VILLA D’EST

 今日は、昨日書きましたVILLA D’EST(ヴィラデスト)のワイナリーをご紹介いたします。

 毎日(土日だけだったかも。気になる方は要確認)午後1時と3時からワイナリーの見学ツアーがあるようですが、郷秋<Gauche>はランチまでの時間を利用して1時からの回に参加しました。ワイナリーの見学と云ってもサントリーやサントネージュの工場のように大規模なものではありませんし(って、ホンとに小さなワイナリーなんです)、仕込んでいる時期でもないのですが、やはりVILLA D’ESTのファンとしては是非とも見ておきたいところでした。

 規模が規模ですので「工場」見学のような要素はありませんので、当然のこととして玉村さんが何故この地に住まい、葡萄を作り、ワインを作ることになったのかと云う話から説明が始まるのですがこのことは実は、玉村さんの「今日よりよい明日はない」(集英社新書 2009年6月22日 第1刷発行)の第一章に書かれています。郷秋<Gauche>が云いたいのは、本に書かれている事をそのまま説明されたと云うのではなく、それだけ創業の精神・経緯を大切にしていると云う事です。どんな事業にあってもこれは大切なことで、創業の精神を大切にしている組織の成す事に間違いは無いと、郷秋<Gauche>は確信しているのです。


 玉村さんが描いた大きな葡萄の絵が掲げられた醸造所。左右に見えているステンレスのタンクが搾った葡萄汁を入れて発酵させるためのタンクです。


 上の写真の右手の壁にも葡萄の絵が掲げられています。


 VILLA D’ESTの小さなワイナリーの上にはレストランがあり、ワインと食事を楽しみながら発酵用のタンクや熟成のための樽を見下ろす事が出来るようになっています。山梨や長野には小規模なワイナリーが沢山あるのは知っていた郷秋<Gauche>でしたが、小規模と云っても採算ベースに乗せるためには最低でも10万本程の規模が必要なのだとは今回初めて知りました。

 VILLA D’ESTは約70樽、2万本規模との事でしたので、一般的な意味では採算ベースの届いていないわけですが、その分はレストラン他の営業や、玉村ブランドのグッズ販売で補っているということなのでしょうか。気になったのは、待っているお客様に早く届けるためにと、醸造開始初期のワインの貯蔵が無いこと。

9月1日追記:上記の下線の部分について、誤解を招く可能性があるとのご指摘をVILLA D’ESTから頂きました。「ワイナリーの開業間もない頃は生産量が少なかったことから毎年夏が来る前に完売してしまう状況で醸造開始初期のワインの貯蔵がほとんどないとのこと」とすべきでした。なお、頂きましたメイルによれば、ワイナリー開業時に新しく植えた苗木が生長して収穫量が増え最近のヴィンテージでは、「ライブラリー・ストック」の本数を増やすことができるようになったとの事。これらのワインの一部は、随時おこなわれる「テイスティング・サパー」などで提供される場合があるようですので、味わう機会を楽しみにしたいと思います。
 また、頂きましたメイルにより、ヴィンテージ・ワインが高価なのはメーカーから買った業者がストックしている(または転売した)するからだと云うこと、VILLA D’ESTのワインは秋に仕込んで樽に入れ、翌年の夏の前後に瓶詰めし、さらに半年以上瓶の中で熟成させてから販売していること、白は3年、赤は5年ほど経つと見違えるほどおいしくなること等も知る事ができました。お忙しい中ご丁寧な説明のメイルを頂き恐縮至極でしたが、大変勉強になりました。玉村さんはじめVILLA D’ESTの皆さん、ありがとうございました。(追記、ここまで)

 郷秋<Gauche>的にはワインは新しい程美味しいと思っているけれど、(って、十分熟成させた高価なワインは高価すぎて買えないと云うことだけど)やはり、少数であっても、結果として高価になってしまったとしても、10年後、20年後に醸造開始間もない頃のVILLA D’ESTのワインを飲んでみたい気もします。

 三枚目でご覧頂いている熟成用の樽一つでボトル300本分なのだそうです。VILLA D’ESTではこの樽が約70とのことですのでボトル2万本となるわけですが、これを増やしてワインだけで採算ベースに乗せるのか、多少高価(山梨の地場ワイナリーのものに比べてほぼ2倍?)になったとしても高品質なものにこだわるか。VILLA D’ESTは当然後者の道を選ぶことだろうけれど、いずれにせよ郷秋<Gauche>はその選択を支持したいと思っています。

