26,27日の2日間、自民党県議団政務調査会で警察・建設部会合同の管外調査(新潟県)に参加した。26日朝の新潟空港は雪が降っていた。雪国でも3月末の降雪は珍しいということであった。その中を県庁へ。
県庁では、北朝鮮による拉致事件に対する取り組みについて県議会、県当局から説明を受けた。当局の説明の中で特に関心を持ったのは、県内小中学校や高校で拉致問題を扱った映画の上映等を人権学習の一環として行っていることで、拉致問題を国家主権、人権の侵害であるとして教育の中に位置づけて行っていることだった。
午後は北陸地方整備局へ。緊急対策本部で説明を受けたのち、市内信濃川に架かる萬代橋、昭和大橋、柳都大橋等の地震対策を調査した。昭和39年の新潟大地震で橋桁が落ちた昭和大橋の映像は当時小学生だった私の目に今も焼き付いている。橋脚が補強されていたが、地震当時の橋脚が曲がったまま立っているが生々しく感じた。コンベンションセンターメッセ朱鷺の展望台からは信濃川河口に広がる新潟市内とその先の日本海、さらに佐渡島が意外な近くに見ることができた。それにしても市内の土産物売場はNHK大河ドラマ「天地人」一色だった。
調査2日目の27日、午前中は新潟西港の中央埠頭に停泊中の第九管区海上保安本部の巡視船「えちご」に乗船し、船内調査を行った。「えちご」は3000㌧クラスの大型巡視船でヘリコプター1機を搭載している。20ミリバルカン砲、35ミリ機関砲、操舵室などを見学、説明を受けた。同じ埠頭には平成13年の東シナ海不審船事件の教訓をふまえて建造された最新号のウォータージェットの巡視船「ひだ」も停泊していた。その後、第九管区海上保安本部に移動し、業務について詳しく説明を受けたが、管轄海域の日本海は周辺諸国とのきびしい状況下にあり、また、同じ日本海に面する兵庫県(第八管区)にとっても大いに参考になり、日本の海を守る海上保安庁の果たす役割の重要性を再認識することができた。
調査の最後は、東京電力柏崎刈羽原子力発電所。平成19年に起きた新潟県中越沖地震で火災や原発の安全性が大きな話題になった原発である。その後周辺の活断層が調査され、耐震強化工事が進められている。今回の調査では原子力発電所の地震対策、テロ対策等の安全対策を直に調査することが目的だった。概要説明を受けたのち、ヘルメット、作業服に着替えて所内を移動、4号機を見学した。所内の各所で先の地 震の際に起きた地盤沈下などの被災状況とその後の修復されたあとの現状を見ることができた。原子炉は45メートル掘り下げた固い岩盤に設置されている。これで揺れは3分の1程度になるという。また、中央制御室では地震が発生したときに原子炉を安全に停止するシステムの説明も受けた。先の地震では冷静な判断で安全に停止ができたということだった。