唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ペンタックスK-01は美しくないかも
Photo RumorsにPENTAX(ペンタックス)の新しいミラーレスカメラ、K-01は「こんな感じだ」と云うイラストが掲載されていた(see here)。
はっきり云って、不細工だ。正面から見た図はなんて事のない今どきのデジタルミラーレス一眼だが、上から見た形が何とも感心できない。右手で持つシャッターボタンのある辺りはごく普通のミラーレス一眼なのだが、レンズマウント部分だけ異常な厚みを持っているのだ。だから、上から見ると実に不格好なカメラに見えるのだ。
しかしだ、考えてみればボディのレンズマウント部分だけが厚くなっているのは当然の結果。つまり、K-01がミラーレスでありながら、ミラー有りのSLR(一眼レフ)用、つまりK-5と同じKAFマウント、レンズを使うことになっているからである。
SLRでの使用を前提に設計されたKAFマウントのフランジバックは45.46mmであるが、レフレックス機構を持たない「ミラーレス一眼」のフランジバックは、一般的に18~20mmである。K-01はミラーレスなのでフランジバックは本来20mmもあれば十分なはずなのに、45.46mmのKAFマウントレンズを使おうとすることから、マウント部分については25mm程度かさ上げ、つまり厚みを持たせなければならないことになるのだ。その結果、他の部分に比べてマウント部分だけが異様に厚い、不格好な姿となってしまっている。
ただ、致し方ない事情もペンタックスにはある。DSLRとミラーレスの両方をラインナップしているカメラメーカーは、SLRとミラーレスのフランジバック寸法の違いから、Nikon(ニコン)においては、Fと1、ソニーにおいてはαとE、オリンパスにおいては4/3とM4/3と云うように、それぞれ専用のマウントを備えたレンズをシリーズで用意している。
注:ニコンの場合、SLR用にはイメージサークルの大きさの違いによってFX用とDX用の2シリーズが存在しているので、1マウント用を入れると3系統のレンズを用意していることになる。
しかし、2系統のレンズを用意すると云う事は、ニコンのような大手のカメラメーカーにとっても相当な負担になることは間違いない。ペンタックスは、ミラーレスに進出するに当たって、自社の経営規模、財務内容、シェアなどを考えた結果、フランジバックの短い、新たなマウントを策定するのではなく、カメラボディが不格好になることに目をつぶり、これまでのKマウントのレンズ資産を生かす方を取ったのである。
タイトルを「美しくないかも」とし、本中にも散々不細工だ不格好だと書いたけれど、ミラーレスでありながら45mmものフランジバックが必要となるアンバランスを、ペンタックスのデサイナーがどう消化解決し、あるいはこれを逆手に取った、どんなユニークな形を見せてくれるのか、実は密かに楽しみな郷秋<Gauche>なのである。
例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、雪の後のなるせの森の谷戸の畑。日当たりの良し悪しがが一目で見て取れる。
タムロンが2位!
既に旧聞に属するが、BCNランキングがPC及び同関連商品・デジタル家電の累計販売量が最も多かった企業を分野別に表彰するBCN AWARD 2012を13日に発表していた。
全107部門の中には勿論DSLR(デジタル方式一眼レフ)部門もあり、こちらは1位がキヤノン(46.3%)、2位がニコン(39.2%)そして3位は大きく離れてペンタックス(7.5%)であった。例年になくキヤノンとニコンの差が大きくなったのは、郷秋<Gauche>が幾度も書いている通り、洪水被害によりニコンのタイ工場での生産が著しく低迷したことによる。決して2011年のニコンDSLRに魅力がないと云う事ではない。
ちなみにミラーレス一眼部門では1位がオリンパス(36.6%)、2位パナソニック(29.3%)、3位ソニー(27.3%)で、やはりオリンパスが強いものの、追うパナソニックとソニーも善戦していると云える結果だ。
さて、今日の小文のタイトルにした「タムロンが2位!」になったのは、交換レンズ分野である。1位はキヤノン(21.7%)、そして栄えある2位はシェア20.3%のタムロン。僅かな差で2位の座をタムロンに奪われた3位に転落したニコンのシェアは19.7%であった。
