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百聞百見

ふじもと百男の政治活動日記

子育てを考えた一日-子育て応援ネット交流大会とじぞうまつり

2010年08月23日 05時11分50秒 | インポート

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     21日(土)夕方、加東市上田の正覚坊保育園では恒例の「じぞうまつり」が行われた。例年は保育園の庭で行われるが、今年は猛暑を避けて第一部の儀式や歌などは、冷房のきいた園舎の中での実施となった。正面にはおじぞうさまのお姿が描かれた絵が掲げられ、園長先生のお話、園児代表による献灯献花献水の儀式からじぞうまつりが始まった。

 子どもも保護者も浴衣姿。「日本の風情、文化を伝承するよい体験」との考えから続けられている。まつりには、この春に卒園した小学1年生も出席し、園歌を歌って成長した姿を見せてくれた。おじぞうさまへの感謝の気持ちをこめて歌や踊りを披露した。みんなにこにこ笑顔で一生懸命に歌っていたのが微笑ましく思えた。

 情操教育の重要性は言うまでもないが、幼児期にこうした落ち着いた雰囲気の中で、おじぞうさまに感謝の気持ちを献げて歌ったり踊ったりすること、そして、親や家族や地域のみんなの温かいまなざしに見守られているということを実感する機会を持つことが、まさしく情操を豊かにしていくことだと思った。

 同じ日の午後は、加西市健康福祉会館(ラヴィかさい)で開催された「北播磨地域子育て応援ネット交流大会」に出席した。兵庫県自治賞、こうのとり賞、くすのき賞の表彰に続いて、講演、講義、事例発表が行われ、子育てをめぐるさまざまな課題や活動について考える機会をもつことができた。

 今回は、主催者挨拶の中でも児童虐待の問題が大きく取りあげられ、家族の絆、地域の絆の大切さが強調された。会場の各団体の参加者もそうした言葉に大きく頷いている姿が目についた。甲南大学の森茂起先生は、表に出てくる虐待はもちろんだが、虐待に至らないまでも食事をまともに与えられていないなど、一般家庭の子育ての力、養育力が弱っており、そのために、情緒不安定、落ち着きのない子どもが増加する傾向にあると述べられた。しかし、一方で、確かに家族や地域の絆は大切なのだが、親子の絆の強化といったことが却って負担となるケースもあると指摘され、生育過程の中で不安定な親子関係があったような場合、ちゃんとした子ども時代を未経験のまま親になっているといった場合、絆の強化は負担となってしまうことになる。むしろ負担の軽減すなわち適度な距離をもつこと、社会による子育て、地域の親としての役割といったことに子育ての力点を考えていくことも大事だと述べられた。

 小堀徹(兵庫県中央こども家庭センター育成支援課長)氏の講義でも、児童虐待について、自分は愛されない、愛された経験がない、愛せないという循環が世代を超えて虐待につながっていくといった話があった。人を愛すること、周囲におもいやりのやさしい心をもつこと、そうした感情、こころの発達は親を通じて身につけていくものであるというという話もあった。まさに今、あらためて親学び、親学といったことの大切さが叫ばれる所以だ。

 その夕方、正覚坊保育園での「じぞうまつり」で子ども、親、家族の笑顔に感じたぬくもり、ありがたさ、よろこび、そして、祈りや言葉、笑顔、歌声のある環境がいかに大切なものかを実感した。

 

 


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ふるさとの夏まつり-絆が深まる

2010年08月17日 10時10分27秒 | インポート

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   お盆の期間を中心に各地で夏祭り、盆踊りがさかんに行われている。市全体の大きな夏まつり、そして、福祉施設や各地区(集落)で行われる夏祭り、盆踊りなどがある。

