講座:悪質商法から認知症患者守れ 寸劇で手口や被害例紹介--15日、盛岡 /岩手
悪質な訪問販売や利殖商法から、認知症患者をどう守っていくかを考える講座「認知症でも負けない! 悪質商法の防ぎ方・見守り方」が15日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで開かれる。市消費生活センターなどが主催する。
講座では、市内の高齢者が結成した演劇同好会「虹」が、外国通貨や未公開株の購入・転売を持ちかけ、投資金をだまし取る利殖商法を題材にした寸劇を披露。
また、盛岡駅西口包括支援センターの社会福祉士、堀内亜希子氏が、介護の現場で起きた被害例を報告する。
さらに、岩手医大付属病院の臨床心理士、赤坂博氏が認知症の症例や対応方法などを講演。
岩手弁護士会の吉江暢洋弁護士が、法的な被害回復手続きや成年後見制度について紹介する。
質疑応答時間も設け、福祉・医療や法律といった幅広い分野から、認知症患者の被害防止について考える内容となっている。
市消費生活センターによると、昨年寄せられた約3600件の相談の3割ほどが高齢者からで、訪問販売や利殖商法に限ると高齢者の割合は更に高くなる。
中には、認知症の高齢者が年金をだまし取られたことに、介護事業者が気づくケースもあったという。
センターの菊池与志和主査は「認知症の場合、悪質な勧誘にあっても状況を理解できずに被害にあうことが多く周囲の見守りが欠かせない」と話し、「民生委員や介護事業者など高齢者の見守りを担う方々にぜひ聞いてほしい」と参加を呼びかける。
午後1時~同3時半。参加料は無料。問い合わせは市消費生活センター(電話019・604・3301)。
(毎日新聞 2011年11月4日 地方版)
認知症高齢者を狙った悪質な勧誘や年金等をだまし取られるような事案が後を絶たない。
被害防止のために福祉・医療や法律といった幅広い観点からの啓発活動が求められる。
盛岡の市消費生活センターは、全国的にも先駆けた取り組みを行っている。15日に講座が開催される。
被害回復手続きや「成年後見制度」の紹介もする予定という。
3・11の東日本大震災を境に、悪質な業者や詐欺まがいの行為は表面化していないが、むしろ、これから気をつけなければいけない。相談体制の窓口もオープンにしていく必要がある。
成年後見制度などの制度利用が必要な場合には、手続きを簡素化して早急に解決策を図る配慮をして頂きたいものだ。
事前策・予防的な制度であるので、ご本人が心配や不安を感じたら、なんとか制度利用につなげて、守り、少しでも安心した状況を作り出していく努力が期待される。大変な労力、時間のかかる作業になる。真の「見守り」が大切なのかも知れない。