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生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

障がいとは……(その1)

2007-11-06 11:57:04 | 社会

先週祈祷会で障がい者福祉の学びがあり、自閉症の息子さんをもつKさんのお話を聞きました。

お話を聞いて、「障害」という言葉の意味について考えさせられました。今まで「障害」という言葉を深く考えずに使っていたのですが、害という文字を使うことが差別につながると思いました。

障害という言葉を広辞苑で調べると、「さわり、さまたげ、じゃま、―を乗り越える。身体器官に何らかのさわりがあって機能を果たさないこと」と出ています。

それなら、人間だれでも障害者ということになります。たとえばわたしは、身体が弱く疲れやすい。左手で重い荷物を持てない。(乳癌手術の際左側の腋下リンパ節切除しているため)ので障害者です。また、どんなに健康な人でも年をとれば障害者ということになります。


そもそも障がいとは「障碍」あるいは 「障礙」という字だったそうです。当用漢字が制定されたときに碍、礙の字がなかったため、害が使われたようです。それなら仮名にした方がいいですね。


「人間の尊厳ということを考えると、障がい者を“さわり”のある者として区別することはおかしなことです」
とKさんが言われました。その通りだと思います。
Kさんは絵画教室を開き、3人の自閉症の子供たち描いた絵の展覧会をして、その映像を見せて下さいました。すばらしい色づかい、のびのびとした絵が素敵でした。彼らの絵を見て、他の人が見えないものが見えている。他の人が感じないことを感じていると思いました。

日本の社会は、障がい者、高齢者が生きにくい社会だといわれています。それは、障がい者に対する考え方がネガティブだからでしょう。

「人に迷惑をかけてはいけない」という教えが根強くて、障がい者になったり、年をとって身の回りのことができなくなったとき、誰かの世話になることをいけないことだと考えている人たちが多いのです。
誰かの世話になることは、迷惑をかけることではないのです。たとえ相手が迷惑だと感じたとしても、弱い人を助けるのはあたりまえのことなのですから、申し訳なく思うことはありません。
また、世話をする人は、世話をされる人より優位な立場にあるわけではありません。世話をすることによって、多くのことを学んだり、心のケアーをしてもらったりします。

でも子供のころから「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育った人にいくら話しても、なかなかわかってもらえません。


また、一昔前は、障がいを恥と考えて隠そうとしていました。今は大部改善されましたが、それでもまだ偏見を持っている人がいます。
友人は、子供に障がいがあることがわかったとき、「うちの家系にそんな者はいない」と姑に言われ、深く傷ついたと言っていました。

障がい者に対するいじめの問題は深刻です。子供だけでなく、大人にもいじめが起こっています。職場で知的障がいの人に重い荷物ばかり運ばせたりするのだそうです。悲しいことですね。

                  つづく

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