注:写真撮影はOKとの事でしたが、考えて見たらWebsiteやblog掲載可否までは確認しませんでした(只今確認中)。「否」との場合には写真を削除しますので予めご了承ください。と書きましたが、写真の掲載はまったく問題ないとお返事をいただきました。ホッ。
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恩田の森、更新

 本日、恩田の森で撮影いたしました写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now 
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郷秋<Gauche>の葡萄の木


 これが郷秋<Gauche>の葡萄の木です。品種は「メルロー」。赤ワインの原料となる葡萄です。郷秋<Gauche>がこの木のオーナーになったのはもう5、6年前のこと。行きたい行きたいと思いながらなかなか適わなかったのですがようやく先週末、葡萄の木を見に行くことができました。

 この木があるのは長野県東御市のVILLA D’EST(ヴィラデスト)。ヴィラデストはエッセイストにして画家でもある玉村豊男さんが始めた「ガーデンファームアンドワイナリー」。ワインの醸造を始めたばかりの頃に「苗木」会員の募集があり、その時の第一期会員となったのでした。

 受付で名前を告げるとすぐに地図に郷秋<Gauche>の木の番号を書き込んで教えてくれました。カフェ&ショップの建物からほんの数分のところにメルローの畑があり、その12列目の手前から5本目が郷秋<Gauche>の木で、ご覧頂いたようにちゃんと「郷秋<Gauche>」と書いたタグが付けられていました。

 ちょうど葡萄の実が色づき始めたところで写真に撮るには一番良い時期に訪れる事が出来たようです。それにしても、何百本もの木があるのに名前を云えばすぐにその木の場所がわかり、しかもきちんとタグが付けてあるなど、VILLA D’ESTの管理の良さには驚きました。

 苗木会員になって4年ほど経った一昨年のクリスマス前に初めてこのメルローで醸造したワインが届きました。そして昨年のクリスマスの前に二本目が届いたのですが、少し熟成させた方が美味しいだろうと思い二本ともワインセラーならぬ冷蔵庫の野菜室の奥で眠らせているところですが、一日に数回、無理やり揺すり起こしてしまっているので余り意味は無いかも(^^;
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写真展出品作品紹介(4)

 現在、相模原市南区某所で開催しております写真展に出展している作品をご紹介いたします。今日は全4点の内の4点目、最終回です。


タイトル:仄明かり
撮影場所:金沢市(ひがし茶屋街)
カメラ:Nikon D40X
レンズ:AF-S DX VR ZOOM-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)

 残念ながら簾越しでは中の様子を伺い知ることはできませんが、土産物店や喫茶店などに改装される建物がある中で、今でも茶屋としての営業を続ける店も少なくありません。茶屋と云ってもお茶を飲ませるわけではなく、芸妓のいる高級料亭です。
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写真展出品作品紹介(3)

 現在、相模原市南区某所で開催しております写真展に出展している作品をご紹介いたします。今日は全4点の内の3点目です。


タイトル:夕暮れ時
撮影場所:金沢市
カメラ:Nikon D40X
レンズ:AF-S DX VR ZOOM-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)

 ひがし茶屋街の入り口にある三味線屋の店先。観光客がそぞろ歩く中で土地の人々の生活がまた営まれているのが不思議な感じですが、そんな生きている街だからこそ魅力があるのでしょうね。
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写真展出品作品紹介(2)

 現在、相模原市南区某所で開催しております写真展に出展している作品をご紹介いたします。今日は全4点の内の2点目です。


タイトル:浅野川慕情
撮影場所:金沢市
カメラ:Nikon D40X
レンズ:AF-S DX VR ZOOM-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)

 穏やかな流れの浅野川に架かる浅野大橋から見る、暮れなずむ主計町(かずえまち)茶屋街。この写真を見た金沢在住の友人からは「在り来たりでつまらん」と云われましたが、確かにそうかも知れません。
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田中長徳氏は勘違いしている

 田中長徳氏が書いた「カメラに訊け!」(ちくま新書、2009年3月10日第1刷発行)を読んだ。この中で田中氏は、郷秋<Gauche>的に超訳すると「デジタルカメラはホンの1、2年でモデルチェンジするから信用ならんしけしからん。それに引き換え自分のライカは誕生以来50年以上になるのにいまだに現役で使う事ができる。カメラと云えばライカ。デジタルカメラは無論のこと、ライカ以外のカメラは『糞』である」と書いている。しかしだ、田中長徳氏ともあろうお方が、大きな間違いを犯しているぞ。