昨年はキヤノン(24.9%)、ニコン(20.4%)、タムロン(15.5%)の順であったから、やはりニコンのタイ工場の生産がストップした影響は大きかったと云うことである。。ちなみに4位のデータは公表されていないが、2010年には14.1%で3位となったシグマであることはまず間違いがない。
しかしだ、ニコンもよもやタムロンに、キヤノンに次ぐ2位の座を奪われるとは考えもしていなかったことだろうな。随分をショックも大きかったことと思うけれど、2012年のニコンは2011年に発表できなかったカメラボディとレンズの新機種を大量に市場に送り出し、両部門でトップを目指すこと必至である。その第一弾としての、2月7日の発表が楽しみなニコンである。
と云う訳で今日の一枚は、タムロンと云えばマクロ、マクロと云えばタムロン。タムロンを代表する、安いからではなく積極的に選ばれる唯一のサードパーティー製レンズ、90mm Macro。奥の方からちょっと顔を見せているのは、2012年には3位の座を狙おうかと云うシグマの10-20mm。勘違いする向きがあると困るので念のために書いておくが、ニコンを蹴落としての3位狙いではなく、キヤノン-ニコン-シグマ-タムロンと云う序列の中での3位狙いである。
日課
昨日の神奈川新聞にこんな行(くだり)を見つけた。
「週2回、(剣)道場に通うのが日課だった」
日課とは、毎日決まってすることである。例えば「朝のラジオ体操が日課である」「近所の神社まで愛犬と散歩をするのが私の日課です」「帰りには、日課のように近所のコンビニに寄った」等々。毎日必ず、大抵の場合時間を決めてするのが日課である。そんな日課の意味を考えると「週2回、(剣)道場に通う」のは日課じゃなくて、そう云う言葉があればだが、「週課」だと思う。
では、「週2回、(剣)道場に通うのが日課だった」をどう添削すればよいだろうか。
1. 週2日、休まず道場に通った。
2. 週2日、必ず道場に通った。
3. 週に2日ではあったが、休むことなく道場に通った。
4. 週2日、道場に通うのが習いであった。
5. 週2日、道場に通うのを楽しみにしていた。
記事は、神奈川県警の若い警察官が、東日本大震災で被災した地元宮城県に約1年間特別出向することを伝える、なかなか良い記事である。件の部分の前後を紹介しよう。
幸い両親は無事だった。津波は沿岸から3~4キロは程離れた実家の直前まで迫ったが、引いていった。ただ大切な人を失った。恩師の渡辺兵一さん。中学校からの剣道の師匠だった。
週2回、道場に通うのが日課だった。午前7時半から9時半までの2時間。「剣道の基礎の基礎から教わりました。本当に優しく指導してくれました」
前後の文章との「馴染」を考えると、3番だろうか。あるいは5番か。3番の場合、実は休み勝ちであったとしたら事実と反することになる。となると5番か。楽しみではない時もあったかも知れないが、6年間続けたようだし、剣道を続けたことが警察官になるきっかけの一つであったかも知れないことを考えると、5番で良いような気がする。
開花の時を待つ、猫柳の花芽。茶色の外皮が落ちると、名前の由来ともなっている銀白色の花穂が現れる。
縦位置で撮ろう
郷秋<Gauche>が知る限り、動物の目は一つではなく二つある。そしてその目は水平方向にやや離れて並んでいる。自分の目の数と位置を思い浮かべていただければわかる通りで、人間以外の多くの動物も同じような位置関係にある二つの目を持っている。
何故か。多分、目はとても大切なものであるから、片方がダメになって一定の役目を果たすように最初から二つある。ならば三つ四つとあれば良さそうだが、こういう動物は妖怪以外にはないようだ。大事な器官でも心臓は一つしかないから、あらかじめスペアが用意されているという説明にはあまり説得力はないかも知れない。
目が二つある理由。それは、自分のある物との距離を測るためである。一つではある物と自分との間の距離を測ることが出来ない。まったくできないかと云うとそうではなく、近くの物は大きく、遠くの物は小さく見えるから、ある程度の遠近の判断はできるが、極端に大きなものは実際以上に近く見えるし、小さい物は実際以上に遠く見えるから、困ることも起こる。
