百聞百見

ふじもと百男の政治活動日記

やしろの桃園

2008年04月24日 14時36分28秒 | インポート

   Photo        1週間ほど前、抜けるような澄み切った青空の下、加東市上久米の桃園に車を走らせた。県道西脇三田線から谷あいの道に入り少し走ると、ゆるやかな傾斜の山の斜面が一面薄桃色に変わる。桃園は一種幻想的な雰囲気が漂う光景である。

 桃園に入る細い急な曲がりくねった道を登る。桃栽培農家の皆さんが時折聞こえるウグイスの鳴き声以外はまるで時のとまったかのような静寂の中で黙々と摘花作業をしておられた。枝にびっしりとついた桃の花を摘む作業は根気が要る仕事だ。枝の上についている花は摘み、一本の枝に2,3個の桃が実をつけるようにする。

 やしろの桃園は、昭和50年代半ばに山を切り拓いて栽培が始められた。今では6ヘクタールの広い山の斜面に約2400本の桃の木が植わっているという。県内では、これだけの規模で桃栽培が行われているところはないらしい。桃は「やしろの桃」として県道沿いで直売されたり、注文に応じ宅配便で発送される。

 桃の花の頃、花見に来られる人も多く、この日も老人会や女性のグループ、写真愛好グループなど多くの人々が訪れていた。しばらく桃園に身を置いていると、その幻想感はさらに深まって、「桃源郷」という桃の林のさらに奥にあるという理想郷に居るような気分になった。

 少し遅れたが、この素晴らしい風景をぜひ紹介しておきたかった。


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縄文土器に圧倒される

2008年04月23日 05時37分16秒 | インポート

Photo  兵庫県立陶芸美術館(篠山市今田町上立杭)で「縄文-いにしえの造形と意匠-」(3月15日~6月1日)が開催されている。ようやく時間ができたので、新緑のまぶしい372号線を立杭に向かって車を走らせた。

 縄文土器には人を惹きつける独特の魅力がある。中学校で社会科を教えていたときも縄文時代の指導には力が入ったし、生徒も興味をもって学習していたように思う。レプリカだったが縄文土器や土偶を持たせて縄文人の生活を想像させたりしたことを懐かしく思い出しながら美術館へ向かった。

 展示室に入ると、縄文土器の存在感に圧倒された。これまでレプリカや写真資料などで見慣れた縄文土器もあるが、まったく初めて遭遇する形の土器も数多く展示されていた。縄文土器といえば、表面の縄文紋様、そして火焔式などの大胆な装飾が特徴である。今回の展示品にはそうした縄文土器に加えて、大皿や急須のような形のもの、人面の模様や狩りのようすが描かれたものなど私にとっては本当に初めて目にするものが多く展示されていた。

 展示品は長野、群馬、青森、新潟といった甲信越、東北地方の遺跡から出土したものが多かった。中でも、私の印象に残っているのは青森県八戸市の是川中居遺跡出土の縄文晩期の土器で、色は黒く、形、紋様ともに現代の陶芸作品かと見間違うほどの感じを受けるものだった。

 兵庫県では今姫路菓子博が開催され毎日大勢の観光客で賑わっているが、少し足をのばして丹波の陶芸美術館にも来てもらいたいと思った。

 


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うれしの生涯大学が開講

2008年04月22日 12時40分14秒 | インポート

Cimg2345  4月22日(火)、加東市下久米の県立嬉野台生涯教育センターで平成20年度「うれしの学園生涯大学」(兵庫県地域高齢者大学4年制大学講座・地域活動実践講座)の開講式が行われた。

 「うれしの学園生涯大学」はその前身である「うれしの老人大学」以来36年の長い歴史を誇る高齢者大学で、3000人を超える卒業生がある。今年も4年制大学講座には73人、地域活動実践講座には28人の入学者を迎えている。県の財政難で今年から受講料が5倍の年間1万5千円に値上げになっているなかで、多数の応募があったことにあらためて生涯学習・高齢者の学習の場の必要性を実感した。

 式場となった講堂は在校生・入学生で一杯。聞くところによれば9時30分受付開始にもかかわらず、8時過ぎには来場の姿があったとか。如何に楽しみにしておられるか、意欲と向学心の高さに敬服する。

 式に先立って「ひょうごさわやかステージ」が開かれ、加古川出身のシンガーソングライター、コトリ木(藤木信希ふじきしの)さんのさわやかな歌声を聴いたり一緒に歌ったりこころ和むひとときを過ごした。