 写真技法は1837年にルイ・ジャック・マンデ・ダゲールにより発明されている(フランス学士院で発表されたのは1839年だが、その2年前で自作の「ダゲレオタイプ」で撮影に成功している)。「ダゲレオタイプ」と呼ばれるそれは世界最初の実用的写真技法であったが、銀メッキをした銅板などを感光材料として使用し露光(露出)時間も数十分と長いなど、撮影することでネガフィルムを作り、そのネガフィルムからプリントを得ると云う、現代の写真技法とは大きな隔たりがある。

 1837年以来、多くの人のたゆまぬ努力によって、(35mmフィルムを使う)現在のカメラの直接の先祖と云っていいUr Leica (ウル・ライカ)が登場するのが1914年、21世紀の現在でも実用に供しえるM3の登場が1954年、田中長徳氏の愛器、M2(M3の廉価版。番号は若いが発売は後)の登場が1958年である。

 つまりだ、田中氏のM2はダゲレオタイプの発明から何と121年もの間、改良に改良を重ねた結果の、35mmフィルムとレンジファインダーを使うカメラとしては完成形であり、その後はそれ以上のカメラは登場していない(時代はNikon Fなどの一眼レフに移りレンジファインダーは顧みられなくなったのが実態)。戦前のライカは日本では「家一軒」と云われる程高価。高価かつ高品質(機械としての工作精度が高い)だったからこそ今でも使えるのである。

 デジタルカメラはと云えば、コダックが世界最初のデジタルカメラを開発(原理の発明)したのが1975年、最初に市販されたデジタルカメラとなったFUJIX DS-1P(現富士フイルム)の登場が1988年、実用に供せる事を世に親しめることとなったデジタルカメラであるカシオQV-10の登場が1995年、ニコンD3S&Xの先祖、D1が発売されたのが1999年。デジタルカメラの出現以来わずか22年。より現実的かつ実用的なカメラの登場からは10~15年しか経っていないのである。つまり、デジタルカメラは進化の途上にあるのだから、改良型が1年と云わず半年毎に登場するのも当然のことである。

 もう一度繰り返す。Leica M3は一世紀以上の時間をかけて進化してきたレンジファインダーカメラの完成形であり、田中氏が愛でるM2が登場した1958年に、ダゲレオタイプを愛用していた写真家もしくは写真愛好家は(ダゲレオタイプの愛好家を除けば)皆無であったと断言できる。同時に、発展途上にあるデジタルカメラにおいては現時点の最高峰であるD3SとD3Xがプロ用機材として使われているが、1、2年の後により高機能・高画質なD4シリーズが登場すれば、最先端のプロは当然のこととして挙ってD4に買い換えることになる。これが完成された(あるいは進化から取り残された)カメラと進化途上のカメラの違いである。

 50年前に既に技術的に完成されカメラと現在進化の途上にあるデジタルカメラとを比較して、Leicaは素晴らしい、デジタルカメラは「怪しからん」と云う田中氏の時代感覚、取り分け科学史的な感覚を郷秋<Gauche>は疑わざるを得ない。もっとも氏はそんなことは先刻承知の上であえて「Leicaは素晴らし、デジタルカメラは怪しからん」と書くことで耳目を集め自著の売上げを伸ばそうとしている確信犯なのである。大したものだぞ、田中長徳。
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写真展出品作品紹介(1)

 現在、相模原市南区某所で開催しております写真展に出展しておるます作品をご紹介いたします。全4点の内、今日はその初回です。


タイトル:主計町夕景
撮影場所:金沢市
カメラ:Nikon D40X
レンズ:AF-S DX VR ZOOM-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)

 3年前の10月初めに急に思い立って金沢を訪れた時に撮影したもので、金沢市内を流れる二本の川のうち「女川」と呼ばれる浅野川西岸にある主計町(かずえまち)茶屋街の夕景。観光客の歩く川沿いの道はまた、街に住む人々の生活の道でもあるのです。
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実はひっそりこっそり写真展

 6月から7月にかけての4週間、写真展を行ったばかりの郷秋<Gauche>ですが、実はまたまた、今度は小田急線相模大野駅近くの某所で行われている写真展に4点程出品中なのであります。今回は全52点出展の内の4点ですのでblogでは事前のお知らせもせずにひっそりと出展しております。ひっそりとですので場所等のアナウンスはいたしませんが、出展作品につきましては明日から4日連続でご紹介させていただきたいと思います。


 今回は「一応」ちゃんとしたギャラリーです。中央に見えている3点とその左側に1/8くらい見えているものの4点を出展しています。
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D95じゃなくてD7000?!

