先週の初めより、ほぼ一週間の日程にて来日された仏教国、ブータン王国のワンチュク国王夫妻が本日午前、帰国の途に就かれた。東日本大震災後初の国賓を迎え、同国と我国との良き交流ができた様で、何よりと思う。
現国王は、先代以前より続く、国民総幸福度GNHを国策の価値基準とされ、1961=昭和36年より同国の地位向上に尽力された農業指導者 故・西岡京治さんの技術を受け、又、水力電源の開発などを併せて進め、地味ながら着実に歩を進めて来た様だ。1986=同61年には我国と正式に国交樹立。前述の経緯より、我国への親近度は一際高く、三十路を迎えたばかりの新婚の現国王は、新婚旅行に我国を選ばれた由。まずは、ご成婚に一言奉祝であります。
「国民個人の欲望よりも、国家の福利や人々の絆を大切にしたい」を信条に、敬虔な仏教徒でもある現国王夫妻の人望は高い様だ。同国民のほぼ全て、97%が幸福を感じていると言う。これは「金があるから幸せ」などと言う尺度では表せない、より真に近い現実的な幸せの見方であろう。ほぼ全国民がやはり敬虔なチベット仏教を信じ、GNHへの理解が深い事も、同国にとっての幸いであると同時に、今まで米国資本主義に流れ過ぎた為に多くの犠牲や弊害を生じ、本当に大切な所を見誤った感の強い我国の、これからのあり様にとっても大いに学ぶべき所があるのではないだろうか。
今回のご来日は、単なる新婚旅行の域を超え、先の震災被災地のお見舞いも、現国王のたってのご希望にて実現されたと言う。現国王が直にお越しになる事により、「福島とその周辺は、原子力発電所事故があったと言えど、安全である」事を世界へ発信したいご希望もあったとかで、我々日本人にとっては、同国よりの義援金と共に有難い限りである。
現国王は王妃と共に、内外共に大変魅力ある方であり、又滞日中の服装も、本国の民族衣装ら和装、ご帰国時には洋装と、大いに気を遣っていらした様だ。皇室方とのご会見では、天皇陛下がご健康問題にて果たせなかった訳だが、完治までご静養が必要とあってはやむを得まい。又近く、お目にかかれる機会はあるものと信じ、ご来日のお礼と共に、代行された皇太子殿下への労いも忘れたくないものだ。
さて、ブータン国王夫妻の国賓としての来日への儀礼として、宮中晩餐会が催された訳だが、これに関して遺憾な失態をやらかしたのが民主党。防衛大臣、国家公安委員長他複数の閣僚が、党内事情を理由に欠席したとかで、野党各党より厳しい批判を浴びている由。当然かと思う。国賓を迎える重要行事に、内輪の理由で出られないとは何事か。民主党は国際儀礼を知っているのか?呆れて物も申せない。しかも、晩餐会前の会合にては、携帯電話の不適切な使用に及んだ関係者もいたとか。全く、政権を担う自覚に欠けた所業としか思えず、これで又衆院解散総選挙の日程を自ら近づけてしまったと俺は見ているのだがどうだろう。