8日、兵庫県自由民主党政調理事会の一員として横浜市を訪問し、環境行動都市横浜の地球温暖化対策への取り組みと、特定NPO法人ソフトエネルギープロジェクトの活動を調査した。
横浜市は今年開港150周年を迎える。今や人口364万人の日本第2の巨大都市に成長した。この横浜市は脱温暖化都市ヨコハマをめざして、2025年(平成37)までに温室効果ガス排出量を30%削減(ただし、一人あたりの排出量)を目標に掲げ、Co-Do30(コードさんじゅうと読む。Coは、カーボンオフ:二酸化炭素の削減、Doは脱温暖化行動、30は30%)に取り組んでいる。
そのシンボルがハマウィング(風力発電)である。建設費は約5億円で、財源は国の補助金と市債(住民参加型公募債「ハマ債風車」)の発行で調達された。市債の償還は発電した電気を売った収入と協賛企業(Y(ヨコハマ)・グリーンパートナー)からの協賛金が充てられるというものである。高さ118メートル、羽の直径80メートルの風車は真下から見上げると高い。年間予想発電量は一般家庭約860世帯分の年間消費量にあたるということだった。発電効果より、環境モデル都市ヨコハマのシンボル的役割が期待されている。市債公募では3日間出売したということだった。視覚的にも参加型という点でも市民の環境意識を変えていくには効果的だと思った。後日、わが兵庫県庁に設置されていた風力発電装置が撤去されていたという新聞記事を見ることになったが、まことに残念。
次に特定NPO法人ソフトエネルギープロジェクトを訪問し、代表から説明を受け、さまざまな環境グッズの体験もさせてもらった。このNPO設立の動機は、ドイツの環境教育に刺激を受けたことが大きく、市民として受身的批判的な姿勢ではなく、積極的に行動していこうという思いからだった、と聞いた。主な事業としては、神奈川県内の公立小中高の敷地を借りて、太陽光発電を設置して、これを地域の温暖化対策の拠点として活動を展開するというもの。そのため環境教育体験車「NEO」を製作して、学校の授業、市民イベントなどに参加して啓発活動をしている。
かつて勤務していた国立大附属中の校舎屋上には太陽光発電装置が設置され、廊下には発電量などが見えるパネルもあった。しかし、発電装置は見えないし、パネルも設置しただけではなかなか意識されることも少なかったように思う。必要なのは、このNPOが取り組んでいるような環境教育体験を併せて行うことである。「NEO」でソーラーカー、省エネ、ソーラークッキングなどの体験が効果を生む。
こうしたNPOの運営にもっと若い世代が入ってきてくれることを期待している、という理事長さんの言葉は、まさに環境行動の現実的な問題だと思った。