 昨夜、D95がどうのこうのと書いたばかりの郷秋<Gauche>だが、今朝の(と云うか現地昨日の)Nikon Rumorsを見たら、D95じゃなくてD7000なんだって。

 8月1日に郷秋<Gauche>はD90の次はD95と云う小文を書いた。勿論元ネタはNikon Rumorsで、これまでD7000とかD8000と云われていたD90の後継機のモデル名はD95であると云うNikon Rumorsの記事を「垂れ流し」にしたものであった(^^;

 それがここに来て「D95ではなくてやっぱりD7000だ」って、これだから噂話は楽しいぞ(^^)。ま、D3000の後継機がD3100となると、当面継続販売されるD5000の後継機はD5100だろう。最上級(プロ用)はD一桁で上級(D700とD300S)はD三桁、そして入門・初級~中級はD四桁と云う棲み分けはわかり易くていい。D90の後継機がD7000ならその次はD7100だから当分の間ネーミングで悩まなくて良いことにもなるし、目出度しめでたしだ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、すみよしの森あかねの森の間を流れる恩田の森唯一の水系、奈良川の清流。東急田園都市線の恩田駅とこどもの国駅の中間にこの奈良川を渡る鉄橋があるが、その下にあるのが今日ご紹介する「恩田の滝」。って、随分すごい説明だが、こうも猛暑が続くと飛び込みたくもなる奈良川なのである。
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D95はファインダー視野率100%でデュアルスロット

 例によってNikon Rumorsによれば、D90の後継機(おそらくD95と呼ばれることになる)は、ファインダーの視野率が100%でメモリカードスロットが二つ、つまりデュアルスロットになるのだと云う。

 D90の後継機については、郷秋<Gauche>も8月10日に
1. D8000ではなくD95と呼ばれることになるようだ
2. イメージセンサーは1600万画素(1200万画素)
3. フォーカスポイントは31点。(11点)
4. アルミもしくはマグネシウム製ボディ(エンプラ)
5. 9月15日前後に発表となる
 (カッコ内は現行D90の仕様)
事を書いているが、更に上記の通りスペックに関する情報が更に漏れてきた。D300Sの後継機登場の噂が余り聞こえてこない今、3週間後にD95がこの仕様で登場することとなれば、19日に発表されたばかりのD3100と既存のD5000同様の「下克上」となる事は必死。

 しかしだ、D90後継機に視野率100%のファインダーを投入とは、ニコンの力の入れようが知れるところだが、果たしてメモリカードスロットが二つも必要であるのかについては、郷秋<Gauche>は大いに疑問だぞ。あるいは動画用と静止画(写真用)の二つのカード用だと云うのなら判らないでもないが。

 さてここで、これまでプロ機の証とまで云われた視野率100%のファインダーについてちょっと触れておきたい。現行のD90のファインダー視野率は約96%である。と云う事は、ファインダーをのぞいて正確にフレーミングしたつもりでも実は更に上下左右4%が写り込んでいることになる。

 逆に視野率100%のファインダーのカメラで撮影した場合を考えてみよう。視野率100%だから、完璧なフレーミングが要求される一方、カメラ側はその作者の意図を完璧に反映した画像を記録してくれる。問題はその後、その画像をプリントした時に起きる。

 例えば天地をぎりぎりにフレーミングした時に、その画像をプリントすると天地が作者ファインダーで切り取った時以上に切れたプリントが出来上がる事になる。所謂「ケラレ」である。例えば人物の頭の上に数ミリ程度の余裕を持ってフレーミングしたつもりなのに、出来上がったプリントでは頭の上部が少し切れてしまうというような事が起きる。

 このプリントを額装すると、更に上下左右10mm程度がマットの裏に隠れることになるから先の例で云えば、頭の上は更に切れてしまうことになる。視野率100%のプロ機で撮影すると、プリントの時にケラレ、更に額装の際にケラレてしまい、撮影の際にフレーミングしたものに比し随分と小さな絵になってしまうのである。

