Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

完敗、連敗(6節名古屋戦)

2020-07-22 23:22:49 | マッチレポート20'
強がりじゃなくてやっぱりJ1面白い。こうでなくっちゃ。鳥栖、広島に連勝したところで「何だよ今年降格あってくれて良かったのに」とか少しでも思わせてくれちゃうようなところじゃ困るよ、J1は。


まず今日の試合の大きな変化は遂に小塚で出てきたこと。昨シーズンMVP級の活躍だった小塚がケガをしているという情報もなく開幕から5試合行方不明状態だった。かつ片野坂さんがシャドーに縦にスピードの速いタイプの選手を重用するためもう小塚のようなタイプの選手は居場所がなくなっちゃうのではと前節を観てて感じて、それは記事にも書いた。広島戦の失点、神戸戦の失点、ガンバ戦の2失点目とサイド(特にWBの位置の選手)が詰まり気味になって危ないボールロストから失点をすることが今シーズン多くなってると感じてた。縦にスピードの速い選手を置くとサイドにボールが入っても寄るわけではなくスペースに走り出すので、いわゆるビルドアップの構成力は下がってしまう。ガンバ戦ではその配置が功を奏してゴールにもなったけれど、個人的には大分の戦術としてはしっくりと来てなかった。しかし今日小塚がシャドーに入ることでそれは見事に解消されたと思う。シャドーの選手へのパスルートが開通することでボランチが前向きでボールをもらえる回数も増え、ガンバ戦と比較すると「しっくり感」は比にならないレベルだったと感じた。ただ小塚も今季初出場で知念や渡との連携はお世辞にも良かったとは言えないし、ノーゴールだったことは事実。小塚の起用も今季の最適解を探す道のりの中では大きな選択肢の一つであることだけはきっちりと証明されたので、トライ&エラーを繰り返して進んでいくしかない。まだまだシーズンは長い。


しっくり感つながりでいくと前田のスタメンもとてもしっくり感があった。前田ももう大分4年目。確実なポジショニング、ボールサイドへの精力的な顔出しと観ている側が脳内でイメージしている動きに忠実に動いてくれるイメージでとてもしっくりと来る。今日はこれからというところで負傷交代となってしまった。ひじの脱臼くらいで済んでくれてればいいけど、心配です。個人的にはボランチのポジション争いの中で前田の序列は高めなのでとても期待しています。すぐに戻ってきてくれ。


スコアは0−3と片野坂体制でのJ1で最多得点差での敗戦と紛れもなく完敗だったわけだけど、そこまでの絶望感は感じてないんだよね。それはうまくいかなければメンバーを変えればいいし、手探りで進めてるところもあるだろうしということで改善のしようはいくらでもあるという心持ちからきてると思うんだよね。ただ今日どうしても気になったのは、相手陣内での自軍FK、CKからカウンターを食らってイエローで止めて、そのリスタートから失点が2回もあった。これはちょっといただけない。試合と試合の間に時間がなくてセットプレーの確認をしている時間がないのかもしれないけど、井上健太がイエローもらったシーンで「リスクマネジメントがどうなってたんですかね」と増田氏にコメントされてたけど、もしかすると人生で初めて彼のコメントにうなづいてしまったかもしれないぞ。これはアカンぞ。ここはきっちりと見直して。


あとはやっぱり細かいミスが多過ぎたね。前半全く存在感がなくハーフタイムでの交代も納得の怜さん、もうボールが足につかずボロボロだった達也とちょっとずつ疲労がたまってきてるんだろうからやむを得ない部分はあるんだろうけども、それを認めてたらJ1では勝たしてくれないだろうから踏ん張ろう。ただ昨シーズンまで替えのきかない存在だった怜さんや智輝を温存してもチームとしての形は崩れないし、むしろそれはそれで面白い部分も出てくるからチームの総合力は徐々に上がってきてるんだろうなというのは感じる。初スタメンとなった小出もなかなか面白い存在だった。広島戦で初めて見た時はトリッキーさが目立つ感じだったけど、今日は随所に良さを出してたと思う。ビルドアップ時に左足に持ちかえてドリブルして視界を広く保ったり、斜め方向への縦パスの差し込み方もいくつかいいのがあった。何より前半に見せたインナーラップは思わず「お!」っと声に出してしまったくらいに面白かった。自分でボールを要求してるシーンも何回か確認出来たし、ちょっと今後の伸びが気になる存在。


