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原発ゼロへ再考を 原子力は高くつく

2015-11-19 09:13:28 | 原発

 今朝の東京新聞「社説」から抜粋します。ちょっと長いです。

●原発ゼロへ再考を 原子力は高くつく
 やっぱり金食い虫でした。
 原子力規制委員会が日本原子力研究開発機構に示した、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営を「ほかの誰かと交代せよ」との退場勧告は、その操りにくさ、もろさ、危険さを、あらためて浮かび上がらせた。
◆巨費12兆円を投じて
 原発で使用済みの核燃料からプルトニウムを抽出(再処理)し、ウランと混ぜ合わせてつくったMOX燃料を、特殊な原子炉で繰り返し利用する-。それが核燃料サイクルだ。
 その上もんじゅは、発電しながら燃料のプルトニウムを増やしてくれる。だから増殖炉。資源小国日本には準国産エネルギーをという触れ込みだった。
 それへ少なくとも十二兆円以上-。もんじゅの開発、再処理工場(青森県六ケ所村)建設など、核燃サイクルに費やされた事業費だ。
 十二兆円とはフィンランドの国家予算並みである。
◆1日5500万円も
 ところが、もんじゅは事故や不祥事、不手際続きで、この二十年間、ほとんど稼働していない。止まったままでも一日五千五百万円という高い維持管理費がかかる。
 もんじゅ以外の施設にも、トラブルがつきまとう。さらなる安全対策のため、再処理工場は三年先、MOX燃料工場は四年先まで、完成時期が延期になった。MOX燃料工場は五回目、再処理工場に至っては、二十三回目の延期である。

 欧米で原発の新増設が進まないのは、3・11以降、原発の安全性のハードルが高くなったからである。
 対策を講ずるほど費用はかかる。原発は結局高くつく。
 風力や太陽光など再生可能エネルギーにかかる費用は普及、量産によって急速に低くなってきた。
 ドイツの脱原発政策も、哲学だけでは語れない。冷静に利益を弾いた上での大転換だ。
 原子力や輸入の化石燃料に頼り続けていくよりも、再生エネを増やした方が、将来的には電力の値段が下がり、雇用も増やすことができるという展望があるからだ。
◆そろばん弾き直そう
 核燃料サイクル事業には、毎年千六百億円もの維持費がかかる。
 その予算を再エネ事業に振り向けて、エネルギー自給の新たな夢を開くべきではないか。
 電力会社は政府の強い後押しを得て、核のごみを安全に処理するあてもまだないままに、原発再稼働をひたすら急ぐ。
 金食い虫の原発にこのまま依存し続けていくことが、本当に私たち自身や子どもたちの将来、地域の利益や国益にもかなうのか。政治は、その是非を国民に問うたらいい。
 持続可能で豊かな社会へ向けて、そろばんをいま一度弾き直してみるべきだ。


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