2月6日、加東市やしろ国際学習塾(加東市上三草)において、北播磨ブロック知的障害者(児)保護者研修会が開催された。北播磨5市1町から保護者の皆さん約90人が参加して講演やパネルディスカッションなどを通して研修を行うという会である。
講演は「障害者も社会の一員。支え共に生きる社会の実現に向けて」と題して、藤井茂樹さん(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所)が障害者が生まれ育った地域の中でその人らしく豊かに自立した生活が過ごせるように支援システムをどうつくりあげていくかといったことをこれまでの実践をもとに楽しく話された。
障害者自立支援法が施行されてもうすぐ3年が経とうとしている。この法律では障害者の就労支援の事業を盛りこんでいる。兵庫県においても障害者就労支援計画がつくられ、さまざまな事業が推進されている。県が率先して知的障害者を短期雇用する事業では、北播磨県民局でも取り組みが行われている。元気で一生懸命仕事に取り組まれ、次第に職員、職場にもなじんでいかれたようである。また、職員にとっても障害者と一緒に働くということで意識改革や具体的なイメージづくりの機会にもなりよい効果が出ているということだ。
企業の障害者の法定雇用率1.8%はまだ達成されていない(19年度兵庫県は1.75%)。障害者を雇用している企業は55%、未達成企業約1000社の6割は1人も雇用できていない状況だ。全国の雇用対象となる障害者は約360万人でそのうち知的障害者は34万人。現在の深刻な経済状況のもと、障害者の就労はますますきびしくなっている。昨年末から出勤日調整や委託作業減、あるいは単価の低いものへの移行といった傾向がでているようだ。
藤井さんは、障害者が生まれ育ったこの地域で自立した生活を実現していくためには、就労、独立生活へのチャレンジを支える環境整備が必要だと指摘し、「福祉の滋賀」の発達支援システムの事例を示しながら、「誰もがともにいきるまち」の実現にむけて次の5点を挙げた。1.生まれてから大人になるまで、一人ひとりの成長を応援 2.働きたい気持ちに応える 3.住み慣れた地域でいきいき暮らせる 4.みんなが支える 5.すきまなく、みんなが担う。北播磨というすばらしいこのふるさとで障害者が安心して暮らしていけるように保護者のみなさんと「手をつないで」努力していきたい。
午後のパネルディスカッションには参加できなかったが、家族が大好きなクッキーと小物入れを買って帰った。