初スタメン記念に学生時代の小出さん貼りつけときます。この頃より厚みが出たかね。隣はYSCCの宮本拓弥。


初の5,000人試合だった神戸戦の時は特に気にならなかったけど、先週末のパナスタでの拍手のみ応援の存在感と圧力を知ってしまった後だと、あの録音した応援を流すの要らないなと思ってしまった。パナスタもそうだったし、今日30分だけ観た日産でもそうだったけど、無音であれば5,000人の人たちが拍手でより盛り上げようとするだろうし、その圧力が効果があることは実体験として分かっているわけだから次の試合から変えようよ。今日の政府の発表で最短でも8月いっぱいは5,000人試合だろうし、出来る限りの雰囲気作りはやろうよ。実際の現場ではどう感じるのか分からないけど、少なくともテレビではあまりポジティブには聞こえない。


4日後にはもう清水戦。今シーズン未だ未勝利の清水だけど、試合は面白い。今日の鳥栖戦はこれから観るけど、仮想残留争いとしては非常に重要な一戦。今シーズンは誰が出てくるか分からない面白さが例年以上なのでもうスタメン発表を待ってるところから楽しい。さてさて次節はどうなることやら。
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拙かった試合運び(5節ガンバ戦)

2020-07-18 22:28:14 | マッチレポート20'
今日の試合の勝敗を分けたポイントは羽田の起用。大卒ルーキーにとっては厳しいプロ入り後初先発となったわけだけど、2失点目の起点となってしまったボールロスト以外がそんなに悪かったかと言うとそうは思っていない。その辺りが非常に悩ましい。


今日の羽田、奎汰、藤本の起用で今季は第5節にして既に24人のフィールドプレーヤーが出場。総力戦で回していこうという意図が明確に見てとれる。そのやり方については大いに賛成だし、ここまではうまくいってると思ってる。しかし今日はその部分で試合の勝敗が分かれてしまった。


「60分間ハイプレス出来る状況ではない。マネジメントしてほしい。」
試合前の宮本監督のコメント。ガンバのハイプレスは素晴らしい圧力だった。前半はボランチにほとんどボールが付けられず、誘導されるように窮屈なWBにボールが渡ったところを狙われてほとんど前進出来なかった。前半はチームとして全く機能していなかったわけで羽田が特別に悪かったわけでははないと思ってる。しかしあの場面だけは不用意だった。前半は全く見せなかったドリブルを突然したのはハーフタイムに何か指示があったのかなとも思うけど、危なかったらボールは捨てていいくらいのセーフティな意識は持っていてほしかった。ただ宮本監督のコメントに戻るけど、65分を過ぎて監督の見立てとおりにガンバの足は止まった。前からの圧力は完全になくなり容易にガンバ陣内に侵入出来るようになった。完全に結果論ではあるけど、タイスコアでこの状態に入れたらどうなってただろうというのは見てみたかった。前節から1週間あいたスケジュールでの試合。今季のイレギュラー性を考えてたくさんの選手を使おうという意識が監督になければ今日の最終ラインも智輝−ノリ−三竿だったと思う。ガンバの攻撃のクオリティは確かに高かったし、間違いなく去年より強かった。それでもこのチグハグささえなければどうなっていただろうかという思いはどうしても持ってしまう。


ただ思い返してみようよ。もう今では絶対的な存在である我らがキャプテンが2015年シーズンにJ2で流れるようなボール運びを披露してたかね、目の覚めるような縦パスをズバッと入れてたかね、それも逆足で。羽田が相手にしているのはガンバだったということを考えても、これはチームマネジメントとして受け入れるべき失点だ。羽田にはこれを糧にもっともっとチャレンジしてほしい。