 これに対して、例えば視野率96%のファインダーを持つカメラで撮った場合には、データとしてはフレーミングしたものより少し広め(大き目)の絵が記録されることになるから、プリントの際にケラレてもフレーミングしたものよりもまだ少し広め(大き目)の絵であり、額装してちょうど良いということもまま起きる。

 プロは視野率100%のファインダーのカメラで撮影しながら、この絵は印刷媒体に使う、あるいはWebに載せる、はたまたプリントして額装するなど、撮影後の用途を考えながら多少広めに押さえておいたり、きっちりぎりぎりにフレーミングしたりと、自在に撮影しているのである。勿論アマチュアでもそこまで考えながら撮影できるのであれば視野率100%のファインダーを大いに活用できるのだが、これをできる人は多くはないだろう。

 視野率100%とするためには、相当大きなペンタプリズムが必要になり、その分大きく重たくなり価格も上昇する。そんなこんなを考えると、初級・中級機の場合には視野率95~96%程度のファインダーがちょうど良いのではないかと思う。だから、ニコンがD90後継機のファインダー視野率を100%にすると云う噂は眉に唾して読んだ方が良いと、郷秋<Gauche>は思うぞ。

注:ファインダーのことについては、視野率だけではなく実は「倍率」も併せて考えなければならない重要なポイントである。視野率100%よりも倍率100%のファインダーの方がより見易いファインダー実現のためには必要なのではないかと思っているのだが、どうもこの問題にはメーカー、ユーザー共に目が行かないようで改善の兆しが無いのを残念に思う郷秋<Gauche>である。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、暑さのせいなのか、例年にも増してやけにたくさん見かける蝉。
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デジタル一眼、ミラーレス一眼、EVIL

 Yahoo! Newsに「デジタルカメラ ミラーレス好調 小型軽量で高画質」(毎日新聞)と云う記事登場(see here)。郷秋<Gauche>も19日に同様の記事を書いたばかりだが(see more)、一般紙でも話題になるほど「ミラーレス」が売れ、注目を集めていると云うことなのだろう。Yahoo! News掲載の記事にあるグラフを見れば一目だが、ソニーがNEX3&5を発売して以降、確かに顕著な変化があるのだ。

 ところで件の記事タイトルにもなった「ミラーレス」(記事の中では「ミラーレス一眼」だが、この名前、郷秋<Gauche>はどうにも気になって仕方がない。

 この手のカメラの名称のベースになっているのが「一眼レフ」であるが、この「一眼レフ」は、撮影用とファインダー用に二つのレンズを持ち、かつファインダー用に鏡(ミラー)を使ったレフレックス機構を持つ「二眼レフ」に対して、レフレックス機構を用いることで撮影用とファインダー用のレンズを一つのレンズで共用する形式のカメラを指している。

 この「一眼レフ」が高級カメラの代名詞になり40年後、フィルムがイメージセンサーに置き換えられた時に「デジタル一眼レフ」と云う言葉が登場した。この名称はフィルムではなく、イメージセンサー(撮像素子)と記憶媒体(CFなどのメモリカード)を使う形式であるために「一眼レフ」の前に「デジタル」の後を追加した、わかり易い命名であった。

 問題はその後である。一眼レフに形は近いものの、一眼レフの最大の特徴であったレフレックス機構とペンタプリズム(あるいはペンタミラー)を排し、電子ビューファインダーで撮影画像を確認する方式のデジタルカメラが登場した(Lumix DMC-G1)。これがEVIL(Electronic Viewfinder with Interchangeable Lensの省略形)だが、何故か日本では「一眼レフ」のレフの二文字を外して「デジタル一眼」あるいは「ミラーレス」と呼ばれた。

 この時に付けられた「デジタル一眼」「ミラーレス」から「ミラーレス一眼」と云う名前が派生し現在に至っているのだが「デジタル一眼」「ミラーレス一眼」と云う名称はレフレックス機構を持たず(つまり「一眼レフ」ではない)かつ、撮影とファインダー兼用の一つのレンズしか持たない全てのカメラを意味している。その意味では例えばオリンパスのE-PL1もソニーのNEX5もルミックスGF1も「デジタル一眼」「ミラーレス一眼」だし、その他ほとんど全てのコンパクトタイプのデジタルカメラも「デジタル一眼」「ミラーレス一眼」なのである。

