「調整会議」の強力な要請に折れるのは呉屋氏かデニー氏か

「調整会議」の強力な要請に折れるのは呉屋氏かデニー氏か
県政与党内は、翁長氏は亡くなる直前まで2期目への出馬に意欲を持っていたので後継の指名はしなかったと沖縄紙は報じている。膵臓を全摘出し、一日の6回インスリン注射をしなければならない翁長知事が県知事を務めることができるか否かが重要な問題であり、県知事を務めるのは無理であると判断するのが普通である。後継者については翁長知事の意欲とは関係なく協議するべきであり、協議していなかったことは異常である。
翁長知事の急逝で慌てて後継者選びを始めた矢先に翁長知事が亡くなる前に2人の後継者を使命した音声テープが見つかった。大衝撃を受けた「調整会議」の選考委員は3人の候補者に絞った選考を中止し、人選は仕切り直しとなった。
「翁長知事の遺志を尊重すべきだ」
「翁長知事の遺志は重い」
が県政与党や選考委員の考えであり、翁長知事が指名した金秀グループの呉屋守將会長(69)と、自由党の玉城デニー幹事長(58)の2氏に絞られる可能性が高くなった。
 遺言による候補者となれば翁長知事の遺志を継ぐ候補者として最高の存在であり、知事選を有利に展開できる。選考委員は候補を二人に決め、猛烈にアタックしていくだろう。
 知事選出馬を断った呉屋氏とデニー氏であるが、二人への知事選出馬要請は高まっていくだろう。高まりに二人は断り続けることができるだろうか。

呉屋守將金秀会長の場合を推測する
 呉屋氏は経営者であり、政治の経験はない。いきなり県知事として政治を行うのはきついだろう。過去の県知事も政治経験のない琉大教授の太田昌秀氏、琉球石油社長の稲嶺恵一氏、沖縄電力理事の仲井眞弘多氏が知事になったが、大田氏は革新政党、稲嶺氏と仲井眞氏は自民党という政治姿勢は同じである政党が彼らを推薦し、当選すると一緒に政権を担った。
 呉屋氏は保守である。しかし、知事選出馬を要請しているのは共産党、社民党、社大党を中心とした左翼革新勢力である。呉屋氏は左翼と同じように辺野古移設反対派ではあるが、左翼と同じなのは辺野古移設反対だけであり、それ以外は同じではない。
 翁長県知事は、2万人収容予定の沖縄のMICEを、強引に金秀・呉屋守将氏のホームタウンである東浜(あがりはま)マリンタウンに建設することを決めた。ところがMICE建設の資金には政府の交付金がなければならない。翁長知事が辺野古素説のことで安倍政権と対立したので交付金を減額した。そのためにMICE建設はストップしてしまった。MICE建設を始めるには安倍政権による交付金の増額が必要である。金秀の会長としては安倍政権とは敵対したくない事情がある。
 左翼革新の要請で知事選に出馬すれば翁長知事と同じように「あらゆる手段を使って辺野古基地建設を阻止する」方針にまい進しなければならない。安倍政権とは敵対していくことになる。
 金秀は沖縄に進出予定のセブンイレブンと100店舗達成まで連携することになった。これから厳しいコンビニ戦争を展開しなければならないのが金秀である。その時に左翼政党と共闘し、安倍政権と敵対関係の県知事になることを金秀グループの幹部は承知しないだろう。安倍政権と敵対することは金秀のマイナスにはなってプラスになることはない。
 デニー氏は自由党幹事長であり、彼のバックには大御所の自由党の小沢一郎共同代表が存在しているが呉屋氏のバックに大物の政治家は存在しない。唯一信頼できるの元副知事の安慶田氏であるが彼は所属する政党はないし、県庁からも排除されて政治的には無力である。彼を副知事にすることもできない。県知事になれば周囲は左翼で固められ孤立してしまうだろう。翁長知事のように。呉屋氏が県知事に出馬する可能性は低い。
 しかし、ゼロとは言えない。呉屋氏は辺野古移設に経営者ではなく政治活動家ではないだろかと思えるほどに熱心に運動を展開していた。毎年新入社員をキャンプ・シュワブに連れてきて辺野古移設反対の研修をしたほどである。学生の時は民青であったという噂を聞いたことがある。経営より政治活動に走って県知事選に出馬する可能性がないとは言えない。