目が二つあれば三角測量の原理を引き合いに出すまでもなく、カメラのレンジファインダーの構造を引き合いに出すまでもなく、ある物と自分の間の距離を測ることが出来る。
では何故二つの目は垂直方向に、つまり、額と顎にあるのではなく、水平方向に並んでいるのか。それはきっと、水平方向に広く見渡し、水平方向にある物との距離を正しく把握するためだろう。垂直方向に広く見渡しても、その多くは空であり、一般的に空から敵が襲ってくることは少ないからだ。外敵の多くは後ろも含めて水平方向から襲ってくる。後ろにも目が欲しい所だが、後ろから襲われる(追突される)可能性のあるクルマには、目の代わりになるバックミラーが付いている。
話しがどんどん主題から離れていってしまった。軌道修正。
何故動物の目が水平方向に二つ並んでいるのかについて書いたのは、だから写真も横長なのだと云いたかったからなのである。写真つまり、カメラのファインダーは横長であり、当然ファインファーの見えた物を記録するフィルムもイメージセンサーも横長である。当然の結果として、横長の写真が出来上がる。
勿論、そのカメラを90度傾ければ縦長の写真を撮ることが出来るが、横長の写真を撮ることを前提につくられたカメラを90度傾けて撮影するのには、程度の差こそあれ、困難が伴う。縦長スタイルのローライ(リコーでもヤシカでもマミヤでも良い)の二眼レフを90度傾けて撮影することを想像すれば、それがどんなに困難な事かがすぐにわかるだろう。だからこそ、プリントの時に横長でも縦長でも自由にトリミングできるように二眼レフはロクロク(6×6、ブローニーのフィルムを真四角に使う)だったのではないかと想像するのだが、当たっているだろうか。
長い間、写真の基本フォーマットは横長であったが、10数年前に、もっぱら縦長の写真が中心となるジャンルが出現した。カメラを内蔵した携帯電話の出現である。携帯電話のディスプレイが縦長であったことから、カメラのイメージセンサーも縦置きとされ、原則としてすべての写真は縦長となった(ケータイを90度傾ければ勿論横長の写真が撮れるが、見る時にもケータイを90度傾ければならない)。
携帯電話のカメラで撮る縦長の写真は、人間の目が横に二つ並んでいて水平方向を広く見渡せるという構造からすると、実に反機能的なスタイルであると云わざるを得ないが、携帯電話が縦長であると云う構造上(操作の面からは縦長がベストだったのだろう)、人間の視界とは違和感があるフレーミングとなるのは致し方のない事だったのだろう。
やたらにいろいろ書いてしまったが、要するにほとんどすべてのカメラは横長の写真を撮ることを前提に、横長の写真が撮り易いようにカメラ自体も横長の形をしている(カメラ自体が縦長のスタイルでありながら横長写真を撮る京セラの「サムライ」のような変り種がない訳ではない)。
だから、そういうカメラで縦長(縦位置)の写真を撮ろうとすると結構厄介なことになるのだが、ポートレートや、空の高さを強調したい風景の場合など、どうしても縦位置で撮りたい場合がある。そうなるとカメラを縦に構えることになるのだが、もともと横位置での撮影を前提につくられたカメラなので、シャッターボタンを押すために、腕や手首を不自然な形に動かくことが必要になる。それが嫌なばかりに、縦位置で撮った方が良い被写体なのに、横位置で撮ってしまうことになる。
そこで、縦位置専用のシャッターボタンを搭載したペンタックスOptio VS20の登場である(フーッ、ようやく結論。詳しくはこちら)。通常の横位置撮影用のシャッターボタンの他に縦位置専用のシャッターボタンを搭載しただけではなく、セルフタイマーでの記念写真も縦位置で撮れるように、縦位置用の三脚穴も備わっている。これまであるようでなかったカメラの登場である。
最初に書いたように、目の構造上、人間は横位置で書かれた絵や撮られた写真お方が安定感を持って見ることが出来るようだ。もっとも古くからある人物画の多くが縦位置で描かれてうるが、それは多分、自分の目で人を凝視する時には視角が狭く、つまり縦長になっているから、縦長に絵を描き、その縦長の絵を見て違和感を持たないのだろと思う。
そのように、縦長が自然である被写体や、いつもとはちょっと違った見せ方をしたい場合など、積極的に縦位置で撮りたい場面は、実はたくさんある。ありそうでなかった縦位置撮影用の機能を搭載したOptio VS20は、実に画期的なカメラだと、郷秋<Gauche>は思う。これなら縦でも横でも自由に撮れる。こんな画期的なカメラを世に送り出したペンタックスに、郷秋<Gauche>は拍手をおくりたい。
