4月29日。「昭和の日」になって3年目。その前は「みどりの日」。昭和時代は天皇誕生日だった。平成17年の「国民の祝日に関する法律」の改正で、4月29日は「昭和の日」となり、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。」日とされ、平成19年に施行された。「みどりの日」(自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ) は5月4日に変更となった。
加東市社の地域づくり協議会が開催した今昔写真展では昭和時代の社地区の姿を記録した写真が数多く展示され、昭和時代を顧みるよい機会となった。また、社の市街地には国旗が掲げられ「昭和の日」を祝う雰囲気が出ていた(写真)。祝日に国旗を掲げる家が少なくなっているが、社商店街では祝日等に街路灯に各2本の国旗が飾られる。こうしたことが続いている町は少ないと聞いている。
しかし、メディア等でも「昭和の日」の趣旨に沿った報道は殆どなく、行楽やイベント、そして事件報道ばかりで、要するにただの休日という扱いになってしまっているように感じた。私はこの日出席した会の挨拶の中で「昭和の日」について、昭和天皇の終戦の御聖断、占領時代に始められた全国御巡行、そして天皇誕生日のお言葉等にふれて国民と共に苦難の道を歩まれた天皇のことを偲ぶとともに、今上陛下の御在位20年と御成婚50年の佳き年を迎えることができることを国民として喜び感謝したいということを述べた。そうしたことを子どもたちにも伝えていくことが大事だと思う。戦後世代が人口の4分の3を超え、戦後世代も3代目に入りつつある。現在の日本のさまざまな課題、そして将来の日本を考える上で昭和時代の日本を抜きにすることはできない。とりわけ、戦争、敗戦、占領をもう一度しっかりと見直しておく必要があると思う。4月28日は昭和27年、サンフランシスコ講和条約の発効で占領が終了し独立を回復した日である。この2日間を連ねて「昭和時代」を考える日にしたいものだ。