百聞百見

ふじもと百男の政治活動日記

戦没学徒追悼祭-南あわじ「若人の広場」

2008年10月23日 14時48分07秒 | インポート

Cimg0540  21日(火)朝、南あわじ市の「若人の広場」で行われる第14回全国戦没学徒追悼祭に参列するために淡路島に渡った。空はどこまでも高く澄みわたり、海は白く光っている。明石海峡大橋を渡り、高速道路を一路南へと走り続け、西淡三原インターで一般道へ。カーナビで調べがつかず駐在所に駆け込む。奥さんに教えてもらった通りに走ると、眼前の山上に天に鋭い切っ先を向けて立つ構造物が見えてきた。南あわじ市阿万大見山である。曲がりくねった山道を車で登っていくと駐車場への入口に着いた。神戸湊川から出た貸し切りバスがすでに到着していた。

 階段を上りきると、まるで沖縄の山城のような石組の構造物、施設があり、その向こうにはどこまでも高い空と海が広がっているだけだった。山の下から見えた鋭角の構造物と施設は丹下健三氏の設計による「追悼の碑」で、戦没学徒を象徴するペン先を表したものであった。

 戦没学徒を追悼する会の会長、永田秀一先生(県会議員)から「若人の広場」建設の経緯、その後の運営、追悼祭復活の経緯と思いを聞かせていただいた。30余年以前、私は東京で学生生活を送っていたが、10月21日は学徒出陣の日であり、毎年特別な思いを持って迎えていたことを思い出す。一方、10.21は国際反戦デーでもあった。大学のキャンパスには立看やビラに「反戦」の文字が氾濫し、アジ演説と反戦歌が響いていた。そんなことを思い出しながら追悼祭に参列した。

 神道形式による追悼祭では、海上自衛隊徳島航空基地の喇叭隊の吹奏、神楽のほか、仏教者、キリスト者の読経や賛美歌奉唱も行われた。青い空と山の緑、そして海を背景に翻る日章旗がまぶしく、追悼の碑の上空を見上げると一羽の鳥が悠々と旋回していた。

 附属の施設は今廃墟のようになっていた。鹿児島の知覧、沖縄のひめゆりの塔、東京の靖国神社と同じように、ここ「若人の広場」に来れば、大東亜戦争、そして祖国のために尊い命を捧げられた戦没学徒の御霊のことを学ぶことができる。兵庫県の青少年はこの「若人の広場」で学べるようにしたいと思った。

 私たちは戦没学徒の未来という時間をいただいて今を生きている。このことを忘れまいと心に誓った。


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生き方を学ぶ総合学習

2008年10月22日 16時52分33秒 | インポート

Cimg0543  22日(水)、加東市立米田小学校のオープンスクールを参観した。6年生の教室では総合的な学習の時間にゲストティーチャーを招いて「福祉の学習」を行っていた。子どもたちは視覚障害者のゲストティーチャーの話を一言も聞き逃すまいと身を乗り出して集中していた。少し早口だったが、やさしく、ユーモアを交えながら子どもたちに話しかけるように視覚障害者となった自分の体験を語っておられた。担任の先生は大事なことがらをまとめながら板書しておられるので子どもたちは話に集中できる。廊下にはバリアフリーやユニバーサルデザインなどについて学習したことが壁新聞にまとめて掲示されており、この子どもたちがこれまでに福祉の学習を重ねてきて今日を迎えていることが参観者である私たちにもよく分かった。

 「総合的な学習の時間」だからこそ、こうした福祉について広く、深く、そして体験的に学習することができるのだとあらためてこの時間の大切さを確信した。「時間のゆとり」がなければ、こうした教科の枠をこえた分野の問題について、子どもたちに問題意識を持たせて主体的に追究させる学習を展開することは難しい。また、先生も外部講師の招聘計画や渉外、教材研究、授業準備などで相当な時間が要る。総合学習をしっかりやるのは実はとても大変なのである。

