暖かな春の陽気に誘われて散歩に出ると、つくしが顔を出していました。
先日アニメーション映画「耳をすませば」(1995年公開)のDVDを観ました。ジブリの映画の中では、となりのトトロの次に好きな作品です。
バーコード化されてない時代、ケイタイもない時代のほのかな恋のロマンもあって素敵です。これを観るのは3回目で、ストーリーはわかっているのですが、また夢中で観てしまいました。
ご存知の方も多いと思いますが、簡単にストーリーを紹介します。
主人公は月島雫(つきしましずく)という本好きの中学3年生の女の子。雫は、親しくなった同級生の聖司がヴァイオリン職人になるためにイタリアに行くというのを聞いて、自分が将来について深く考えていなかったことに焦りを感じます。
雫が自分のやりたいこととして選んだのが小説を書くことでした。受験勉強もせず、何日もかけて小説を書きあげ、聖司のおじいさんのところへ持っていきます。おじいさんが読み終えると、雫はこらえていたものを押さえきれなくなって泣き出してしまいます。
おじいさんは、思うように書けなかったことで悲観している雫に「これはあなたにふさわしい」と言って、エメラルドの原石を手渡します。
このシーンでわたしはいつも泣きます。15歳の雫とまったく同じ気持ちになってしまうからです。雫がおじいさんに見せた小説は、おそらく生まれて初めて書いた長編小説ですので、拙い文章だったでしょう。けれどもおじいさんは、もっと文章の勉強しなければだめだとも、高校受験を目の前にして小説を書いていてはいけないとも言いません。けなす言葉を一切言わず、みがけば光るというエメラルドの原石を渡すのです。
人は誰でもきらりと光る原石を持っています。それは神さまから与えられた賜物です。ご主人から1タラントを預かって、土に埋めて隠しておいたしもべと、2タラント、5タラントを預かって、それをもとにお金を増やしたしもべのたとえ話が聖書(マタイ25:14-29)に書かれています。
2タラント、5タラント預けられて増やしたしもべは「よくやった良い忠実なしもべだ」とご主人からほめられますが、1タラントのしもべはしかられてしまいます。
神さまからの賜物をしまって隠しておくのか。痛いけれど、みがいてやすりをかけて光らせるか迫られているように感じました。
この映画には聖書的意味合いはないのでしょうけれど、才能をつぶさず、引き出すような老人の発言に教えられました。
今日はこれから都内の実家に泊まりがけで行きます。久しぶりに母とゆっくりおしゃべりをしてきます。土曜日夜に帰ってきますが、それまで、コメントを受け付けない設定にしています。