12日午後、兵庫県議会自民党農業振興議員連盟・農政環境部会によるJA兵庫南の加古川市域の2ヶ所の農業法人を訪問し、その取り組みを視察した。
最初に訪問したのは(株)ふぁーみんサポート東はりま。JA兵庫南が平成19年7月に設立した農業法人で、農業の担い手の高齢化、後継者不足、農地の遊休化・耕作放棄田の増加といった課題に対処するため、JA自身が地域における意欲ある農家の一員として営農組合や担い手と連携しながら、そして、その補完的な役割を果たしていくことを目的にして設立したものである。実際に地域によっては営農組合が組織されていない地区もあり、小規模農家の組合員からの様々なニーズに対応する必要性があったことも設立の大きな理由だという。事業として、JAが受託した農作業の一部を再受託したり、その他、水稲育苗、野菜育苗、きのこ特産開発にかかる栽培管理、ふれあいプラザ・会議室の管理などを受託している。また、後継者や新規就農者の育成事業など、地域の農家・農業を支えながら、次代の担い手を育成する事業にも積極的に取り組んでいる。
次に八幡営農組合を訪問し、「ふぁーみんSHOP八幡」も視察した。八幡営農組合は加古川市八幡町の6集落642戸全農家加入で設立した農事組合法人である。代表理事の芦原さんから設立の経緯、現状、課題等について具体的な事例を挙げてわかりやすく説明していただいた。GIS(地理情報システム)を活用しての圃場管理や生産から加工、販売までを一貫して行う六次産業化に積極的に取り組むなど地域農業の課題に対処するとともに次の時代の農業の在り方を見すえた農業経営に取り組んでいる。雇用の面でも給与、社会保険やボーナスの支給についても十分に配慮されていることに驚いた。そうは言っても補助金がなければ成り立たない(黒字にならない)というのが実情であり、そういう意味でも営農組合が各種補助事業の主体となるように行政やJAとの情報交換、支援は欠かせないということだった。
その後、さらに懇談を行い意見交換を深めたが、食糧や水、農地をめぐって世界で起きている争奪戦の状況や翻ってわが国の食糧自給率の低さや年々減少する米の消費量、米価の低迷、担い手不足など農業の直面している深刻な状況について熱い議論が交わされた。