今季から片野坂さんが強いこだわりを見せる縦に速いスピードを持つ選手のシャドー起用。個人的にはあまりしっくりきてなかったんだけど、今日の先制点はついにその形が実を結んだ。というよりも前半はもうその形しかなかったと言っていいくらい押し込まれてたわけだけど、その中でよく決め切ったと思う。去年までは三竿、智輝の位置から引いてきたシャドーに縦にパスを入れたり、もちろんボランチからも縦にパスを入れたところから攻撃を作っていたと思うんだけど、今季はほとんどその形を作らない。引いてくるのはワントップの選手の役目でそれをスイッチにシャドーの選手はサイドのスペースに飛び出すという形が多い。今日のゴールはダイナミックないい形だったと思うんだけど、果たしてこの作り方がベストなのかというのは注目して見ていきたい。とりあえず現状では片野坂さんはこだわり過ぎてるように感じてる。怜さんout、井上健太inで達也をサイドに持ってきてまで井上健太をシャドーで使いたい意図は今のところまだ分からない。この選手起用により狭い局面で攻撃を作れるタイプの選手の出場機会がめっきり減っている。小塚、コテ、野村あたりがそう。もしかするとこの辺りの選手たちのコンディションが上がっていないからこういった起用になっているという可能性もあるけど。


プロデビューとなった藤本一輝は鮮烈な印象を放った。シュートにしても、クロスにしてもフィニッシュの部分が若干雑だったけど、ゴールに向かって仕掛ける姿勢は良かった。去年の夏に我々に対して見せつけたドリブルの脅威はやはりいいものがある。がむしゃら感もあるし、もっともっと見てみたい選手だ。もう既に「まだ大学生」という意識はこちら側にはない。


こういう試合になってしまっても「完敗だ」という感覚が全くないし、本当にチーム力が上がってきてるなということを実感する。冷静になって考えてみても今日の羽田のミスはやっぱり仕方ないと思うし、降格のないイレギュラーなシーズンはどんどんチャレンジしていくことが必要だなと改めて思った。試合終了の笛が鳴った瞬間にピッチには23歳以下の選手が5人も立ってたわけだ。この敗戦で今後への期待感がより高まったよ。またすぐ試合がやってくる。次は勝とう。
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納得のドロー(4節神戸戦)

2020-07-12 00:02:42 | マッチレポート20'
前半終わった段階ではこれは絶対に勝たなきゃいけない試合なんて思ってたんだけど、後半に押し返されたとこ見ると結果的にはドローが妥当だったのかなと思う。夏の3連戦最後のゲーム、交代枠5枚、アウェイチームは当日入りと色々な要素が複雑に絡み合った結果の何とも感想を綴りづらい試合でしたな。


再開後は大分、鳥栖、広島、神戸の四つ巴で試合を回していて今日はその最終節。大分も神戸も同じチームと試合をしてきているので試合前から相手の力量は計りやすかったと思う。神戸がやってきた広島戦も鳥栖戦も観た。広島にはスコア上は完敗、鳥栖には最後に何とかゴールを決め最終盤はボールを回して時計を進めて勝利と何とも言えない感じだった神戸。それでも随所に個人能力の高さは見せており、簡単に勝てる相手ではないというのが試合前の感想。


ある程度は予想出来たものの、イニエスタ、サンペール、ダンクレー、西大伍を帯同させず予想以上にターンオーバーの布陣を敷いてきた。この試合の後は1週間空くので、そこまでガラッとは変えてこないと思ってたんだけど、今回だけじゃなくこれからも連戦は続くわけでケガは絶対に避けたいという思いが強かった結果のスタメンだったんだろうね。


開始早々にゴールを与えてしまったのはもったいなかったけど、あれは古橋のゴラッソだし割り切るしかないね。去年も古橋のゴールはすごかったし、何だかんだ言って古橋が一番恐い。イニエスタより遥かに恐い。ただ前半はその後しっかり盛り返してビッグチャンスをたくさん作った。前半のうちの逆転も十分可能だったし、不安定だった神戸のDFラインが立て直してくる前にスコアをひっくり返しておきたかった。うちも前節から6人のスタメン変更があったけど、神戸が完全にレギュラークラスを落としたターンオーバーであった一方で、(多分)高徳対策で前節怜さんを休ませてたり、知念も半分休ませたりとうちは前節と今節でバランスよくメンバーを回している印象。その狙いは当たっていたと思うし、返す返すも前半のうちにひっくり返しておきたかったし、ひっくり返せたと思ってる。ただやっぱり神戸がさすがなのはハーフタイムのうちにしっかりと修正してDFラインもかなり整理された印象に変わった。そして後半は見事に押し返された。髙澤が投入されたタイミングを見るに片野坂さんもこの試合はドローでOKという感触だったんじゃないかな。やっぱり素人目には前節のこともあるし、遅くても80分には投入してほしかったけど、89分の投入というのは実質時間稼ぎ。やりようはあったようにも思えるけど、最後はやはりタイトルを獲るだけの力があるチームはちょっと違う。まあ悪くはない結果として受け止めましょう。実際に全然悪い結果じゃないし。


