国内線にファーストクラス!?

 国内線の旅客をANA(全日本空輸)に奪われ不振が続くJAL(日本航空)が、業績回復の切り札として収益率の高い「ファーストクラス」を導入するとの報道を新聞で読んだ。

 JALは既に通常の座席よりも幅の広いシートの「クラスJ」(通常運賃に1000円追加)を2004年から導入していたが、更にゆったりしたシートで高級料亭の弁当も楽しめるANAの「スーパーシート」(通常運賃に3000~5000円追加)に奪われた客を再び呼び戻すための切り札として、国際線のファーストクラスに相当する豪華なシートをサービスを登場させるというのだ(名称は未定の様子)。

 最も乗客の多い東京-札幌便でさえも1時間30分、次いで多い東京-福岡便で1時間45分(復路は1時間35分)、一般的には最も長距離となる東京-那覇便でさえも2時間30分(フライト時間3時間25分の札幌-那覇便もあるが、季節により直行便はわずかに1便程度と少ないのでここでは例外として考えたい)の国内線に「ファーストクラス」が果たして本当に必要なのか大いに疑問な郷秋<Gauche>である。

 郷秋<Gauche>も「クラスJ」の前身たるJASのレインボーシートを何度か利用したことがある。確かにリッチな気分でフライトを楽しむことができた。わずか1時間30分程度のことではあるけれど、更に快適なサービスが提供されるクラスがあれば利用したいと言う旅客がいることは確かだろ。

 JALの旅客離れが、サービスに対する不満、よりリッチ(快適)な旅を求める旅客のニーズに応えていないが為のものであるならば、これでよい。だがしかし、JALの旅客離れの主たる原因は度重なる運行トラブル、もっと言えば、あわや大惨事を引き起こしかねない「事故」によってもたらされたものである。

 ならばだ、旅客を取り戻すための唯一の方策はトラブルを無くすこと、つまり徹底した安全対策を行うこと以外には無いはずである。それなのに、旅客が離れ収益が落ちたから収益率の高い「ファーストクラス」を登場させるって、勘違いにも程があるんじゃないか、JAL。

 今日の1枚は、一昨日、昨日に続いて郷秋<Gauche>の郷里近くの冬の田園風景。先の2枚は須賀川市のもの、今日の写真は天栄村で撮影したのものです。
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