銀幕大帝α

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リチャード・ジュエル

2020年05月22日 16時23分43秒 | 洋画ドラマ
RICHARD JEWELL
2019年
アメリカ
131分
ドラマ/サスペンス
劇場公開(2020/01/17)



監督:
クリント・イーストウッド
『運び屋』
製作:
クリント・イーストウッド
レオナルド・ディカプリオ

出演:
ポール・ウォルター・ハウザーリチャード・ジュエル
サム・ロックウェルワトソン・ブライアント
キャシー・ベイツボビ・ジュエル
ジョン・ハムトム・ショウ
オリヴィア・ワイルドキャシー・スクラッグス



<ストーリー>
1996年、アトランタで爆破事件が発生。第一通報者のリチャード・ジュエルは、国家とメディアの陰謀により容疑者にされてしまう。彼は無謀な弁護士・ワトソンと共に巨大権力に立ち向かうが…。

1996年アトランタ爆破事件の実話
その日、全国民が敵になった――


―感想―

ある意味、胸糞案件の映画なんですよ。
爆弾を一番最初に発見した警備員のリチャード・ジュエルは多くの人の命を救ったとして「英雄」と称えられるが、FBIが容疑者欲しさにそのリチャード・ジュエルを犯人扱い、たった3日で天国から地獄へ。
ここら辺の描き方が陰湿で、女ジャーナリストとかの手柄の為ならなんとやらの姿にムカムカしてくるし、追い込まれていくジュエル母子がどんどん憔悴していく姿には胸が痛くなる。
そんな母子に一筋の希望の光を齎すのが弁護士のワトソン。
リチャードがあの時、ワトソンと会話していなかったら2人が手を組むて事はなかったんだろうな、神から与えられていた「縁」だったのかもしれない。

心優しいリチャードは積極的にFBIの捜査に協力するが、それが自然的に悪い方向へと傾く。
そんなんじゃだめだ!てワトソンはリチャードを𠮟責、「一切喋るな」とも言われ従おうとするけれども、つい口が出ちゃうのよね。
終盤でのFBIとのやり取りでもワトソンは「余計な事は絶対に言うな、分からない質問をされたら俺に振れ」と助言するが、リチャードは遂に溜っていた鬱憤を一気に吐き出してしまう。

「僕を容疑者に出来る決定的な「証拠」はあるのか!」

ない。
一気に黙り込むFBI達。
誘導尋問で容疑者に仕立て上げたかったのだが、「証拠」があるのかと逆に聞かれたら、あるはずがない。

「ない、のなら僕は帰らせて貰う」

このリチャードの強きの一言が無実への「勝利」を掴んだ瞬間だったね。
リチャードの後を追う様に席を立ったワトソンが一人ほくそ笑むのが印象的だったなあ。
正式に書類で「容疑者に該当しない」といった旨が書かれた事を通達され、驚きと嬉しさを混在させながらドーナツを頬張り、少し間をおいて号泣するリチャード。
そんな彼を「良かったな」と抱きしめるワトソン。
ここの流れには私も貰い泣きしそうになりました。

前述したように胸糞案件で話が進むのだけど、リチャードの無実を信じる「仲間」達の寄り添う姿勢が感動的で、特に母親を演じたキャシー・ベイツが涙ながらに大統領に向けて訴える演説のシーンとか、一人息子を溺愛しているが為に絶対的に私はあなたの味方といった表情の見せ方など、流石アカデミー主演女優賞女優ですわ、上手い!!
勿論サム・ロックウェルも、そして主人公を演じたポール・ウォルター・ハウザーも。

「君は何故ここまでされて怒らない!」
「怒ってるさ!でも僕は僕なんだ。こんな僕に変われ!て言われても無理なんだよ!あなたみたいにはなれなし、あなたからそんな事を言われるとは思わなかった!」

「なんで俺を弁護士として雇った?弁護士なら他にも腐る程いるだろ!」
「あなただけ、あなただけがあの時、僕を唯一「人間」扱いしてくれたんだ。だから僕はあなたに頼ったんだ!」

リチャードとワトソンの関係性がどんどん深まるそれぞれの台詞の厚み。
心に響いて来るものが多く、決して一言一句聞き逃してはいけないぞ。

≪これで自分が容疑者として成立してしまったなら、もし今後同じことが起きても第一発見者は「リチャードの二の舞だ」と思って何もせずに逃げるだろう≫

リチャードがFBIに対して言った言葉だが、説得力があるし、その通りだと思った。

今はSNSが主流となり、勝手な憶測での「犯人捜し」があったりするが、身に覚えのない事で「こいつが犯人」呼ばわりされるのがどれだけ怖いか。
リチャードの様に第一発見者だというだけで犯人じゃないかと決めつけられたりされたら堪ったものじゃない。
「正義」も大事だが、一線を越えちゃいかん。
そこら辺も含め、色々と考えさせられる作品だった。

評価:★★★★
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