玉城デニー自由党幹事長の場合
 デニー氏は衆議院議員であり自由党の幹事長である。経営の世界で生きている呉屋会長とは違う。県知事選に出馬することがデニー氏だけでなく自由党にとってもメリットであるのかかそれともデメリットであるかを検討しなければならない。それにデニー氏のバックには大御所の小沢一郎共同代表が存在する。小沢氏の判断も県知事選への出馬に大きく影響するだろう。
 デニー氏の場合は落選すればデメリットになるが当選すればメリツトがある。沖縄で自由党を広げることもできる。政党である自由党の幹事長であるから共産党などがゴリ押しすることもないだろう。
 玉城氏に比べればデニー氏は左翼革新政党の圧力はないだろう。なにしろデニー氏のバックには大御所の小沢氏が存在しているのだから。
デニー氏は豊見城市内で記者団に知事の後継指名に関し「非常に重い」と話し、環境が整えば再考するかとの問いに「予断をもって言えない」と再検討に含みを持たせたという。
自由党の小沢一郎共同代表にも報告したことを明かし、「状況が変われば報告する」とも答えた。
デニー氏が知事選に出馬する可能性は高くなった。ただ、衆議員を辞めるのだから出馬するには当選する確率が高くなければならない。デニー氏はなにがなんでも翁長知事の遺志を引き継ぐという強い気持ちがあるわけではない。落選してもいいから出馬するという気はないだろう。
世論調査をすれば当選する確率は低いという結果が出るはずだ。それでも出馬するか。小沢氏は出馬に賛成するかも知れない。悩ましいところである。

二人が出馬しないとなれば敗北するのは目に見えている。「調整会議」のメンバーは必死になって二人に知事選出馬をお願いするだろう。
「調整会議」のお願いに応じる可能性が高いのはデニー氏だと思う。ただ、負け戦になる可能性は高い。負けを覚悟してまで出馬する勇気がデニー氏にあるかどうかである。
二人が出馬を辞退すれば県知事選は終わったのに等しい。知事選を待たずに佐喜真氏の当選は決まりだ。
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翁長知事の遺言で指名された呉屋・デニー氏であるが出馬はしないだろう

翁長知事の遺言で指名された呉屋・デニー氏であるが出馬はしないだろう
 今月8日に急逝した翁長雄志知事が生前、自身の後継候補として、保守系の会社経営者の呉屋守将(ごやもりまさ)氏(69)と、沖縄3区選出の自由党の玉城(たまき)デニー衆院議員(58)の2氏の名前をあげた音声が残されていたことがわかった。
翁長知事の遺言で指名された二人は知事選に出馬するだろうか。

呉屋氏は、「政治に出るよりは経済の面で翁長県政を継承する県政を支える」と述べている。共産党にがんじがらめにされていく翁長知事の姿を見てきた呉屋氏である。そして、安慶田氏が副知事から排除されたのをきっかけにオール沖縄から離脱した呉屋氏である。呉屋氏が知事選に出馬することは考えられない。翁長知事の遺言であっても呉屋氏は知事選に出馬出馬しないだろう。

玉城デニー氏は衆議院議員である。もし、知事選に出馬すると国会議員を辞職しなければならない。知事選に当選すれば問題はないが、もし落選すると無職になってしまう。国会議員に復帰帰するのは困難である。玉城デニー市が国会議員の地位を捨ててまで知事選に出馬するとは考えられない。
玉城氏は知事選候補の選考作業をしている「調整会議」の幹部から、録音が残されていたことを伝えられた朝日新聞の取材には「『私は出馬しない。固辞する』と伝えた」と述べている。

翁長知事の遺言であったとしても、二人が知事選に出馬する可能性は低い。
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