今日の一枚は、マルチバッテリーパックMB-D11を装着したNikon(ニコン)D7000。コンパクトカメラでの縦位置撮りよりもSLR(一眼レフ)での縦位置取りは腕の取り回しなどの点でより厄介であるが、このような、縦位置用のシャッターボタンを備えたバッテリーパックを装着すると、横位置の時と同様に実にスムーズに縦位置撮りができるようになる。シャッターボタンだけではなく、絞り操作用のダイヤルやAFポイントの移動に使うセレクターも装備され、横位置の時とほぼ同じように操作することが出来る。ただし、露出補正用のボタンがないのが唯一の、しかし大きな不満。次のモデルでは是非とも改善してもらいたいものである。
雪の朝
Facebookのウォールに撮影直後に投稿していた写真ですが、blogの方にも載せたら?と云うDMを頂きしましたので、掲載することにいたしました。
例の東京都下某所、雪の朝の森の教会です。私が学生の頃にはもっと礼拝堂の建物が見えていたような気がするのですが、30年も経てば樹木も大きくなり、その陰になって礼拝堂が見えなくなるのも当然ですね。
【郷秋<Gauche>のからのお願い】 今日のタイトルは、是非とも「雪のあした」と読んでくださいな。
D800は2月7日
Nikon Rumorsによれば、Nikon(ニコン)D800は2月7日に発表されます。また2月2日にはCoolpixが発表されます(see here)。なお、2日と7日と云う日付に関しては”For all US readers this means the official press release will be around midnight on February 6th and February 1st respectively.” と書かれていることから、日本時間と云う事になりますね。CP+のニコンのブースが黒山の人だかりとなること間違いないでしょう。
それは既定の事実です
Nikon Rumorsが「Nikon D700 & D300s are now officially discontinued」と云うタイトルの記事を掲載している(January 25, 2012 / 日本時間では26日)。
Nikon(ニコン)の旧製品のページにD300SとD700と云う型番が掲載されたことにNikon Rumorsは驚いているようだが、これは既定の事実。ニコンは昨年11月8日に、2011年11月20日以降から強化される改正電気用品安全法に適合しなないことを理由に、D300SとD700及びいくつかのアクセサリー類の日本国内出荷を、11月19日をもって終了する旨のアナウンスをしている。郷秋<Gauche>はこのことについて同日中に書いて掲載している(see here)。
D300SとD700は昨年11月20日以降、日本国内市場には出荷されていない訳で、つまりその時点で旧製品扱いになったと云う事なのである。話がそれるが、このような状況を英語でdiscontinuedと云うことから、これを短縮して「ディスコンになった」と云い・書く方がおられるが、郷秋<Gauche>はこう云う英語でも日本語でもない省略の仕方・使い方は好きではないので、長たらしくなるが、出荷停止とか、製造終了あるいは廃番などと書くようにしている。
さて、昨年の11月8日現在、D300SとD700の後継機は登場していなかったのは無論のこと、いつ発表すると云うアナウンスさえも出されていなかった。この状態は今日現在も続いているのだが、プロユースのD3シリーズを除くと5つしかないモデルの内の2つがニューモデルの発表を待たずに廃番となってしますと云うのは実に珍しい事と云えるだろう。確かにいずれもその時点ではそれほど沢山売れているモデルではなかったけれど、D3100、D5100と云った入門機と比べれば利益率の大きな商品なだけに、経常利益への貢献度は台数以上に大きなものがあったはずである。
そんな重要なモデルであるのも関わらずD300SとD700を出荷停止にして早2ヶ月以上が経っているが、いまだにニコンからは両機の後継に関するアナウンスはない。まっ、D700の後継機については2月初旬のCP+開幕前に発表、3月下旬に発売となることが予想されるが(それでも出荷終了からは丸々4ヶ月ものブランクが生じる)、D300Sについて云えば、発表。発売時期どころか後継機が出るのかさえ分からない状態である。