 レフレックス機構を持たず、レンズ交換が可能でかつコンパクトタイプのデジタルカメラよりも大きなイメージセンサー(マイクロフォーサーズもしくはAPS-C)を持ち、光学系であるか電子式であるかを問わずファインダーを持たずにモニターを用いて撮影画像の確認とピント合わせをするカメラに対して、その成り立ちを簡潔に表す名称が必要とされているのだが、これがないまま「この種」のカメラが急激に増殖している。

 しかしだ、レフレックス機構を有する光学ファインダーにより正確なピント合わせとフレーミングが可能で、かつ両手とファインダー接眼部の三点支持により手振れを最小限にとどめることのできる「一眼レフ」と「デジタル一眼」はまったく違う種類のカメラであるということを認識しなければならない。そのためには「一眼レフ」とはまったく違った名前とカテゴリが与えられる必要がある。そうじゃないと、「一眼レフ」の代用品と誤解して「デジタル一眼」を購入して、コンパクトタイプデジタルカメラと大きく違わない出来栄えにがっかりすることになるのである。

 例えばオリンパスのE-P2やE-PL1、ソニーのENX3 or 5、あるいはルミックスGF1の購入を考えている方に郷秋<Gauche>は申し上げておく。これらの「デジタル一眼」とか「ミラーレス一眼」と名乗るカメラは、あくまでもレンズ交換が可能な「ちょっと大きなコンデジ(コンパクトタイプノデジタルカメラ)」であって、デジタル一眼レフの代りになるものではありません。

 確かに35mm換算(以下、同様)で35mm前後の準広角単焦点標準レンズもしくは28-70mm程度の標準ズームレンズを使用する限りにおいては「コンデジ」よりは明らかに綺麗な写真を撮る事ができますが、150mm以上の望遠レンズやマクロレンズを使った撮影においてはかなりのスキルのある方以外の場合、相当な確立で手ブレやピンポケでがっかりすることだろうと云っておきます。理由は先にも書いたとおりモニター上でのフレーミングとピント合わせ、手ブレが起きて当然の撮影スタイル(フォーム)によるものです。

 そんなこんなで今すぐにでもその成り立ちとスタイルに相応しい名前がほしいところだがが、「一眼レフ」の二強であるニコンとキヤノンから、いま「デジタル一眼」とか「ミラーレス一眼」と呼ばれているタイプのカメラが登場した時に、各々が自社の「一眼レフ」と区別する為に相応しい名前を付けてくれるものと、大いに期待したい郷秋<Gauche>である。

注:「デジタル一眼」や「ミラーレス一眼」を否定するものではありません。郷秋<Gauche>自身もオリンパスE-P2のユーザーであり、一眼レフでは大仰過ぎるしコンパクトタイプでは物足りない時、E-P2がその性能をもっとも発揮できるシーンで活躍しています。


 見かけることの少ない胡麻の花です。あの小さな胡麻粒からは想像のつかない綺麗な華を咲かせます。「誤魔化す」と云う言葉がありますが、菓子の材料として使う米粉、小麦粉などの質が悪いと出来上がったものの味も落ちますが、そんな米粉、小麦粉にも胡麻を混ぜると風味良くなることから「胡麻菓子」が転じて「誤魔化し」となったということです。なるほど。
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恩田の森、更新

本日、恩田の森で撮影いたしました写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now 
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ニコン・デンマークによれば

 Nikon(ニコン)デンマークの、おそらくD3100と4本のレンズ発表後に行われたQ&Aセッションの中で幾つかの興味あるコメントがあったようなのでお知らせしたい。ただし、郷秋<Gauche>のつたない英語力による「超訳」なので、誤りがあった場合にはお許しいただくと共に是非ともご指摘いただきたい。ニュースソースは例によってNikon Rumorsである(see here)。

重要なポイント1
 “I think we will see at least one more launch before Photokina. But the question is whether it is a new D300 or D700. I doubt it. I think the D90 stands for replacement within.”
 フォトキナまでに重要なモデルをもう1台発表する。それはおそらくD90の後継機たるD95でありD300(S)、D700の後継機ではない。
 このことについて書くのはいささか疲れた感のある郷秋<Gauche>である。フォトキナの前にD95が登場するのは既定の事実としても、問題は取り分けD700後継機登場のタイミングである。今年初めには今すぐにでもD900が登場するのではないかとの噂に振り回されたわけだが、今に至っても相変わらず出そうで出ないD700の後継機である。

