斎藤美奈子さん(文芸評論家)が今日の東京新聞「本音のコラム」で、またすっきりと言ってくれてます。全文を紹介します。
●「地元」の認識
九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働へ向けた動きが加速している。先月28日、薩摩川内市の岩切秀雄市長が再稼働に同意すると表明。九電の瓜生道明社長も周辺8市町村の首長と会って安全対策の説明に余念がない。鹿児島県は臨時議会を5日に招集し、7日にも再稼働を認める採決がされる見通しという。
しかし、再稼働問題で登場してくる政治家たちは、どうしてこうトンチキばかりなのだろう。
同意が必要な地元の範囲は「鹿児島県と薩摩川内市内で十分」という持論をくり返す鹿児島県の伊藤祐一知事。重大な事故が起きたら「最終的には国が責任をとるといっている」と逃げた岩切市長。そして3日に現地を視察した際、川内を「かわうち」と読み間違えた宮沢洋一経済産業相。
川内原発の地元とはどこなのか。前にも書いたが、ここで重大事故が起きたら、放出された放射性物質は偏西風に乗って北東(地図上の右上)方面に拡散する。影響はつまり日本列島全体に及ぶ可能性が高いのだ。
被害者の感覚で考えがちな原発問題だけど、今後必要なのは加害者になるかもという視点じゃないのか。首長のご機嫌は取れても、大地のご機嫌までは取れない。日本火山学会が原子力規制委員会に審査基準の見直しを求めたことなど、どこ吹く風。事故後の風の吹き方にもどうせ無頓着なんだろな。
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