 式は国歌斉唱から始まった。卒業式もそうだったが、やはり高齢者の皆さんは声に張りがある。儀式はしっかりとした歌声の「君が代」斉唱で始まるのがよい。安積所長の式辞のあと、来賓として臨席の県会議員を代表して地元加東市選出議員として祝辞を述べる機会を与えていただいた。

 祝辞では、嬉野台地には幼稚園から小中学校、高校、そして大学、大学院まで揃っており、日々4000人を超える老若男女が学んでいる。年齢的にはその最先端に生涯大学があり、いわば生涯学習社会の先頭を歩んでいるともいえる。この生涯大学での学びにおいて、これまでの人生で身につけられた様々な知識や技術、あるいは経験にさらに磨きをかけて、豊かな人生の創造と地域づくりの牽引役としての活動を展開していっていただきたい云々と申し上げた。

 また、祝辞の中で、となりの県立やしろの森公園で「コバノミツバツツジ」と「やまつつじ」の違いを初めて知ったことを紹介し、「知る」ということの感動はいくつになっても変わらないことをお話した。生涯大学での学びで新しい自分、友人の発見と感動を得ていただきたい。そのことを祈念するばかりだ。

 それにしても嬉野の野山がもっともエネルギーにもえあがる好季節だ。ソメイヨシノが散り今は八重桜が満開。そして新緑の林の中にコバノミツバツツジがピンク色の花でアクセントをつけてくれている。ぜひ、多くの皆さんに一度この豊かな嬉野の自然を体感していただきたいと思う。


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やしろの森公園のつつじ祭り

2008年04月14日 10時31分59秒 | インポート

Cimg2288  13日(日)、加東市上久米の県立やしろの森公園で「第7回つつじ祭りinやしろの森公園」が開催された。「つつじ祭り」は公園の森全域に自生しているつつじが紫がかったピンク色の花をつけるこの季節に開かれる。

 やしろの森公園のある加東市の中央部に広がる嬉野台地の森には、新緑の季節を迎える前につつじがあちこちに咲いて私たちの目を楽しませてくれる。公園の中を巡る散策道の両側の森には、よく手入れされ、太陽の光が入りこむようになっているところにピンク色のつつじの花がいっぱい咲いている。案内して下さった公園協会事務局長の中川さんの話では、手入れをして光がほどよく入るようにしたところのつつじの木は元気をして多くの花をつけるらしい。

 ところで、私はこのピンク色のつつじを「やまつつじ」と思っていたが、実はそうではなかった。このピンク色の花をつけているのはコバノミツバツツジ(小さい葉を枝先に3枚つけるのでこの名がついたらしい)というそうだ。では「やまつつじ」はというと、もうすこしオレンジ色の花をつける背の低いつつじで、かつて嬉野が一面の松林だった頃にはいっぱいあったようだが、今はほとんど見かけないという。私はてっきりコバノミツバツツジを「やまつつじだ」と思っていたし、少なくとも私の周囲の人もそう思っていたはずだ。ああ、知らなかった・・・。兵庫教育大学の附属学校園の校章はこのやまつつじの花がデザインとして使われている。これまで生徒にはあのピンクの花がやまつつじだと教えてきたのに・・・。

 「やしろの森公園」には里山の自然とこの地域の田舎暮らしの原型が保たれている。詳しい内容はこれからも機会をとらえて紹介していこうと思っている。中川事務局長の説明を聞きながら公園を一巡りした。「春の女神」ギフチョウが私たちのそばを横切って飛んでいった。里山の衰退とともに絶滅の危機に瀕しているギフチョウが飛んでいる、ということはやしろの森公園のめざす里山の保全と創造が実現しつつある証拠だ。

 


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自民党加東市支部総会

2008年04月13日 15時57分40秒 | インポート

Cimg2228  4月12日(土)、滝野文化会館研修室で、党員約60人が出席して自由民主党加東市支部第1回通常総会が開催された。

 加東市の誕生を受けて、旧加東郡の社町、滝野町、東条町の3支部が解散し、新たに加東市支部として出発のが昨年1月。それから1年余りが過ぎ、今日、20年度の通常総会の開催となった。