 各地区で行われる夏まつり(盆踊り)に出かけていると、それぞれその地区の特色や住民の皆さんの心意気などが感じられる。会場も、神社や寺の境内、地区の公園やグラウンド、駐車場などさまざまだ。境内は狭いけれども趣があるし、公園やグラウンドには照明設備や公衆トイレもあって便利だ。運営は区長さん、役員さんを中心とした実行委員会方式が多いが、そこに女性部(婦人会)、老人会、子ども会、消防団、PTAなど地区内のさまざまな団体が加わってまつりを盛り上げる。

 ある地区では、女性部の皆さんが朝から出てちらし寿司、稲荷寿司をつくってふるまっておられた。また、地区の中学生が金魚すくいやジュースなどの出店を担当して小学生や小さな子どもたちの面倒を見ていたり、老人会が本物の金魚すくいを出していたり、といった具合だ。ラーメン、たこやき、やきそば、フランクフルト、ジュース、ビールなどの夜店の定番はこうした諸団体が腕をふるう。旧住民も新住民も、そして里がえりの人たちも世代をこえて夏の夜のまつりを楽しむ。

 踊り手もいろいろだ。踊りの会の人たちが各地区をまわって踊っておられる。地区の各隣保から割当で出ておられるところもある。普段着姿の若い人が見よう見まねで踊りの輪に入っている。地区によっては子どもの踊り手が多いところもある。昼間の暑さは夜になっても引かないので、一踊りすると全身汗だくになる。しかし、それがまた爽快だ。踊りの合間にお楽しみのビンゴゲームでさらに盛り上がる。普段出会うことの少ない人とも話が弾む。

 9月1日までまだまだこうした行事が続く。朝のラジオ体操、夜の盆踊り。一日二回爽快な汗をかき、人と人との出会い、縁、絆を深めることのできる夏。出会いを大切にしていきたい。


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あっぱれ!東条ジュニア全国優勝

2010年08月15日 15時22分51秒 | インポート

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    8月14日(土)、加東市多井田の夏祭りに出かけた。会場で区長さんであり教育長さんでもある藤本先生から、「やりましたよ。東条ジュニアが全国優勝ついにやりました」との喜びの知らせを受けた。思わず「やりましたね!」と声をあげて周囲の人たちと喜んだ。上中の盆踊り会場でも関係者の人から「やったで!」という喜びの声を聞いた。

 13日(金)、加東市貞守地区の夏祭りで、子ども太鼓の披露があったが、2人のメンバーが東条ジュニアバレーのメンバーとして上京している、という話を聞いていた。優勝する!という目標をもって頑張ってきたんやから最後までいってほしいものやといった期待の声を聞いていた。

 そして昨夜の吉報。今朝から関係者の電話もあった。読売新聞には大きく「初出場V!」の見出しと写真が出ていた。本当にすごいことだ。週6日の猛練習を重ねて、全国優勝を目標に頑張ってきて、それを実現したんだから。

 東条フレッシュママさんバレーの開会式で東条ジュニアの全国大会出場、社高校男子バレーの全国総体出場を挨拶の中で言わせてもらった。社高校も沖縄で決勝リーグに進んだ。そして東条ジュニアは優勝。郷土の小学生、高校生が全国の舞台で大健闘を見せてくれた。本当に嬉しく、誇らしく、元気が出てくるニュースだ。(掲載写真は15日付読売新聞より)


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加東市で北播少年親善野球大会-26チームが出場

2010年08月14日 04時27分52秒 | インポート

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 13日(金)、加東市河高の多目的グラウンドで第29回北播少年親善野球大会の開会式が行われた。北播磨各地から26チームが出場し、元気のよい入場行進を見せてくれた。

 北播の少年野球チームのレベルは高く、県レベルの大会で上位を占めることが多い。連盟の役員さんもそうしたことを誇らしく語っておられた。今日から3日間、市内のグラウンドや球場を会場にして熱戦が繰り広げられることだろう。

 蒸し暑い中行われた開会式では、気分の悪くなる選手も出たが、すぐに元気を取り戻していたようだ。猛暑の中で鍛えてきた技と築いてきたチームワークで優勝めざしてがんばってもらいたい。