4節まで終わってフィールドプレーヤーは既に21人が出場。本格的な夏が到来する8月には1ヶ月で8試合の公式戦があるという超過密スケジュールが待ち受ける。その準備は今から整えつつあるといったとこだろうか。今日は途中出場した前田に特に好印象。細かにポジション修正を繰り返してチームのバランスを取り続けることに長けているという印象の選手だったけど、今日は積極的に密集に入っていって局面の打開にチャレンジしたり、これまではほとんど見たことのなかったライン裏への長いレンジのパスも出していた。なかなか出場機会がなくて心配してたけど、バージョンアップ中だったってことだね。小林裕紀もハセもまだ絶対的なレギュラー感は出せていないし、今日は島川の出来もあまり良くなかったので、ボランチのポジション争いはここから激化してくるんじゃないかな。


神戸は後半に史上初の4枚同時交代を敢行。2種時代に注目していた選手が一気に出てきた。


高校2年時の佐々木大樹。夏のクラ選で初めてプレーを見たんだけど、ヌルヌルと抜けてくるドリブルが印象的だった。今日も終盤に大分のディフェンス2枚を引きちぎるというよりかはすり抜けるという感じのドリブルでチャンスを作り出してた。


高校3年時のクラ選。坊主頭はここからだね。3年になると力強さが際立ってた。


ボランチの位置から何度も鋭い縦パスを出してた安井拓也。U−18時代はNo.10。


途中出場で最も決勝ゴールに近づいた小田裕太郎。正直に言って外してくれて助かった。去年の夏のSBSカップでは最もインパクトを残したといっても過言じゃなかったと思う。ダイナミックなランニングからゴールに迫る迫力は1人次元が違ってた。


2017デンチャレの菊池流帆。ビルドアップ時のバタつきを見ても分かる通り決してうまい選手ではない。エアバトル時にデカい声を出すことで存在感を放ち、そしてCKからは本当によくゴールを決める印象がある。しかし18年に大卒で宮大樹を獲得して1年半でレンタル放出、その半年後に菊池流帆をJ2から強奪してくる神戸のハチャメチャな強化方針には苦笑いしか出てこない。


再開後の3試合を2勝1分と想像以上にいいスタートを切った。しっかりと狙いを持ってゴールが取れてるし、サッカー自体も見ていて楽しい。早くスタジアムでそのサッカーが見たい。
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5人の交代枠フル活用(3節広島戦)

2020-07-08 23:33:36 | マッチレポート20'
この試合を現地で観てるサポーターが0人とはなんてもったいない。


前節くらいから薄々気付いていたけど、今季は選手層が厚い。J1初年度にそこそこのインパクトを残せた影響かこのオフの補強は素晴らしかった。登録人数自体が特別増えたわけじゃないけど、ほとんどがいわゆる「働き盛り」の選手ばかり。これまでであればある程度は「育成枠」的な位置付けの選手が何人かはいたけれども今季はそれがない。そこに即戦力クラスの特別指定の選手が2人も加入したもんだから、ポジション争いのし烈さは過去に類を見ないレベルにまで引き上がってると思う。それが今日の怜さんのメンバー外だったり、知念のスタベンだったりに繋がってるんじゃないだろうか。ただこうやって選手を回しながらも勝ち点を積んでいけるのであればこんな最高なことはないし、そういう意味で今日の髙澤のゴールは本当に嬉しかった。まだ出場機会がなかったり、少なかったりしている選手はこれをモチベーションに頑張ってほしい。