昨日にもちょっと書いたが、今のニコンには売るべきDSLRがない。カタログにはD3100、D5100、D7000が載ってはいるが、タイ工場の洪水被害により、生産量が大幅に減少しており、市場での流通量が異常に少なくなっているのである。モデル最後期となっているD3100は、十分な量の生産・販売が出来ないままD3200にバトンタッチすることになる可能性もある、苦しい苦しい2011-2012のニコンなのである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、一昨日の朝、郷秋<Gauche>のオフィスのあるビルの屋上かから北西方向を撮った一枚。手前が町田市金井町に広がる住宅地、その向こうが東京都多摩市との境に残っている森。遠くに見えるのは、丹沢から高尾山に続く山々である。普段は見たくもない自然破壊の景色が、雪で覆われると、見れないでもなくなるのが不思議である。
ニコンD3200がまもなく登場か
入門者用には最適なDSLRではあっても「ファン」なカメラではないのであまり話題にはなっていないが、Nikon(ニコン)D3100の後継機、D3200がまもなく登場しそうな気配。気配の元は、例によってNikon Rumors。Nikon Rumorsに、アマゾンのUK、ドイツに続いてフランスでもD3200の解説本の注文受付始まったとの記事が掲載されていたのだ。
Nikon Rumorsの記事とは関係なく、郷秋<Gauche>が約1年前に書いたこちらの記事(記事中の画像をクリックするとPDFファイルが開きます)の中で、D3200が2011年12月に登場するだろうと書いていたのを覚えている方はおられるだろうか。
PDFファイルには「Nikon DSLR発売状況一覧(2011年2月13日現在)」と云うタイトルがつけられているが、ようするに「ニコンDSLRの系譜」である(2012年版で名称変更の予定)。この中で、郷秋<Gauche>はD3200が2011年12月に登場するであろうと予想していたのだが、その予想は見事に外れ、いまだD3200は登場していない。
登場していない原因はお気づきの通りタイの洪水被害なのだが、D40XからD60登場まで11ヶ月、D60からD3000までが17ヶ月、D3000からD3100までが14ヶ月であったことを考えれば、D3200登場のタイミングは既に過ぎている訳で、2月第一週の発表が予想されているD800と同時に発表、約一カ月後に発売と云う可能性は十分ある。
しかしだ、情けないことに、ご紹介した2011年2月13日現在の「ニコンDSLRの系譜」に記した新製品発表予想の内、当たったのはD5100だけだったなぁ。もっともこれとて3月発売と予想していたが、3.11大震災の影響により実際には4月の発売であった。D800は、開発の遅れとタイの洪水被害によって2012年2月まで発表がずれ込む見込みなのは周知の通り。
D4シリーズの予想はまったく当たらなかった。D400は2011年9月登場と予想したが、こちらは後継機が出るのかどうかさえ判らないまま、D300Sの国内販売が終了している。2011年は6機種が登場し、2005年以来の大豊作になるだろうと書いたのだが、出たのはD5100のみで、新製品どころかD300SとD700の国内販売終了、D3100、D5100、D7000共に洪水被害のための生産量激減により流通段階の在庫もなくなり、昨年末以降は売るべき商品が無くなると云う、踏んだり蹴ったりの2011年のニコンであったな。
例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の冬枯れの雑木林の向こうに見えるランドマークタワー。ランドマークタワーは、横浜のみなとみらい地区に立つ日本で一番高いビルである。ちょうど一年前、このビルの上層階にあるローヤルパークホテルに泊まった時、恩田の森からランドマークタワーが見えるのだから、ランドマークタワーからも恩田の森も見えるはずだと散々探したのだが、恩田の森が見えるどころかどのあたりにあるのかさえ、まったく判らなかった(^^;
樹氷?
