八月尽

 暑くて長かった八月も今日で終わりです。八月が終わったからと云って涼しくなる保証はまったくないのですが、それでも八月が終わるかと思うとそれだけでホッとするから不思議なものです。

 今日の一枚は仙石原の湿生花園で撮った、猛毒で有名な鳥兜(とりかぶと)。色と云い形と云い美しいのですが猛毒と知ってるからなのか、どことなく近寄り難い雰囲気がありますね。近くにあった名表には「奥鳥兜、箱根には無い」と書かれておりました。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」。ただいまは8月15日に撮影した写真を5点掲載いたしております。酷暑に見舞われた森の様子をご覧いだけたら嬉しいです。
このところの酷暑続きのため散歩を止められております。涼しくなリましたら再開いたしますのでしばしご猶予ください。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori

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#箱根 #仙石原 #湿生花園 #奥鳥兜 #トリカブト

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吾亦紅

 漢字で「吾亦紅」と書いて「われもこう」。吾木香とも書くようだ。
 地面から大人の腰下あたりまで茎を伸ばして、枝分かれした先に赤褐色の穂状花序を着ける。花弁は無く赤褐色のものは萼片である。花に気を取られて気づかないことがあるが、根から出る長い葉柄の先に羽状複葉がある。バラ科とのことだが、見た目からはバラの親戚とはとても思えない。

 北海道から九州までの日本列島のほか、朝鮮半島、中国、シベリアにも分布。アラスカでは帰化植物として自生しているとのこと。ヨーロッパや北米大陸にも分布と書かれたものもあった。だとすると、北半球のほとんどの地域で生育していることになるか。源氏物語にも「吾亦紅」の名が登場するとのことなので古くから日本にもあったことがわかるが、原産地の情報を見つけることはできなかった。

 名前の由来は「吾もまた紅なり」とワレモコウ自身が唱えた、中国の皇帝がこの花の匂いを気に入り、「吾も請う」と言ったことに由来するなどの説があり面白い(実際はほとんど香りはない)。夏の終わりを告げる花かと思っていたが、花期は6〜10月と書かれたものもあった。しかし、吾亦紅が映えるのは夏が終わり尾花の穂がで始める頃。吾亦紅はやはり秋の花だと思う。

 撮影地は箱根・仙石原。事実関係に誤りがありましたらご指摘ください。

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#箱根 #仙石原 #吾亦紅 #ワレモコウ

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小鬼百合

 仙石原の湿生花園の小鬼百合(こおにゆり)。
 見かけた時に、我が家の鬼百合と比べてやけに華奢な鬼百合だなぁと思ったのですが、近くの植物名札に「小鬼百合」とあり、納得。

 冷涼な山地の草原や湿地に生育とのことなので仙石原はまさに自生地ということになるでしょうか。鬼百合に良く似ていますが全体に小ぶりで、ムカゴは作らず結実し種で増えるようです。

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#箱根 #仙石原 #小鬼百合 #コオニユリ #箱根湿生花園

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苔の岩

 仙石原の小川で見つけた苔に覆われた小さな岩。

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#箱根 #仙石原 #苔生した小さな岩

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蓮華升麻

 昨日、仙石原の湿生花園で撮った蓮華升麻(れんげしょうま)。キンポウゲ科レンゲショウマ属。
 花が蓮に、葉が晒菜升麻(さらしなしょうま)に似ていることから蓮華升麻と名付けられたとのことです。

 近くにあった植物名札には「本州(中部)の山地のやや湿った林に生える多年草。箱根には無い」と書かれておりました。

 本来箱根にはないはずの植物が何故「箱根湿生花園」で花を咲かせているのかは、謎です。

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#蓮華升麻 #れんげしょうま #箱根湿生花園

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夏を送る

 今日は乙女峠を下り、籠坂峠を越えて山中湖まで足を伸ばしてみました。
 来た甲斐がありました。湖の上には青い空と夏の名残の雲。湖岸に続くカフェのテラス席で湖水をわたる風を感じつつ暫しの休息。夏を惜しむひと時。

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#山中湖 #晩夏の湖 # 夏を送る #風立ちぬ #乙女峠 #籠坂峠

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箱根湿生花園

 10年ぶりくらいの箱根湿生花園でした。そして夏の終わりに来るのは初めてか知らん。平日だからなのかコロナ禍だからなのかは分かりませんが、人が少なくゆっくり見られて良かったです。ただ残念だったのが、植物につけられた名表に「箱根には無い」と書かれた植物が少なくない数あったこと。明日以降いくつかご覧いただいたと思っておりますが、箱根の湿生花園にどうして本来箱根にないものを植えているのか疑問です。珍しいものを植えておけば観光客が喜ぶと思っているのだとしたら、それは大間違いだと思いますぞ。

