6,7日の2日にわたり、自民党議員団再生可能エネルギー研究会で北海道のバイオ燃料生産施設を視察した。自然エネルギーといえば太陽光発電が脚光を浴びているが、農作物を原料として生産されるバイオ燃料は、アメリカ、ブラジル、EUなどでさとうきび、とうもろこしなどから生産が拡大している。そこで、わが国の自然エネルギーの生産拡大、農業の活性化促進という視点からバイオ燃料の生産現場を視察し、現状と課題を探ろうとしたものだ。
訪れたのは、北海道苫小牧市にあるオエノンホールディングス株式会社の苫小牧工場と上川郡清水町にある北海道バイオエタノール株式会社十勝清水工場。共に農水省の国産バイオ燃料の生産から販売までの大規模実証事業の補助を受けて取り組んでいる。苫小牧は休耕田で多収米を生産しこれを原料としてバイオエタノールを生産しようとしたものだが、現在はMA米(ミニマムアクセス米)を原料として生産している。十勝では、規格外小麦と余剰甜菜を原料としてとりくんでいこうとしたものだが、MA米も使っている。北海道の農業農村の活性化、CO2対策、産業と雇用の創出を目指し年間それぞれ15000キロリットルのバイオエタノールが生産されている。
1期目に兵庫県で行われている稲わらを原料とするバイオ燃料の実験プラントを視察したが、生産ベースに乗せるためには、原料となる稲わらを播磨地域の広い範囲から集めてこなければならないという原料調達の課題があった。北海道でも休耕田を活用した多収米の生産、余剰農作物を原料とする計画だったが、農政の転換や気候などの影響による生産量の問題などがあり計画通りにはいっていない面もみられた。だが、バイオ燃料生産はわが国の将来的なエネルギー生産をどうするかという視点で見ていく必要があり、販売面での課題も含めて今後解決していかなければならないことが多い。
帯広の朝の気温は16度だった(写真)。日中はもっと上がる。この寒暖の差が十勝の豊かな農業の条件でもある。十勝平野に広がる広大な畑地の大陸的な風景を眺めながら、日本の食糧生産基地を実感しつつ、またバイオ燃料生産の行方に思いをめぐらせていた。写真1枚目は平均年齢72歳の高齢者が取り組んでいる定食屋さん「グランマ」での昼食風景。