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『日本の民主的基盤形成の探究』発刊-藤井徳行先生編著

2010年08月10日 07時13分42秒 | インポート

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   兵庫教育大学大学院の指導教官であった藤井徳行先生(同大学名誉教授)の編著になる『日本の民主的基盤形成の探究』(法律文化社)が発刊された。藤井先生のご退職記念論集として発刊されたものだが、小生も弟子の一人として小論を書かせていただいた。

 第Ⅰ部「前近代・近代日本の民主主義の潮流」の第四章「地方新聞に見る第一回総選挙-兵庫県第二区と第四区について」である。大学院の修士論文の続きとして、兵庫県における第一回総選挙について、当時の地方新聞等を主な資料として実態を明らかにしようとしたもので、これまで、一区、六区、七区について論文を発表してきた。残りの選挙区についても機会があれば発表していきたい。

 藤井徳行編著『日本の民主的基盤形成の探究』法律文化社・2010年7月5日発行 310頁 6500円

 


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三世代ゲートボール

2010年08月08日 05時20分59秒 | インポート

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  7日(土)、加東市のサイエンスパーク(工業団地)の一画にある第3グラウンドで、三世代ゲートボール大会が開かれた。5回目を迎えるが、市内各地域から16チームが参加した。ちょっと少ないような気がして関係の人に尋ねてみると、7日なので地区によっては墓地掃除と重なったのか、ゲートボールをやる人が少なくなったのか、いずれにしても例年より少ないのは確かだった。

 おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、そして、小中学生の3世代がチームを組んで出場している。ふだん、家の中でもすれ違いで食事や会話も一緒ではなくなっているというのが現状。こうしてゲートボールを通じて家族や地域の絆を深める機会があることは大切なことだ。2年前のことだが、この大会に向けて炎天下、地区のグランドで練習をしているところに立ち寄ったことがある。子どももお父さんも暑さにまいってしまっtが、おじいさんだけは元気そのものだった。「わしらは鍛え方がちがうもんな。冬でも夏でもやってきたわ」と大笑いしながら話されていた姿を今もよく覚えている。しかし、そのお方も今年急逝された。

 近頃は児童虐待、高齢者虐待、親殺し、子殺し、介護疲れの末に・・・といった悲しい事件の報道を目や耳にすることが多い。100歳以上の高齢者の行方不明もそうだ。無縁社会というぞっとするような言葉も現実感がでてきた。今日、こうしてチーム数は決して多くないが、三世代が一緒にゲートボールを楽しむ光景が本当にありがたく、貴重な光景に思えた。


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東条湖に花火の花-加東夏のおどり

2010年08月07日 05時32分57秒 | インポート

 4日(水)、猛暑の続く今夏も、東条湖畔で「加東市夏まつり」が開催された。

 合併前は旧町毎に夏祭りが行われていたが、合併後統一され、今では東条湖畔(加東市黒谷)の特設会場での開催が定着してきた。何といっても湖上の8合玉の花火が売り物だ。市内各地から送迎バスが出ており、滝野、社地区からも多くの人出、踊り子が詰めかけた。「加東よしよし音頭」を嶺陽子さんが歌い、各地区や職場の踊り連が輪をつくって踊る。会場をぐるりと取り囲んだ夜店も賑わい、商工会青年部の桃シュークリーム、山田錦のハンバーガーも売り出されている。今年は1500発の花火が夏の夜空いっぱいに花を咲かせた。デジカメを忘れて映像に残せなかったのが残念。連合婦人会や市議会の議員連などの連に飛び入りで踊る。踊りながら見上げる大花火はまさに夏の夜の醍醐味だ。


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三草スポーツ少年団の快挙-県軟式野球選手権

2010年08月05日 06時02分55秒 | インポート

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 3日(火)、午前8時すぎ、スカイマーク球場に「三草スポーツ少年団」の勇姿があった。平成22年度「あかふじ米・第23回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会」の準決勝、決勝戦が行われる。神戸での会合の前に、球場に立つ三草ナインを激励したい思いで駆けつけた。