 この1年を振り返ると、4月の統一地方選県会議員選挙において加東市選挙区で8年ぶりに自民党県会議員誕生を勝ち取ったものの、7月の参議院議員選挙では自民党が歴史的大敗。さらに安倍首相の突然の辞任、福田政権の誕生と国政は激動。その後は年金記録問題や道路特定財源問題などを巡って国政は停滞し、地方政治も大きく混乱した状態が続いている。

 福田総裁は「立党以来最大の危機」とこのきびしい状況を表現しているが、このようななかで、加東市支部は地域支部としてより力強い活動、組織の活性化と拡大を目指して、新しい発想と活動で状況打破を図っていかなければならない。そのことを通して新しいふるさとづくりを推進することができるはずである。今日の通常総会を加東市支部の新展開の起点となすべく、出席者全員が決意を新たにしたところだ。

 総会後、隣接の県立播磨中央公園の桜の園で弁当を開き、懇親をはかることができた。そめいよしののピークは過ぎていたが、まだまだしっかりと花がついており、薄いピンク一色に包まれて心も軽くくつろいだひとときになった。


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国歌「君が代」斉唱

2008年04月10日 19時47分42秒 | インポート

 この季節は、卒業式や入学式に出席し、国歌「君が代」を歌う機会が多い。「国歌斉唱」「君が代」斉唱、国歌「君が代」斉唱など式次第での書き方はさまざまだが、式のはじめに全員が斉唱をする。式場の正面には国旗が掲げられているので、来賓は正面中央の国旗の方へ体を向き直し斉唱をする。しかし、中には国旗の方を向かない人もおり、そういう人はたいてい歌も歌っていないようだった。

 ピアノ伴奏で国歌斉唱をするが、ふつう、はじめの一節が演奏され、さあ、という感じで「きみが~よ~は~」と歌い始める。ところが、2校でそのはじめの一節がないまま伴奏が続いたために、歌い始めが混乱してしまった。せっかくの国歌斉唱なので少し残念だった。

 出席した卒業式、入学式の中で一番素晴らしい歌声、大きな声で国歌を斉唱していたのは兵庫教育大学附属小学校だった。あんな素晴らしい歌いっぷりの国歌「君が代」はこれまで聴いたことがない。まさに感動の国歌斉唱だった。附属小学校は表現力の育成に力を入れているとは聞いていたが、卒業式でその成果は十分すぎる程発揮されていた。

 その一方、大阪府門真市の中学校の卒業式で、一人の男子生徒を除いて卒業生が起立しなかったということが4月はじめに新聞で報じられた。担任の教師が「君が代を歌っても歌わなくてもよい」「立たなくてもよい」といった指導を事前にし、なおかつ式では教師も立たなかったという。この報道の中で、たった一人起立し君が代を歌った男子生徒がいたことに感動した。しかし、こんな偏向教育が今も平然と行われていたことにあらためて驚きを禁じ得ない。最近は何でも学校に文句をつける保護者のことばかり話題になっているが、先生のこうした指導はもっと非常識で深刻な問題である。「内心の自由がある」などと言って、あたかも君が代を歌わないこと、起立しないことが思想的自由を守る行為であるかのような指導を「教育」だと思っている教師。国旗国歌法の制定、学習指導要領における国旗、国歌の取扱い等をいったいどう受け止めているのか。

 文科省は小、中学校の新しい学習指導要領と幼稚園教育要領で国歌君が代を歌えるように指導することを明記した。私は単に歌えるということではなく、子どもたちがこの君が代を自信と誇りをもって歌えるように指導してもらいたいと思っている。今でも附属小学校の子どもたちの感動的な国歌君が代斉唱が耳に残っている。


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ペットボトル除草剤混入事件

2008年04月10日 07時17分55秒 | インポート

 4月8日、鴨川小学校の素晴らしい入学式とは対照的な衝撃的な事件のニュースが市内を駆けめぐった。加東市内の大手スーパーで買ったペットボトルに除草剤のグリホサートが混入していたらしく、飲んだ女性が入院した。このグルホサートは東京でも同じような事件が起きていたことから、テレビでも大きなニュースとして報じられた。

 日常よく買い物に行く店、買って飲んだことのあるお茶のペットボトル、その中に毒性の除草剤が混入していた・・・。そんな事件が身近に発生したことから、市民の間に大きな不安が広がったのも当然だ。テレビのニュースによく知っている店や警察署の建物が映し出されるたびに食い入るように見てしまう。外に出ても話題は事件のことばかり。その後の報道によれば、何者かが除草剤を混入したペットボトルを棚に置いた可能性もあるという。もしそうなら無差別に危害を加えようとするものでその行為は許せない。