前半は予想通りに固い試合展開となった。去年は広島とはリーグ戦2試合、天皇杯1試合の計3試合をやった。どの試合ももれなく固い試合展開で言ってしまえばあまり面白くはなかった。まあ、そういう相性みたいなところは他にもあるわけで致し方ない部分もあるとは思うんだけど、それならやはり無失点で切り抜けてほしかった。殴り合う展開になることが予想しづらい中で最初の失点はあまりにも安っぽすぎた。パス回しの呼吸があってないことは仕方がないかもしれないけど、やはり様子見的な試合の入りをしてしまうことがどうしても気になってしまう。失点をしてからはややアグレッシブさが見えてきたけども、理想を言えばそれをキックオフから見たいんじゃ。


広島の前節神戸戦を観たけど、開幕2連勝でいずれも3−0という数字ほどの強さは感じなかった。神戸が主導権を握る時間の方が長かったし、監督や選手も試合後にもう少しボールを握る時間が長くてもよかったといったような主旨のコメントを残していたので、こりゃ手強いなというほどの強さを感じるわけではないんだけど、しっかりと要所でゴールを決めてモノにするという感じだった。今日も後半の途中までは何となくそんな展開に持ち込まれてあの軽い失点が悔やまれる展開になるのかななんて思ってた。しかし今季の大分はここからが違ってた(本当に違うのか?)。


怜さんのいない右サイドはやはり不安定が常につきまとう感じだったけど、ならばそんな日は左サイドと言わんばかりに今日は左サイドが躍動した。同点ゴールは三竿のアシスト、逆転ゴールは香川のアシストと特に後半は左サイドが試合を引っ張った。香川はこれで2試合連続アシスト。香川に関しては入団前の印象はあまりなくて、2年前にヴェルディが昇格POで決勝まで進んだ時にいい左足を持った選手だなくらいの記憶しかなくて、印象がその程度だから大分への移籍が決まった時もそこまでポジティブな印象ではなかった。ただ素晴らしい。今日も也真人が負傷した際に、そこにさんぺーを投入したりするわけではなく左サイドの香川を入れて達也をシャドーに持っていくプランが最優先なのも分かる気がするくらいの存在感が香川にはある。


そしてやはり知念がすごい。これで公式戦4試合を終えてまだノーゴールなので背番号9を背負う選手としての焦りはあるかと思うけど、貢献度や存在感は既に抜群だ。今日はスタメンを伊佐に譲ったわけだけど、前半は試合展開が固かったこともあって伊佐が輝けるシーンは少なかった。後半になって知念が投入されると、正直に言って一番可能性を感じる攻撃は知念へのロングボールと言っていいくらいに何でも収めてしまう。もはや代名詞になりつつあるジャンピング胸パス(or胸トラップ)は相変わらずド迫力で、ほとんどクリアに近いアバウトなボールも何とかしてしまう。伊佐だってそんじょそこらのFWには負けないくらいの強さは持っているけど、それと比較しても知念の収める能力はずば抜けてる。決勝点のシーンでも落ち着いて佐々木翔を釣り出した動きはセンターフォワードとして完璧な仕事だったと思う。





そして髙澤優也おめでとう!J1デビューからわずか2分で初ゴールとか持ってるにもほどがあるでしょ。関東大学リーグを愛する者として上乗せで嬉しい。直後のボレーを決めてたらもう今頃県民栄誉賞の授与が検討されてたレベルだからアレはむしろ外しておいて良かったかもしれないね。やった仕事のインパクトがデカすぎるけど、大分来てからの出場時間が10分ほどなのでどんな仕事が適正なのかすらまだ分からない。体の強さはありそうだし、ゴールを決めるセンスもいいものを持っていそうなのでワントップとしても十分やれそうな感じはする。冒頭にも書いたけど、何よりもこのゴールが厚い選手層に阻まれてまだ出場機会のない選手のモチベーションに繋がってほしいと思う。12月までずっと過密スケジュール、ルヴァンもある。だから必ずチャンスは来ると信じて準備していてほしい。ちなみに2枚目のPKの写真。後ろの選手たち左から、岩武克弥(浦和)、中村帆高(FC東京)、渡辺悠雅(讃岐)、新垣貴之(北九州)、小野雅史(大宮)と髙澤含めて全員プロになってる。


今日の失点は今シーズン初の流れの中からの失点。もったいなかった感は残るものの何とか持ちこたえてる。後半の方がよっぽど危なかったシーンはあったけど、それでもギリギリのところでよく耐えてる。終盤に小出を投入してからの並びがいまいち整理出来ず、かつ小出の動きが思った以上にトリッキーだったのであの時間帯の狙いがよく分からなかった。でもそこから逆転を呼び込んだわけで、何がしたかったのかについてはとりあえずはトリテン等を待ちたいと思う。


