コナサン、ミンバンワ!Cafeの拙日記にても少し記したが、今回は今世紀に入って運転縮小の目立つ、所謂ブルートレインを初めとするJRの夜行列車の事に少し触れようかと思う。
全国的にそうだったと思うが、当地名古屋からも以前は、各地へ向う夜行列車が良く運転されていた。特に対九州は遠距離だった事もあって多くの列車が走り、名古屋始発便も特急「金星」福岡博多行と急行「阿蘇」熊本行があった。それ以外にも東京発九州方面行夜行特急の大部分と急行全列車が必ず名古屋に停車し、本州西部や九州へほぼ翌日午前中には着ける様、利便が図られていた。又九州以外にも、東京や長野、北陸富山や南紀方面への列車が運転されていた。
縮小最初のきっかけは、1975=昭和50年春に実現した新幹線の九州初進出だろう。この時の東海道・山陽新幹線の福岡博多延伸により、それまでの夜の主役とも言えた関西~山陽・九州間の夜行急行が大幅縮小。5年後には全面廃止と相成った。多くが残った東京・関西~山陽・九州間夜行特急も最高峰の「あさかぜ」が最盛期の3往復から2往復に縮小、1994=平成6年には東京~下関間1往復のみとなり、残念ながら2005=同17年春には運行廃止となってしまう。又この時、戦前以来の伝統と実績を誇った父の故郷ゆかりの東京~長崎間特急「さくら」も姿を消している。
平成年間に入ってからは2個列車が途中まで併合されて1個列車として運転されるケースが目立つ様になり、東京発の熊本行「はやぶさ」+大分行「富士」、出雲市行「サンライズ出雲」+高松行「サンライズ瀬戸」、そして京都発の熊本行「なは」+長崎行「あかつき」がこれに当たるのではと思う。これは最近の夜行需要減もさる事ながら、所謂保線と呼ばれる線路周りのメンテナンスの作業時間確保と夜間の貨物列車の運行ダイヤ確保、、それに過酷になりがちな夜間の運転+車掌業務を減らす事により、深夜割増給与を抑制する為と思われる。
前述の様に各地への新幹線延伸により、夜行列車の地位は確実に地盤沈下して行った。当地の例を挙げれば東京~大阪間最後の夜行急行「銀河」は11pm東京発。大阪へは翌朝7:18amに着くが、6amに東京品川を発つ新幹線「のぞみ99号」は銀河の僅か1時間後には大阪着。もうこれ位の長距離でも夜行の強みは薄らいでしまったのである。加えて近年、特に大都市対地方都市を結ぶ路線にては高速道路網の整備に伴う夜行高速バスの大挙進出が、夜行列車の減少の流れを確実なものとしたのである。
急行「銀河」も特急「なは」+「あかつき」と共に、今春姿を消す事が決定した模様。これで当地名古屋を通る夜行列車は「はやぶさ」+「富士」と「サンライズ出雲+瀬戸」、それに岐阜大垣までの「ムーンライトながら」の3便のみとなり、往時が信じられなくなる程の寂しさである。時代の流れと割り切ってしまう事もできるが、夜の情趣が又一段と減るのも事実である。
おまけ画像は昨年暮れの東京駅にての大阪行「銀河」発車の模様だが、残念ながらこの光景も今年3月中旬までとなってしまう様である。