大江戸えねるぎー事情

 1月4日に書いた記事に対するコメントでビートニクさんが書かれ、shinoさんが書名・出版社名を教えてくださった「大江戸えねるぎー事情」(石川英輔著、講談社文庫、税別533円)が届きましたのでさっそく読み始めました。

 なかなか面白いです。江戸は野菜の一大消費地であり、江戸近郊(渋谷や原宿あるいは練馬辺りのことだ)では野菜生産が盛んであったが、野菜作りに必要な肥料は、その野菜を食べた江戸市民が排出したし尿であり、天秤棒の両側に吊るした肥桶には化学肥料の硫安に換算すると3Kgにも相当する窒素分が含まれていたことなどが、実にわかりやすく解説してあります。

 お江戸の家々から何がしかの金(かね)を取って引き取ったし尿を江戸近郊の農家に肥料として販売していた肥やしの運び屋が大儲けしていた話は別の本で読んだことがありましたが、「大江戸えねるぎー事情」ではすべてが数値として示されていますので、当時の生活・産業のすべてがいかに省エネルギー、エコロジカルなものであったかが大変良くわかります。1993年7月15日1刷発行ながら2003年8月8日の13刷が今でも新書として入手できるロングセラーです。面白そうな記事の紹介が、しばらくの間このblogにも登場する可能性大であることを予めお知らせしておきます。

今日の1枚は、「翼」。
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