それにしてもよく勝った。注文があるとすれば序盤にアグレッシブさが不足していたことくらいで、そのまま0−1で負けたとしても決して悪い試合だったとは思わないけど、残り10分からまたしても途中投入の選手が仕事をするという気持ちのいい試合。降格がないというレギュレーションは今季の大分にプラスにもマイナスにも影響している感じはしないけど、「働き盛り」が揃った今のチームには過密スケジュールや5つの交代枠というのは有利に働いているように思う。


これで無観客試合は終わりで、次節からはまず5,000人のお客さんが入る。また少しスタジアムの雰囲気も変わるんだろうけど、スタジアムに行ける人がうらやましい。今後2度とないかもしれない5,000人限定試合は勝とうが負けようが後生に語り継げる試合だよね。どうか5,000人全員が声を押し殺して、ひたすらに拳を握るような試合展開になりますように。そして5,000人全員が帰りの車に乗った瞬間に「うおしゃぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!」と絶叫したくなるような試合展開になりますように。
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『再』開幕戦快勝!(2節鳥栖戦)

2020-07-05 01:44:29 | マッチレポート20'
2019 第32節清水戦   得点者:田中達也
2019 第33節仙台戦   得点者:なし
2019 第34節セレッソ戦 得点者:なし
2020 第 1節セレッソ戦 得点者:なし
2020 第 2節鳥栖戦   得点者:田中達也 田中達也

2019年の第32節は11月23日なのでかれこれ公式戦では7ヶ月近く田中達也しかゴールを決めてない状態に。


4ヶ月ぶりに「再」開幕となったJ1。スタメンに大きな変化はなかったものの、特別指定の井上健太がいきなりデビューというのが唯一の変更点だった。サイドのプレーヤーだと聞いていたのでシャドーでの起用には少し驚きがあった。真ん中寄りで360°を視野広く使い切れないといけないシャドーというポジションについては正直に言って適性ではなさそうだなという印象を持った。ボールのもらい方や出し方がやはりサイドの選手っぽいという感じはした。もちろんまだプロの試合への慣れの問題などもあったと思う。時折見せるスプリントにはやはり速さを感じたのでもっとそのスピードが活かせる場面やポジションが必要かなと思った。大分で特別指定でのプロデビューは田代有三、松田力、羽田健人以来4人目で合ってるかな?今日は藤本一輝もベンチ入りしたので、シーズン中にもう1人特別指定でのプロデビューがありそうだね。

シーズン前に広島が獲得した立命館大の藤井智也の獲得レースにも参戦していたという大分強化部。そのレースでの敗退が決まるとほどなくして井上健太の存在がクローズアップされ、あっという間に獲得が決まった。大学サッカー界屈指のスピードスターを手広くマークしていたという情報から大分強化部がスピードのあるサイドプレーヤーをどれだけ強く欲していたかがよく分かる。まだまだ衰えは全く見せないものの、大分の右サイド(時には左も)をずっと支えてきた怜さんも32歳。そろそろその部分にも手を入れ始めないといけないと感じてるのかもしれないね。ちなみに藤井、井上の1つ上の代の大学サッカー界の最強サイドアタッカーは今日の試合に右SBとして出ていた森下龍矢。スタメン予想見た時から彼をあんなに低い位置に閉じ込めてたら魅力は出ないと思ってたけど、その通りになった。63分頃に繰り出したスピードあふれる推進力のあるドリブルが彼の魅力だから、途中からWBにポジション変更したけど、最初からそこで使うべき。


試合自体はややダイナミックさに欠ける内容だったかなという印象。勝ったからいいけど、内容はセレッソ戦に比べるとかなり薄かった印象。特に攻撃面はスムースさもスピード感も欠けていてかなり後戻りしてしまっていたのではないだろうか。2枚のシャドーにストライカータイプの渡とサイドアタッカータイプの井上を置いたこともスムースさを欠いた一つの要因なのかなとは思った。しかし4ヶ月前はあれだけ存在感のあった町田也真人も昨シーズンはMVPレベルの活躍だった小塚も、野村も、小林成豪もベンチ入りすら出来ないのは相当に選手層が厚い。これから短い間隔で試合が続いていって疲労も蓄積されていくだろうけど、その時に片野坂さんがどういう選手起用をしていくか注目。


