♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して72年、
PBA『世の光』を文字で 

■十戒 -自由への励まし104 / 大嶋重徳

2019年06月13日 | Weblog
2019/5/9放送

世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。
 聖書には十戒と呼ばれる神と人との間に結ばれた約束があります。十戒第九戒は「隣人に対し、偽証してはならない。」(申命記 5章20節 新改訳第三版、参照出エジプト記20章16節)です。

 十戒第九戒をはじめに聞いた人たちにこの戒めが直接的に意味した事は、裁判における偽証の禁止です。当時は裁判が今日よりも日常的に行われるもので、何かいざこざがあると人の集まる場所で、裁き司つまり裁判官を呼んで裁判を行いました。十戒の戒めを受け取ったイスラエル人々にとっては指導者モーセがその役割を担っていました。モーセのもとには大量の問題が持ち込まれたので、モーセは自分の舅イテロの助言に従って民の裁き司を立てたことを聖書は記しています。これは新約聖書の時代にも見られ、姦淫の罪を犯した女性の裁判においてもイエス様が律法の教師として人々から判断を求められました。しかしこの裁判では判断を求められたイエス・キリストを落としいれようとした思惑を持っている人々の意図が背後にありました。つまり、このような裁判は表向きは公平であるように見えながら、その背後に権力者や指導者の意図が働くことがあったのです。それゆえ聖書では、この当時の裁判の判断には二人以上の証言を求め、複数の証言によって裁判がなされ、証言は重要な役割を果たしたのです。

 しかし、聖書の他の箇所では、ナボテという人が持っているぶどう畑を欲しいと思った王様アハブが策略によって聖書通りに二人の男に「ナボテは神と王を呪った」という証言をさせます。その証言のせいでナボテは石打ちの刑となり、アハブ王はナボテのぶどう畑を奪い取ったのです。

 もし裁判で偽証されることになれば裁判への信頼は失われ、社会的公正さが崩れていきます。さらに偽りの証言をされた被害者の生活、尊厳、また将来も、更には家族の人生が破壊されることとなります。そのため偽証の罪は非常に重いものとされました。

 第九戒が求めることは公において正しく正義が貫かれる社会が形成されることです。つまり、偽りの証言をしないという社会参加をすることを求められていたのです。私たちもまた、自分のついた小さな嘘が誰かの人生を殺すようなことがあってはいけません。第九戒の戒めのように今日も私たちは誠実に自分の語ることばに責任を持つ必要があるのです。

    ( PBA制作「世の光」2019.5.9放送でのお話しより )

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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。


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