樹氷と見紛うほどに美しく装った今朝の樹木たち。昨夜9時頃から降り出した湿った雪は夜半には止んだが、その後気温が下がったために枝先付いた雪がそのまま凍ってしまったようである。首都圏ではなかなか見ることのできない美しい今日の朝であった。
ニコン、キヤノン以外が面白い
どんな業界でも同じだが、業界最大手と呼ばれるようになると、面白い、あっと驚くような製品が作れなくなる。かつてのトヨタ、日産がそうで、登場するのはまったくつまらない70点主義のクルマばかり。そんな時期に「欲しい!」と思われるクルマを作ったのが、四輪車業界最後発のホンダだった。
そのホンダも大手三社の一角を占めるようになるとミニバンメーカーに成り下がり、クルマ好きから見向きもされなくなる。いま面白いのは例えばスズキや、トヨタの資本が入ってはいるけれどしっかり「味」を出しているスバルだったりする。大手と云われようになると冒険が出来なくなるのだろうな。良く云えば伸びる余地がある弱小メーカーの方が思い切ったクルマを出すことが出来る。
カメラも同じ。ニコンとキヤノン、世界のカメラ界を席巻する両雄からはプロユースの立派なカメラが4年に一度出てくる。これでもかと云う最新技術テンコ盛りのフラッグシップだが、高価なんだから凄くて当たりまえ。凄いとは思うけれど、ちっとも心ときめかない。ところがだ、カメラメーカーとしては弱小の富士フイルムのX100やX10はどうだ。今どき1200万画素なのにカメラ小僧ならぬ「カメラ親爺」がこぞって買に走っているではないか。
リコーのGR DIGITALはどうだ。いいDSLRを持っているクセに、カメラ親爺がポケットからこれ見よがしに取り出すのはGR DIGITALではないか。まるでかつてのRollei35みたいだ。GRXだってそうだろう。オールドレンズが使いたくてMマウント互換のA12ユニットを買ってニヤニヤしているオヤジが大勢いると云うではないか。リコー傘下のペンタックスからはQよりも大きなイメージセンサーを持つミラーレスがCP+に登場するとの噂しきりだ。
オリンパスOM-Dはどうだ。まったく噂の段階でしかないと云うのに、この盛り上がりは!一昨日に郷秋<Gauche>が書いたOLYMPUS OM-Dには昨日一日で485ものアクセス(ユニークなIP数)があった(トータル816ものアクセスとなり、gooの全blog、1,675,734中506位、記憶の限りでは最上位を記録した)。OM-Dに興味を持ったのはオヤジだけではなく郷秋<Gauche>のような若者(^^)も多いようだが、それにしても凄い人気となっている。
驕る平家は久しからずか、はたまた栄枯盛衰か。大手と云われるポジションを我が物とすると冒険が出来ない、面白い製品が出て来ないだけではなく、いつしか企業そのものの寿命が尽きる時がやって来る。企業の寿命30年説が俄かに現実味を帯びても来るが、一方、トヨタがレクサスLFAを出す、ホンダがハイブリッドハイブリッドNSXを出す、ニコンが「1」を出すなど、最近では大手・老舗が結構刺激的であったりもするから面白い。そうそう、もうじきキヤノンからも刺激的な新製品が登場するかも知れない。
タイトルには「ニコン、キヤノン以外が面白い」と書きながら、そうでもない結論となってしまったけれど、まっ、郷秋<Gauche>の気ままな独り言と、お許しいただきたい。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、郷秋<Gauche>の冬の散歩道。S&Gの冬の散歩道とは相当雰囲気が違う(^^;
フクロウ?
なるせの森の尾根道を下ってきたら、番爺谷戸の番犬「ナナ」が尻尾を振りながら大きくクヌギの木の周りをまわって上を見ている。なんだろうと思って郷秋<Gauche>も見上げると随分上の方に梟(フクロウ)がいる。フクロウ?と思って良く見ると、何と灰色の毛の猫ちゃん。
ナナの飼い主のMさんが現れて云うには、ウコッケイの小屋に近づこうとしたのをナナが見つけて追いかけられたためにクヌギの木に登って逃れたのだとか。良く見るとまだ子猫だ。いつまでも木の上にいる訳にもいかないだろうと思っていたらMさんがナナを尾根道の方に散歩に連れて行った。ナナがいなくなっても郷秋<Gauche>がいたのではフクロウ猫ちゃんも降りて来られないだろうと思い、振り向かないようにしてゆっくり谷戸の入口に向かって歩き出した。
フクロウ猫ちゃん、無事に木から降りて住処に帰ることが出来ただろうか。
OLYMPUS OM-D
