人と自然

人は自然の一部である
水と緑によって癒される

「永平寺」と「みらくる亭」

2007-05-19 | 歴史

承陽殿(じょうようでん)と仏殿(ぶつでん)

磨きぬかれた長い階段

森に囲まれた甍など 

 山門の内側。修行僧が入門を許されたときと修行を無事終えて退出するとき以外は山門を潜ることは許されない。一般の人も山門の前には行けない。

 久しぶりに永平寺に参拝した。25年ぶりぐらいか。以前2回訪れた記憶があるが、いずれも職場からの慰安旅行などの途中、立ち寄ったもので時間の制約もあり、ゆっくり見学という訳にはいかなかった。最近になって家内が永平寺には行ったことがないので一度行きたいと言い出した。それではと実行の運びとなる。永平寺の場合、他の仏閣などと異なり、見所は「修行」そのものであると言われる。760年前の道元禅師によって開かれて以来、座禅修行の道場としての歴史があり、日常の起居振舞いから、食事、入浴、また、トイレに至るまで、すべてが「修行」である。200人程の若い修行僧たちがそれぞれの決められた役割に従い、全力で立ち向かっているという雰囲気が伝わってくる。長い廊下、階段など、磨きぬかれた年月の証が見られるが、私たち訪れるものが、そこからなにかを感じればよいのだと思う。頭の剃り跡が青く、美しい。毎朝3時半の起床だ。タップリ時間をかけて見学の許されているところはすべて回った。私の実家が曹洞宗なので最後に瓦1枚を志納してきた。

 さて、「永平寺」参拝のあと、宿泊であるが、出かける前に予約してあった福井市美山森林温泉「みらくる亭」である。周囲が手入れの行き届いた杉木立の中に、静かにたたずむ風情の天然かけ流しの温泉宿だ。ウイークデーのことでもあり、宿泊は3組だけ、「すべてが満ちる静寂」がぴったりの感じ。公共の宿とあって、昼間は近隣の人たちが温泉浴と食事を楽しみに大勢訪れるようだが、夜は至って静かな風情。温泉は飲めるとあって私も飲んでみたが、味は「無味、無臭」成分表によればナトリウム、カルシュウム分が多いようだ。杉木立の傾斜地に長い階段を中心にして、その途中の踊り場から廊下伝いに(交互に)2部屋ずつ配置されている。階段は75段あり、その一番上が展望浴場だ。階段は木の感触がとてもよい。温泉がよい。料理がよい。部屋もよい。よい宿にとても満足だった。廊下、階段には訪れた人たちによる俳句、短歌が随所に。私も触発されて一句「しずけさの湯の香なつかし杉木立」道中、油坂峠、九頭竜ダム沿いの新緑がとても美しく、「かどはらスキー場 (荒島岳のふもと)」で山菜の蕗をたくさん採ってきて早速「きゃらふき」を作った。

外観は全体に黒っぽくまとめてある。ロビーには滝が目の前に。

館内の階段(75段)など。上りきったところが展望風呂。

展望風呂の前、雰囲気もよい。脱衣所はこの階段の下にあるが、とても清潔だ。