達也についてもシャドーでの起用がそんなにしっくり来ているという感じはなかったんだけど、今日の2ゴールはどちらも素晴らしいものだった。特に1点目のクロスからのヘッダーは本当に美しかった。これぞサイドプレーヤーという香川の見事なクロスと相手の間に立って捕まえさせなかった達也のポジショニング。なかなかこんなにキレイに決まることないよねというくらい美しかった。攻撃の構築にはかなり苦労した今日の試合だったけど、10人で作れないなら11人目のオレが作ると言わんばかりの高木のフィードでチャンスメイク出来るところがやはり今の大分のストロングポイント。アレがダメならコレ、コッチを見せといていきなりアッチみたいに試合の中で調整しながらたくさんの打ち手が出せるようになるのが理想だね。そういうメンバーが揃いつつあるし、練度を高めていけば十分にやれる。


次節は開幕から2試合で6ゴール無失点と何やらやたらと強そうな広島。今のうちの完成度だとちょっと歯が立たなそうな気はするけど、好ゲームを期待します。

今日はひとまず日常にサッカーが戻ってきたことを喜びたい。そこに勝ち点3がついてきたんだから言うことなし。
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進化を見せた2020バージョン(1節セレッソ戦)

2020-02-24 00:25:44 | マッチレポート20'
結果的にはまたロティーナさんのチームからゴールを奪えなかったわけだけど、昨日の試合に限っては文字通り「結果的に」奪えなかっただけと切り捨てていいと思う。とてもゴールレスだったとは思えないくらいに楽しい試合だったことがそれを物語っている。


去年までのゴールレスと違っているのは感覚的なものだけじゃなくて実際に数字にも表れている。

2019シーズン 第7節  アウェイ・セレッソ戦 6本

2019シーズン 第34節 ホーム・セレッソ戦  4本

2019シーズン 大分トリニータ平均シュート数 6.5本

2020シーズン 第1節 アウェイ・セレッソ戦 15本

如実に表れたのがシュート数。ポゼッション率が探せなかったんだけど、多分これもセレッソ戦に関しては上回ったはず。キックオフ直後から昨シーズンまでのように様子見をすることなくサイド深くまで侵入するとクロスを入れるまでの決断が極めて早くスピーディーに試合が展開した。守備に回っても決して洗練されているとは言い難いセレッソのボール回しを素早くサイドに追い詰めていくと最後はヨニッチが捨てボールを力なく前線に送り込むシーンが多かった。これの繰り返しで特に前半は完全に試合を支配した。


守備面に関しては特に知念と町田也真人の奪い切りにいくという姿勢のプレッシングが大きく貢献していたと思う。距離を詰めるだけでなくちゃんと足元まで奪い切りにいく2人のプレッシングには迫力がある。序盤に知念が瀬古のパスを引っかけてシュートまで持っていったシーンに象徴されている。他の局面でもすぐに1対2、もしくは1対3で取り囲みボールを奪還するシーンが続いた。昨シーズンまでは守→攻が発生する高さにこだわりは皆無(つまりどれだけ低い位置でもいい)だったと思うからプレッシングの強度については優先順位は低かったように思うんだけど、今シーズンはそこが違うのかもしれない。もちろん対ロティーナ的な部分もあったかもしれないが。


ただ一方でたった一つだったけど、昨シーズンまではほとんど見ることのなかった完全に裏を取られるというシーンが32分にあった。ノリさんがヘディングの目測を若干誤った感じもあったけど、前線への浮き球のパスで完全にブルーノ・メンデスに抜け出された。シュートが枠を外れたため事なきを得たけど、もう少し構えることで失点を最小限に留めていた昨シーズンまではあまり見なかったなという感想とともに先週感じた今シーズンは得点も増えるかもしれないけど、失点も増えそうだという思いを改めて実感した。


それと終始大分攻勢で進んだ試合展開はセレッソが先制後に受けきれると判断して自ら引きずり込んだものではないということが重要だと思う。そう判断する理由は2つのポスト直撃シュートを筆頭に本当にあと少しのところまでゴールに迫ったことだ。個人的にはこの試合で一気に今シーズンのチームへの期待感が高まった。この感覚が間違っていないことをこの後に続く試合で是非とも証明してほしい。絶対にやれる。