 郷秋<Gauche>的には現用のD300の後継はD700の後継機に決めているし、D300もサブ機として使い続ける事を決めているが、やはりD300Sの後継機登場のタイミングは気になるところである。しかしだ、それにも増して気になるのは郷秋<Gauche>にとっての「FX」である。つい最近もヨドバシ各店においてD700の在庫が少なくなっているのはD700後継機登場の前兆ではないかと書いたばかりなのだが・・・

重要なポイント2
 “D5000 continues”
 郷秋<Gauche>は昨日、D3100のレンズキットが67,320円であるのに対してD5000レンズキットが53,820円であると書いた(ボディのみだとD3100の58,320円に対してD5000は61,020円。価格はいずれにyodobashi.comによる)。まさに「下克上」であるが、それでもニコンはD5000の販売を続けるようである。いったいD5100(D3100に習って郷秋<Gauche>が勝手に付けたモデル名)はいつ登場するのか。

昨日ご紹介した通り、(クラス毎では)型番から見たヒエラルキーは既に崩壊し、常に最新のモデルが高性能であるという云うのがDSLR(デジタル方式一眼レフ)の常識だが、メーカーとしてはいつまでもこう云う「下克上」(逆転現象)を続けているわけにはいかないだろうから、D5000の後継機も早晩登場することにはなるのだろう。

しかし、現状では高価になり過ぎたD3100の下、つまり」DSLRの最底辺は相変わらずD3000が支え、その上にD5000、そしてD3100という構造がD5000の後継機登場まで続くということになるわけだな。これはD40Xが登場したあともD40が長くニコンDSLRの底辺を支えたのに似ている。ニコンお得意の手かと思えばさにあらずで、キヤノンも高価になってしまったKiss X4発売の後もX3の併売を続けてシェアを維持している。

重要なポイント3
 “It’s nothing new about an EVIL camera. Sorry.”
 「そうですか」としかコメントのしようがない。そもそも、我が日本のメーカーであるニコンの新製品に関する情報を国外のサイトから得なければならない状況というのが、郷秋<Gauche>には理解できんぞ。

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D3100は高価過ぎます

 昨日発表になったNikon(ニコン)D3100ですが、さっそくyodobashi.comにも登場ました。が、郷秋<Gauche>はその価格を見てびっくり驚きました。はっきり云って高すぎです。

yodobashi.comでの価格は次の通りでした。(ポイント分減算済み。以下同様)
D3100ボディのみ  58,320円
D3100レンズキット  67,320円
D3100 Wレンズキット  98,820円

これに対して現行モデルの価格は次の通り。
D3000ボディのみ  35,720円
D3000レンズキット  在庫なし
D3000 Wレンズキット  48,150円

D5000ボディのみ  61,020円
D5000レンズキット  53,820円
D5000 Wレンズキット  67,320円

D90ボディのみ  78,120円
D90レンズキット(18-55mm) 83,520円

 ニューモデルが発表された後に、その新製品と間もなく型落ちになるモデルとの価格を比較するのはフェアじゃないけれど、それにしてもD3100が高価なのかがお判りいただけることだろう。しかしだ、こうして書き出してみるとレンズキットがいかに廉価であるのかが良くわかる。D5000に至ってはレンズキットよりもボディのみの方が高い逆転現象が起きているし、標準ズームと望遠ズームがセットになったWレンズキットはレンズ2本が付いてボディのみの価格にわずか6,300円上乗せと云うとんでもない価格なのである

 このクラス用の標準ズームレンズは解像度等のテスト結果を見ると非常に高性能なのにも関わらずこんな具合で、メーカーがいかにキットを売りたいかが良くわかる結果であるが、もし郷秋<Gauche>が上にあげた中から買うとすれば、ボディ価格にわずか5,400円を上乗せした83,520円で手に入るD90レンズキットである。この価格はD3100レンズキットよりも16,200円高いが、D3100と比べれば2クラス上のカメラである事と、一ヶ月後に後継機が登場するのが確実であることを割り引いても「大いに買い」だと郷秋<Gauche>は思うぞ。


 すみよしの森にある百日紅の花の下の野仏。野仏とは云ってもご覧の通りコンクリートブロックで作られた「覆い堂」の中に鎮座している。おそらくこの前にある道路が整備された時にこの場所に移されたものなのだろう。
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