2022.2.5放送
「世の光」の時間です。お変わりありませんか? 岩井基雄です。この土曜日は歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学びましょう。今日は、キリスト教教育に生きた井口喜源治(きげんじ)の人生を見てみましょう。
井口喜源治は、明治三年、今の長野県安曇野に生まれました。松本中学校に通う中で、井口は英語教師であり宣教師でもあったエルマー夫妻と出会い、初めてキリストの愛に触れます。井口は中学を出て明治法律学校に進みましたが、学業半ばで長野県の小学校の先生となり、複数の小学校で神の愛を届ける誠実な教師として歩みます。その中で東穂高(ひがしほだか)禁酒会に加わります。子どもたちを取り囲む家庭の現状やお酒が関わる問題を目の当たりにしてきた井口は、禁酒会の活動を通しても聖書が語る神様の愛と赦し、またエルマー宣教師から学んだ聖さを人々にまた子どもたちにも教えていったのです。
井口の教え子の中から何人もキリストを信じる者が現れる中、当時の教育界はキリスト教への警戒を強めました。井口が後に加わる芸妓置屋(げいこおきや)設置への反対運動もその警戒をより強めることになり、ついに井口は公教育の現場から排斥されてしまったのです。
しかし、真の愛の教育を求める井口は明治三十一年に私塾・研成義塾(けんせいぎじゅく)を設立し、貧しさの故に教育を受けられない子供たちを受け入れ、教科はすべて井口一人が教えました。
全人格教育に心をとめていた井口は道徳の教育として聖書を用います。神の愛に生かされることと、キリストにある愛の使命に生きることを子どもたちに伝え続けたのです。34年間で800名近い人たちをこの世に送り出しました。
この井口の愛の姿に感銘を受け、彼を支え続けたのがキリスト者、内村鑑三でした。内村の支援を受けながら、井口はエルマー宣教師夫妻を通して受けたキリストの愛を子どもたちに注ぎ、痛みを通る子どもたちに寄り添い、愛と真実に生きる人格者を育み続けたのです。
キリストのことば
「わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」
新約聖書 ヨハネの福音書13章34節
( PBA制作「世の光」2022.2.5放送でのお話しより )
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