 チームと一緒に一塁側のベンチに道具を運び込み、試合前の練習をみた。これまでスタンドから球場ををみることはあったが、ベンチからスタンドやフィールドをみるのは初めてだった。大人でも興奮しているのに、子どもたちはそのようには見えなかった。いつものように声を掛けて練習を始めた。この平常心が彼らをここまで連れてきたのだろう。

 会合が終わりそうな昼前、携帯電話に準決勝を見事に勝ち抜き、決勝戦に進んだという連絡が入った。まさに快挙だ。監督さんは「ここまで連れてきてもらったと思っている。すごい子どもたちや」と話していたが、自分も中学の女子ソフトボール部の監督をしていた当時、よくそう思っていた。子どもを信じて全員全力でぶつかるしかないのだ。

 結果は準優勝だった。しかし、みんなが子ども達に勇気と自信、誇りをもらったように思う。準優勝おめでとう!


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人権教育研究大会と「わかあゆまつり」

2010年08月04日 07時28分55秒 | インポート

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   7月31日(土)、第57回兵庫県人権教育研究大会東播磨大会が加東市の兵庫教育大学で開催された。また、夕方には、北播肢体不自由児施設わかあゆ園・県立のじぎく特別支援学校わかあゆ分教室の「わかあゆまつり」が開かれた。

 兵庫教育大学の講堂は満員、入りきれない参加者は共通講義棟でテレビ中継を観るという具合で始まった。開会式に続き、講演が行われた。講師は、徳島県の中倉茂樹さんで、小学校や中学校時代のいじめにあった体験や高校時代に人権集会で全校生徒の前で被差別の出身であることを告白した体験、さらには自身の結婚をめぐる差別などを語りながら、差別に負けず、差別をなくしていく運動を生き方として選んだこれまでの人生を熱く語られた。33歳という若さ、明るさ、前向きさ、何事にもめげない強さなどを感じたが、「交流が大切」という言葉が印象に残った。午後からは分科会に分かれて取り組みが発表された。

 夕方になっても暑さはおさまらない。午後6時、ちょうちんなどで飾られた加東市下滝野のわかあゆ園の玄関前駐車場は子どもや保護者・家族ら参加者が集まった。会場には加東伝の助くんも駆けつけ、子どもたちと握手をしたり写真を撮っている。夜店はカレーライス、おでん、フライドポテト、ぽん菓子、綿菓子などが並び、ゲームの店も行列ができていた。これらは職員の皆さんや市役所職員のボランティアの方々が応援している。参加者は、歌や風船をつかった芸、花火などで夏の夜を楽しんだ。ちょうどよい機会だったので、上田園長さんからわかあゆ園、のじぎく分校の施設や子どもの状況を聞くことができた。

 


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子ども会親善ドッジボール大会

2010年08月03日 04時56分32秒 | インポート

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 8月1日(日)、加東市子ども会親善ドッジボール大会が滝野総合運動公園体育館で開催された。市内の子ども会から約20チームが参加した。兵庫県ドッジボール協会から審判員の皆さんの応援を受けて、公式ルールにのっとってゲームが行われた。今回で4回目になるが、最初の頃は公式ルールに慣れないのためにゲームがぎこちなかったが、だいぶ慣れてきたように見えた。

 朝のラジオ体操のあとや夕方涼しくなってから練習をしてきたというだけあって、投げるのも受けるのもうまい。ドッジボールは私たちの世代も小学生の頃の最も熱中したゲームだ。場所取りのために朝早く登校するぐらいだった。公式ルールは遊びの域を越えて競技のために厳密になっており、見ていても戸惑うが、慣れると分かりやすい。