 と云うわけで今日の一枚は湿生花園から仙石原ススキ野原方面を見た図。手前中央のオレンジ色は小鬼百合(こおにゆり)、手前右端のピンク色は禊萩(みそはぎ)。

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#箱根湿生花園 #自然の植生を大切にしたい #コオニユリ #ミソハギ

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星の王子さまミュージアム

 幾度もその前を通りながら、どうせ子供騙しだろうと高を括り素通りしていた「星の王子さまミュージアム」(博物館類似施設)に入ってみました。展示内容は「星の王子さま」とその作者であるサン=テグジュペリに焦点が絞られているためかなり充実したものでした。ガーデンデザイナーの吉谷桂子氏によるお庭も手入れも行き届いて素敵でした。入場者は若い女性がほとんどでしたが、「星の王子さま」とサン=テグジュペリのファンであれば年齢を問わず楽しめる内容だと思います。ミュージアム全体が、サン=テグジュペリが若かりし頃過ごした1900年代初頭のフランスの街並みをテーマに作られており、小さいながらもテーマパークとしては実に良くできていると感心した次第です。コロナ禍の中の月曜日ということもあり、入場者も多くなくゆっくり過ごすことができたことも好印象の一因であったかとは思いますが。

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#星の王子さまミュージアム #サン=テグジュペリ #箱根 #仙石原 #吉谷桂子 #博物館類似施設

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アキノタムラソウ

 夏の終わり頃から森の周辺部や道端などで花を咲かせるアキノタムラソウ。昨日ご覧いただいたバジルと同じシソ科なので花の形はよく似ている。アキノタムラソウを漢字で書くと「秋の田村草」なのではないか、「田村」と聞くと坂上田村麻呂と関係があるのではないかと勝手に想像を膨らませているのですが命名の経緯は判らず。

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#アキノタムラソウ #秋の田村草 #シソ科

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バジルの花



 家人が二階のバルコニーのプランターで育てていたバジルの花が咲いていたからと、食卓に持ってきたので撮ってみました。ちっと前には毎日のようにカプレーゼを食べていたのですが、花が咲き出すと葉が硬くなって風味も落ちてくるのでこのところちょっとご無沙汰。
 こうして花を見ると「しそ」の仲間であることがよくわかりますね。

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#バジル #バジリコ #スイートバジル #シソ科

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古典とは

 歴史学者の與那覇潤氏が書いていた。
 「繰り返し読むたびに新たな発見がある本を、古典と呼ぶ」。
 実に明快。名言である。

 これに倣えば、「繰り返し聴くたびに新たな発見がある音楽を、古典と呼ぶ」と云うことになる。古典=クラシックと捉えるならば、バッハ・モーツァルト・ベートヴェンを筆頭とする作曲家が作ってきたものが所謂クラシックであるだけではなく、いまだに繰り返し聴かれ聴くたびに新たな発見と感動とがある、マイルス・デイヴィスが牽引した時代のジャズも、史上最も大きな人気をもって後に強大な影響を残したビートルズの音楽もまたクラシックと云うことになるだろうか。

 「古典」と成り得るか否かについては、例えば純文学、大衆文学とカテゴライズされることが少なくない文学の世界においても云えるだろう。芥川賞を取ったから純文学であり、直木賞だから大衆文学であると云うのは易い。初出時には「純文学作品」ともてはやされた作品であっても10年後には顧みられないこともあるだろうし、「大衆文学」と云われても50年後にも輝きが失せない作品もあることだろう。

 「繰り返し読む」とは、短期間に繰り返し読む(聴く・見る)ことよりも長いスパン、つまり10年、50年、100年の時を経て読む(聴く・見る)たびに、なお新たな発見と感動をもたらすことであると解した。すべては時のフィルターを通して価値あるものであることが証明される。歴史を学ぶ意義がそこにあると云うことになるだろうか。

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、黄花コスモス。

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#與那覇潤 #古典度とは #クラシックとは #真に価値あるもの #時のフィルター

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空蝉

 空蝉とは、蝉の抜け殻のことであり同時にこの世に生きている人間、そしてその人間の世界のこと。蝉の抜け殻と現世に生きている人間もしくはその世界とは本来何の関係もないはずなのだが、この哀しくも美しい抜け殻を見ているとこの世に生きる人間、そしてその世界までもが儚くそして哀しいものに思えてきて仕方がない。あたかもこのコロナ禍を引き起こしたのが人間であり、その人間が大いなる力により罰せられ生ける実態のない抜け殻そのものにされてしまった、あるいはその抜け殻の中に閉じこめられしまったかのような錯覚を起こすのである。しかし一方ではそれは決して好ましからぬことではなく、蝉の抜け殻になることが、あるいはその抜け殻の中に閉じ込められてしまうことがむしろ自らが望む好ましいことでもあるかのような錯覚に陥るのもまた事実である。空蝉を見ているとそんな取り留めもない堂々巡りが始まり、果たしていつどうやってこの堂々巡りを止めることができるか思案に余る夏の夜である。