 学習のまとめのところで、「自分が障害者となったときの気持ちは?」「生き甲斐は?」といった質問が子どもから出された。これに対してゲストティーチャーは「正直ショックでしばらく外へ出られなかった。自分が障害者になってはじめて障害者への差別的な心が自分にもあったことが分かった・・・」と。なんとすごい学習だろうと思った。子どもたちは純粋な気持ちでこの言葉を受け止めているにちがいない。子どもたちはこの一連の学習を通して、人として生きていくうえで大切なことをたくさん学んだと思う。総合学習のねらいがここにあることは言うまでもない。


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観光立県と教育-一般質問から

2008年10月02日 05時49分22秒 | インポート

 一般質問1日目(30日)、自民党の西野将俊議員の「観光立県の実現に向けた取り組みについて」の質問の中で、「観光立国実現に伴う子どもたちへの教育」に関して提案があった。「観光立国推進基本計画」の目標の一つに「地域の魅力や観光の意義等に関する子どもたちの理解を増進する」ために教材の普及を促進することが書かれており、兵庫県でも先進県の事例を参考にして副読本を作成してはどうか、というものである。

 「地域の魅力」を子どもたちに学習させることは小学校の社会科や総合学習で取り組まれているが、「観光の意義」については聞いたことがない。西野議員に沖縄県と宮崎県が作成している教材(副読本)を見せてもらったが、まさに地域の魅力が紹介され、観光という視点からの学習ができるように内容が構成されている。特に宮崎県の場合は、9時間計画で構成され、子ども自身が主体的に観光に関わっていけるよう工夫されていた。

 観光という視点から、ふるさとの魅力を見直す、その価値を再発見するという学習機会を設けることは子どもにとってもよいことだと思う。さらによさや価値を発掘していこうという主体的な態度に向かわせることもできる。自然や歴史、伝統文化などさまざまな視点から地域のよさや価値を見いだし、観光という視点からそれらをどう外に向かって発信していくか、自分に何ができるかを考えさせることができればすばらしいことではないかと思った。

  


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代表質問

2008年10月01日 05時55分07秒 | インポート

 今日(29日)は代表質問。10時開会。トップを切って自民党の石川憲幸議員が代表質問に立った。

 質問は7項目9問。

1.行財政構造改革推進について(1)推進方策の評価と推進に対する知事の決意(2)兵庫県の未来像について(3)兵庫県経済の活性化について、2.地方分権の推進について、3.環境対策の推進について、4.地域医療の推進について、5.大阪国際空港の今後のあり方について、6.道徳教育の推進について、7.地域と連携した交通事故抑止対策について

 石川議員は、自民党林業議員連盟で視察したスウェーデンの例を示しながら、地方分権、環境対策について成熟した地方分権社会のあり方、地球温暖化対策等について、兵庫県の取り組むべき方向性を質した。また、兵庫県の道徳教育の充実について、現在策定中の「兵庫県教育振興計画」に方向性や手段などを明記するとともに副読本を作成するなどして実践していく必要があると主張した。これに対して吉本教育長は、道徳教育の充実については、「指導の重点」においても掲げて取り組んでいるが、現状は各学校現場においてはカリキュラムの未整備や副読本、資料不足など体系的指導面で課題があると述べ、具体的な指導マニュアルの作成の必要性があると答弁した。

 道徳教育は「道徳の時間」だけでなく、全教科の学習やその他の活動など、あらゆる教育活動を通して行われるものとされている。その核となるのが「道徳の時間」だが、年間カリキュラムは各学校で作成され、学習に使用する資料も各学校で準備するようになっており、他の教科のように教科書がない。カリキュラムにそって題材を選び、資料を準備し、授業の組み立てを考えて実施する。もちろん児童・生徒の実態を把握してこれに合った題材、ねらい、資料などを考えなければならない。実際には担任の先生がその指導にあたっているわけで、カリキュラムが整備されていなかったり、資料が不足しているとすれば、苦労しているはず。教科書、指導書を作成し、「道徳の時間」をまず充実させることが、道徳教育の充実につながる。


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