 子ども会活動もなかなか難しい時代になっている。少子化に加えて、子どもの活動も選択肢が増えて、集まりにくい。さらに親も忙しいのか、役員になる頃には脱退ということも少なくない。そんな状況の中で、子ども達が学年を越えて遊んだり活動することは大切な体験だ。子どもは家庭で育てるのが基本だが、地域ぐるみで育てることで、子どもは人間的にも豊かな経験を積みながら成長する。


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総務常任委員会管内調査(但馬丹波地域)

2010年08月02日 05時46分50秒 | インポート

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  7月28~30日の3日にわたり、総務常任委員会の管内調査で但馬丹波地域を視察した。

 1日目、丹波から入り、京都府境に近い篠山市小田中の「篠山チルドレンズミュージアム」を視察した。廃校になった中学校の施設を活用、地域の活性化をめざしてつくられた施設である。一度訪れてみたいと思っていた施設だった。昔懐かしい木造平屋建の校舎を利用し、教室には昔の遊び道具や給食などが展示されていたり、他に図書室や遊び体験施設もつくられていた。窯や芝生運動場なども整えられて、キャンプも可能になている。開館当初に比べて入場者は半減ということだったが、新たな指定管理者のもと、年間を通してさまざまなワークショップや体験宿泊プランなども開かれ、新たな展開を目指している。ちょうど幼稚園児の団体や家族連れが来ていて、聞いてみると、最近は京都府からの来館者も多いという。チルドレン・・・だが、大人が結構楽しめる施設だなとも思った。

 篠山市街から北に向かって車で約10分もかからない山の中に丸山集落がある。12軒の古民家があり、何か昔にタイムスリップしたような美しい風景の小規模集落を視察した。丸山集落では、空き古民家を活用してレストランや農家民泊施設が開かれていた。地区では、古民家再生、小規模集落元気作戦等の補助事業を活用し、国や県の支援を受けながら地区再生に取り組んでいる。蔵を改造したレストランで、自治会長さんから苦労話などを聞いた。その後、丹波県民局での調査を行い1日目が終わった。

 2日目は、鳥取県境に近い美方郡新温泉町の山陰海岸ジオパークを視察した。館長さんの熱い説明を聞き、山陰海岸の地球的地学的価値を認識した。玄武洞や山陰海岸の奇岩などの美しさや珍しさは知っていたが、それらがもつ地質学的な価値をあらためて知ることになった。午後、香美町役場で財政状況等についての調査を行ったのち、豊岡市城崎町の「ハチゴロウの戸島湿地」を視察した。コウノトリを育む生態系の再生をめざし、湿地づくりが行われていた。ハチゴロウとは8月5日にコウノトリが飛来したことに由来する。自然の復元には、知恵と技術が必要だということを認識した。そののち、但馬県民局にて調査を行った。

 3日目は、養父市関宮町の葛畑農村歌舞伎を視察した。明治のはじめに発祥した同地区の農村歌舞伎は戦前、但馬一円を公演してまわるほど活況だったという。その後、時代の変化とともに衰退していた歌舞伎を復活し、今では子ども歌舞伎へとつなぐ活動に発展している。その地域自立活性化の取り組みの経緯、農村歌舞伎の舞台、子ども歌舞伎の練習風景などを視察した。回り舞台の下のしくみも見せてもらった。夏休みを利用して6年生と3年生の子どもが稽古をしていた。公演が終わると涙が出るほど感激するという大人の言葉が印象的だった。午後は出石の永楽館を視察し、出石まちづくり公社の取り組みや永楽館の活用などについて調査した。昔懐かしい芝居小屋の永楽館を復活し、歌舞伎や狂言の公演、さらにはカラオケ大会や文化祭など幅広く活用している。「古いものを大切にする」ことを基本にまちづくり、観光振興に取り組んできた公社の苦労の一端を知ることができた。

 但馬丹波地域では、人口減少、少子高齢化、限界集落、医療福祉等の多くの課題を抱えながら、その美しい自然と豊かな食を地域活性化にどう生かし、新たな展開を切り拓いていくかの模索が続けられている。そうした事例を現場の視察を通して実感することができた。


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