 最近、国民の間に治安の悪化を感じている人の割合が85%をこえているという調査結果が新聞に報じられていた。町村部ではさらに90%という際だった数字があがっている。そんな中で起きた今回の事件だ。自分や家族、身近な人が犯罪の被害者になるかもしれないと感じる人が多くなっているということである。最近の事件報道でも、「誰でもよかった。人を殺したかった」などという無差別殺人の動機を耳にすることが多い。

 9日(水)夜、事件捜査で慌ただしい兵庫県社警察署で加東防犯協会の設立総会が開催された。防犯協会は地域の安全安心を地域住民が警察と協力しながら実現していこうとする組織である。今回、小野・加東防犯協会として活動してきたが、それぞれ独立してより地域に密着した活動を展開しようということになったものだが、その設立総会が衝撃的な事件発生の中で行われたことは今の日本の治安の悪化状況を象徴しているかのようだ。国民は体感治安の悪化を感じながらも警察への信頼は7割を超えている。防犯協会こそ地域の安全安心を守っていくために警察と住民をつなぐ重要な役割を果たしていく組織である。顔と顔が見え、声と声が届く地域住民同士のつながりの再生が地域の治安をよくしていく基盤になると信じている。


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入学式で校長先生の全校授業

2008年04月08日 19時31分42秒 | インポート

Cimg2175_3  加東市立鴨川小学校の入学式に出席した。昨日の雨は上がったものの空模様はまだすっきりしない。楽しみにしていた樹齢百年と言われる校庭の桜の老木はどの木もほぼ満開になっているのに、残念ながら日の光がない。

 在校生23(24だったかもしれない)人、10人の先生方、そして校区の役員さん方をはじめ、副市長、市会議員、中学校関係者の皆さんなど来賓に迎えられ、式場に入場してきた新入生は一人の男の子だった。鴨川小学校135年の歴史始まって以来初めての「新入生一人」の入学式。担任の先生と一緒に式場の正面ま真ん中の席に座った新入生の男の子。在校生席の後ろの保護者席のご家族も少し不安そうに見つめる。

 国歌斉唱、新入生紹介に続いて、校長先生の式辞が始まった。それまでかちかちに固まっていた感じの男の子だったが、一言一言ゆっくりはっきりとしかもやさしく話される校長先生の笑顔に思わずにっこり。「よかった」と思っていると、校長先生は演壇から男の子のところへ近寄って行き、「これから今年最初の全校授業を始めます」と一言。

 そして、男の子と在校生が対面する形で向き合い、校長先生が在校生に向かって質問する形式で授業が始まった。「鴨川小学校の自慢を紹介してあげて」「自分が一年生の時のことを話してあげて」などいくつかの質問を投げかけると、在校生は次々と挙手して、「自然がいっぱいあるよ」「わからないことがあったらみんなに聞いて」などとしっかり発表していった。

 小さな山の学校のたった一人の新入生を迎える入学式が校長先生の全校授業という企画で素晴らしい入学式になった。新入生の男の子もそして保護者の方もその顔はニコニコ。きっと学校生活への不安は消し飛んだことだろう。

 校長先生はじめ先生方にもたった一人の一年生を受け入れることについてはいろいろなプレッシャーもあるにちがいない。しかし、それ以上にこれを契機にさらに鴨川小学校の教育をよくしていこうという意欲と情熱に燃えておられることが今日の入学式で伝わってきた。

 式が終わり、玄関を出ると運動場が白く光っていた。見上げると式の間に空も晴れ、まぶしい春の陽が差していた。そして今年も鴨川小学校の桜の古木に満開の桜花が光っていた。

 少子化が進み、全国的に学校の統廃合が行われている。加東市内でも小学校へ上がる子が一人もいない地区も少なくないと聞いた。式に出席された地元の区長さんの「小学校は私たちの地域のシンボルだから守っていく」という言葉が重く心に残った。幸い来年は鴨川小学校に10人ぐらい入学してくる予定という。豊かな自然と古い歴史に包まれた環境抜群の鴨川小。この小さな小学校で展開される教育に「ふるさとを愛し地域を守っていく人材の育成」を期待し応援していきたい。


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