知念、町田、香川とスタメンに3人、途中出場で渡、野村と合計で5人の新戦力が開幕戦に出場。バランス的にもちょうどいいくらいだったんじゃないだろうか。全員がそれぞれに持ち味を発揮しそのどれもがこのチームにとって武器となり得ると感じた。特にインパクトを残したのはやはり知念。藤本とも違う、阿道とも違う、でもたまらなく期待感を抱かせるそのプレーぶりには開幕戦から熱くさせられた。移籍を決断した知念としては、「出場機会さえ十分にあれば必ずやれる」という思いがあったに違いない。その決断が間違いではなかったということはこの90分でよく分かった。最後のポスト直撃のミドルシュートが入らずに何となくザワザワとした気持ちで終わらせたことで言葉では言い表しがたい期待感が増幅した気がする。このザワザワ感がより大きな反動を呼び込んでくるような気がしてならない。



「結局ロティーナからはゴールが奪えなかった」ではない。確かに進化した2020バージョンの片野坂トリニータをこの目に焼き付けた。選手たちの気持ちはこの怜さんの表情に集約されていると思う。残念な結果には終わったけど、ガッカリなんて微塵もしてない。我々を期待させてくれるに十分な躍動ぶりだった。

さあ、次はごっちゃん迎撃だ!
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ゼロ(ルヴァンカップGS1節湘南戦)

2020-02-17 01:35:51 | マッチレポート20'
相手の枠内シュート実質ゼロで勝ち点ゼロはちょっと受け入れづらい。


高木についてはもう昨季からずっと言い続けてきているので、「またか」以外の感想はない。この落とした勝ち点1がGS突破にどう響くか、重要なのはそこだけ。これでカップ戦のスタメンすら変わらないのであればそれはもう公平な競争とは呼べない。


狙いを持った形での崩しもいくつもあったし試合全体を通しての感想としては十分に及第点だったと思うけど、ゴール出来ないという昨シーズンからの課題に対しての回答についてはゼロ回答だったと言わざるを得ない。セットプレー、特にCKは本数が多かったもののほとんど変化をつけずにやっていたのはリーグ戦への対策だと思っているけど、どうやって点を取りに行くのかの工夫の部分を一番楽しみにしている。


前半32分の8→3→38→3→9でヘッド枠外とか、前半40分の7→40→7→9でバックヒールとか、唸っちゃうようないい攻撃も目立った。どちらもパス&ゴーがキレイに決まった形だったし、昨季よりはアグレッシブに前に行こうという意図が少し見えた気がする。そうであるとすれば今季は得点、失点ともに増えることになるかもしれないから、試合を観る側もその心構えでいようと思う。


監督がこの試合をどう位置付けどう戦うかが大きな注目だったわけだけど、新戦力は知念、渡、町田の3人が先発起用された。三者三様でいいところを見せてくれたしリーグ戦に向けて期待を抱かせてくれるものだった。中でも個人的には町田也真人にいい印象を持った。プレーエリアが広くとにかくボールに絡みたがる。そしてボールさばきがうまい。チャンスメイクしてくれそうな期待感が持てる選手だなという印象。それとこの部分はちょっと意外だったけど、球際でけっこう戦える。昨季も今季もポジション争いがもっとも激しいのが2列目のポジション。また1人素晴らしい選手がこの争いに参戦してきたよ。


何度思い返してももったいなかったという感想しかわき上がってこないんだけど、まあ切り替えるしかない。得点力アップについてはゼロ回答と書いたけど、リーグ開幕戦はもう片野坂さんにとって宿敵と言ってもいいロティーナセレッソ。本当に点を取らせてくれないロティーナさんのチームに対して今日と同じことをやっていたらまず勝てない。前半終了した時には選手同士で話し合ってる姿が多く見られたし、監督とコーチ陣もすぐに立たずにベンチでそのまま話し合っていた。そんなところを見るにまだ試験段階の部分も多いんだろうと思う。だから片野坂さんも今日の試合で全ての手の内を明かしているとは思っていないので、来週もう一つレベルが上がった本当の新チームが見られることを期待している。
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