し放映した。

撮影者のオダネル氏のカメラ、アニバーサルスピードグラフィックに合わせた再現方法を採り最新技術でその日の天候(曇り)や足元のケーブルから割り出して場所(長崎本線沿線)もほぼ確定できた。そして少年の右の眼の放射線障害も確認された。

また鼻からの被曝による出血を抑えていた跡もみられる。


少年は弟を荼毘に付したあとは、振り返ることもなく立ち去ったという。戦災孤児としてその後どのように生きたことだろうか、番組では同じ境遇で長崎の孤児院で暮らした人たちなどから聞き取りをしている。

広島と長崎への2つの原爆は、戦争の早期終結に貢献したという意見が米国では多い中、レンズから見た生き証人としてのオダネル氏は「原爆投下はまちがっていた」と話していたという。

ローマ教皇も着目された「焼き場に立つ少年」の写真。
今回のETV特集の追跡取材は、涙なしには見られなかった。




焼き場に立つ少年 (2019年)
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国際組織には失望です

2020年08月07日 | 研究・書籍
時々、ダイレクトメールで国連の関連機関のNPOから寄付の誘いが届きます。
最近では当方の名前入りのグッズも同封されていて恐縮してしまう。途上国の飢えや病気に悩まされている子供たちを救うための支援の要請文が添えられている。

少額なら協力しようかと思わないでもないのですが、このようなことで救出に果たして役立つのだろうかと疑ってしまう。
国連への出資金は、日本は世界で2位か3位の多額協力国だ。昨年3位、240.2万ドル、国連予算の10%近くの供出額。それなのに今も国連53条敵国条項は削除されていない。削除決議はなされているのにもかかわらず。つまり日本はお金はたくさん払っていても依然敵国扱いは消されてはいないと言うことです。


United Nationsを「国際連合」と名訳したせいで、国連のイメージは良い。神聖ともいえる平和な殿堂のイメージです。高校時代の友人で将来は国連職員になることを夢見ていた少年の心は清らかだった。ご参照:2017年8月10日ポポロ通信舎「国連の理想と現実」

しかし現実の国連およびその関連機関の有様はどうでしょう。原発震災事故も冷めやらぬ中で首相の「放射能汚染水完全ブロック」の言葉を受け、しかも酷暑時期の日本での五輪を決定したIOC(国際オリンピック委員会)。

コロナウイルスは人から人には感染しないとしマスクも不要としていた方針が一転、パンデミック宣言。なんともいい加減な判断をして人々を惑わせてた事務局長が退陣もせずいまだに指揮を執り続け、今度は「影響は今後数十年に及ぶ」とほざいていらしゃいます。それが国連の専門機関の一つWHO(世界保健機関)。

情けないですね。これでは国連機関を名乗っている団体にはとても献金する気にはなれません。

『我、国連でかく戦えり』(藤木俊一著 ワニ・プラス)を読みました。

本書では、主に慰安婦問題が国連の場で1992年ごろから「性奴隷」の誤った表現が国連から世界に発信された問題を訴えています。「戦時売春婦」を「性奴隷」としたことで、日本は多くの非難を受けざる負えない窮地に立たされてしまった。同じく「戦時労働者」だった徴用工が「強制(連行)労働者」になってしまっている。著書は「国連は左翼の巣窟だ」というが、この件は日本の左翼、および国連にとっても確かに弱点と言えますね。

そんな国連を今後どうしていくか。

著者は「大改革を、または新たな国際機関の創設」と。わたしもそれには同感です。
わずかなポケットマネーで賛助金を払って満足している場合ではない、何をなすべきか、何に投じるべきか、それが課題。具体策はそれぞれで考え抜きましょう。



きょうの一曲はエルトン ジョン『Your Song』 

 
Elton John - Your Song (Top Of The Pops 1971)
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