ひどい話だ

 Yahoo!New(時事通信1月23日6時3分配信)によりば、今年10月にペンタックス経営統合する予定のHOYAの鈴木洋代表執行役最高経営責任者が、都内で開催された決算説明会の席上、出席者の質問に答える中で「リターンが出ず、転売した方が価値が付くならば、転売する形もありうる」と、発言したというのだ。

 「利益が出ないなら売り飛ばすぞ」と言うことだ。両社の経営統合の合意がなされたのが昨年の12月21日。そのわずか1カ月後、実際の合併予定の8カ月も前にこの発言って、ひど過ぎないか?ペンタックスの役員・従業員の皆さんは、さぞかし腹立たしい思いでいることだろ。

 こんなことなら、大手デジタルカメラメーカーの一角でありながら、高価格であり高収益が期待できる一眼レフタイプの製品を持たないカシオとの経営統合を目指した方が良いのではないかと郷秋<Gauche>は思う。

 こんな筋書きはどうだろ。
 カシオはコンパクトタイプデジタルカメラではキヤノンに次ぐ第2位の座を確実なものにしているが、売れ筋モデルの価格は3万円半ばであることから、台数は出ても収益はそれ程大きなものとならない。しかも、せっかくカシオのデジタルカメラを購入してもらっても、更に高級機種つまり一眼レフタイプを購入したいと思ったユーザーは、ニコンやキヤノンにいてします。いつまでたってもカシオは入門と通過のブランドのままである。

 カシオとペンタックスが経営統合し、カシオはペンタックスが持つDSLR技術に得意のローコスト、大量生産技術を導入し、入門クラスのデジタル方式一眼レフ(DSLR)をラインナップする。カシオブランドだけれど、レンズマウントはもちろんペンタックスの現行マウント(ペンタックスバヨネットKAF2)。

 ペンタックスブランドは、カシオブランドDSLR卒業生のための高級路線にシフトし、ニコンD200クラス以上の中~上級クラスのDSLRに専念する。もちろんカシオお得意のローコスト、大量生産技術を導入し生産コストを下げることによって1台当たりの収益率は上昇する。レンズマウントが共通だからカシオDSLRユーザーはスムーズにペンタックスDSLRに移行できる。ペンタックスDSLRユーザーがサブカメラとしてカシオDSLRを購入することも、もちろんありだ。

 カメラ・写真入門者のためのカシオブランドコンパクト --> 本格的写真入門・初心者のためのカシオブランドDSLR --> プロ・ベテラン写真愛好家向けペンタックスブランドDLSR、という流れだな。経営統合したからと言って無理にブランドを統合する必要はない。カシオにはカシオのブランドイメージとファンがいて、ペンタックスにペンタックスのそれがある。それを生かしてモデル展開していけは、両ブランドを合わせより多くのファン・ユーザーを取り込めること、必至である。

 ペンタックスよ、今からでも遅くはない。HOYAとの経営統合を白紙に戻し、カシオとの経営統合を検討してはどうだ。もし、カシオとの経営統合推進担当役員として郷秋<Gauche>を迎えたいというのであれば、組織に縛られずに自由に仕事をするのが似合いの郷秋<Gauche>ではあるけれど、一肌脱ぐのもやぶさかではないぞ。


 今日の1枚は、桜の倒木に生えていたキノコ。一見グロテスクなようで、良く見ると実に素晴らしい紋様です。
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