OLYMPUS(オリンパス)の往年の名機、OM-1(M-1)のデザインコンセプトを借用したデジタルカメラ、OM-Dが今春発売されるとの情報がしばらく前からいくつかのカメラ情報サイトに頻繁に掲載され(see here)、数日前にはその全容だとする画像(明らかにフェイク)、そして昨日にはシャッターボタン付近の画像がネット上に掲載された(see more)。
また、19日付けのmsn産経ニュースには「名機OM、デジカメで復活へ オリンパス」と云うOM-1の画像を大きく掲載した記事(OM-1の画像は「オリンパス提供」と明記されている)が掲載された。これに対しして、オリンパス側は「当社から発表したものではなく、話せることは何もない」(広報・IR室)とコメントしたことが報じられている(see here)。
OM-1(M-1)が発売されたのは郷秋<Gauche>が大学に入学した年であるが、その頃の大学生の多くはペンタックス、ミノルタ、ニコマート(ニコンは買えなかった)などを使っていたと記憶している。少しずつではあったがオリンパスを使う者も出てはきたが、郷秋<Gauche>は「サロンパス?」などと馬鹿にしたものだったな。
PENがデジタルで復活した時に郷秋<Gauche>は、このオリンパスの戦略を随分と感心したものだ。だってそうだろう。40年前にも決してメジャーとは云えなかったオリンパスだが、それでもしっかりしたデザインポリシーを持ち、それが現代でも通用するもので、それに気が付いた人がいたのだから。経営的にはお騒がせの会社だが、技術力・デザイン力はたいしたオリンパスなのである。
さて、そのオリンパスOM-Dだが、ネット上の噂を総合すれば横浜で開催されるCP+の開催前日、2月8日に発表されるのだと云う。2月8日に発表され、翌日からCP+で展示されると云う、実に判り易いシナリオであるが、果たしてその通りとなるのかどうか注目したい。
残念ながらOMシリーズを所有・使用したことはないので、今日の一枚は郷秋<Gauche>が持っているオリンパスの中から、1979年発売のXA。もう33年前のカメラだが、35mmフィルムを使いながらの超小型、電源スイッチ連動のバリア式レンズカバー、F2.8と明るいレンズ等、見るべきところは多いカメラである。ちなみに手前のプレートに記されたロゴタイプはオリジナルPEN Fの物であるが、33年前のXAに刻印されたOLYMPUSのロゴは現在のものとまったく同じもののようである。
コダックが経営破たん
イーストマン・コダック社(写真のフィルムで有名だった、あのコダック)が19日、連邦倒産法第11章(chapter 11)の適用をニューヨークの裁判所に対して申請したと発表。chapter 11は日本の民事再生法に相当するものだ。要するに破算したけれど、事業を整理しながらなんとか再生の道を探ろうと云う事なのだろうが、再生は難しいだろうな。
そもそもフィルムの需要がないんだから、需要がある中で経営破たんした、例えばJALが短期間で再上場しようかと云うのとは訳が違う。とは云っても、最近のコダック社の売上の内、フィルムなど写真感光材が占める割合を郷秋<Gauche>は知らない。もっとも、他に売れていた物があるかと云うと、そう云う話しも聞こえて来てはいなかったから、やっぱり売れている物がないのだろう。
と云う訳で、今日の一枚は、コダックのフィルムが入っていた缶。もっとも、これがなんだかわかるのは、相当古い写真愛好に限られるだろうから、ちょっと解説を。
35mmフィルムは、パトローネと呼ばれる小さなケースに詰められて売られている。それをカメラにセットして、出ている「ベロ」を巻き取り筒のスリットに挟み込んで何枚か空撮りすることでフィルムのセットが終了するのはご存じだろう。フィルムをパトローネに詰めたことにより明るい所でも扱えるようになり35mmフィルムが爆発的に普及した訳だが、少量のフィルム(24枚分とか36枚分)をパトローネに詰めるために結果として割高となった。
ならば小分けにされていない長いままのフィルムを買って来て自分で必要な分だけパトローネに詰めれば割安に使えるだろうと云うことで登場するのが缶入りの「長尺フィルム」である。直径11cmの缶に100フィート(30.5m)入っていて、パトローネに36枚分ずつ詰め込むと17本分くらい取れたはず。通常の36枚撮りのフィルムの半額近くになるので、学生時代には随分愛用したものです。
それにしてもこの缶、30年の年月を経てすっかり黒光りしていますが、もとは綺麗なシルバーだったと記憶しています。今でも買い置きのボタン電池や「ネジ」入れとして現役で活躍しています。
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