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#空蝉 #堂々巡り #空蝉を見て思うこと

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楽器屋さんの消毒液スタンド(その二)

画像はヤマハのHPより

 7月初めに、ドラムスとフルートのパール楽器が、ドラムセットのスタンドとペダルを応用した、足で消毒液を出せるスタンドの製造・販売を始めたことを書きましたが https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/341c5a50cb7a902325e9487c1facca34 今度はヤマハから同様の消毒液スタンドが登場というニュースです。

 さすがのヤマハさん、ペダルはピアノのそれのようですしペダルでの操作だけではなく、鍵盤を肘で押すこともできるとのこと(山下洋輔仕様?)。またスタンド支柱の上部がグランドピアノの形をしていてさりげなくおしゃれ。
https://jp.yamaha.com/sp/myujin/37464.html?fbclid=IwAR1oWhnhCV4v98381bXAH5RgqUweKnTvn9el3Zij1qTDKIB6F3KXcYKnRC8

 こんな素敵な消毒液スタンドがあれば、子供たちも喜んで手指の消毒をしてくれることでしょうね。でも、残念ながら非売品だそうです。

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#ヤマハ #YAMAHA #ピアノ型消毒液スタンド

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臭木(その二)

 ちょうど一週間前に黒バックでご覧いただいた臭木の花  https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/c8893b56d736516ca406cb43c0614553 ですが、今日は明るい玉ボケをバックにした臭木の花です。

 裏話と云うのか内輪話と云うのか、はたまた種明かしと云うべきか。花の写真を撮るときにはいくつかのセオリーがありその一つに「ピントは蕊(しべ)に合わすべし」があります。普通は雌蕊に合わせる訳ですが、臭木の場合には4本の雄蕊の先の紫色の葯(やく)に合わせるのが美しいと考えて私はそのようにしております。

 どんな写真でもそうですが、主題以上大切なのがバック(背景)です。臭木は白い花ですから黒をバックにした方が映える訳ですが、そうすると表情がきつくなるきらいがあります。先週の凛とした臭木に対して今日の臭木はちょっと「ほんわか」した感じに撮れているか(撮れていると良いなと)と思います。

 三つ目は臭木特有の問題ですが、臭木の花はたくさんの花が密集して、そしてそれぞれの花は時間差を持って開花します。つまり、一箇所に咲き始めたばかりの若い花もあれば、ほとんど咲き終わった花もある訳です。やはり一番美しく咲いている花を撮りたいと云うのが撮影者の本能ですので、申し訳のないことですが咲いてから時間を経た花は、工夫してフレームの外に追いやって撮ることになります。

 花一つ撮るのにも、特に主題となる花を探す(見つける)のに時間がかかりますしそれと同じくらい、あるいはそれ以上にバックを選ぶのに時間が必要です。花と対話しながらあれやこれやと考えて撮る訳です。未だに自信を持って「ご覧ください」と云えるような絵はなかなか作れない訳ですが、それでなんとか今日より明日、明日より明後日には少しでも良い絵が撮れるよう精励している郷秋<Gauche>なのであります。

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#臭木 #クサギ #花写真のセオリー #背景が大切

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ナラ枯れ

 恩田の森の雑木林のクヌギやコナラの木の足元におが屑状の粉が積もっておりました。幹を観察すると所々に虫が食った跡があり、そこから粉が落ちているようです
 それがカシノナガキクイムシという昆虫が「ナラ菌」という病原菌を樹幹の木部に運び込むことにより発症する「ナラ枯れ」であるらしいことがわかりました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2241311572681738&set=pcb.2241321996014029&type=3&theater 玉川大学農学部山岡好夫教授のFB

https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare_R1.html 林野庁のHP

 特に酷いのが、四季折々に林床から空を見上げている「かつらの森」の雑木林で、見えるだけでも5、6本が被害にあっており、木はすでに枯れ始めているようでした。

 防除はなかなか難しいようで、もともと手入れが届いていない雑木林でもありますので打つ手もなく、このまま枯死するのを待つだけとなりそうで残念でなりません。

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#雑木林 #ナラ枯れ #カシノナガキクイムシ

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