下呂温泉の東にそびえる湯ヶ峰(1066m)は約10万年前に噴火した火山で地下のマグマが温泉の熱源でありますが、この火山から生まれたものに温泉以外に下呂石があり、よく知られています。ガラス質「黒雲母流紋岩(くろうんもりゅうもんがん)」と呼ばれる黒色ガラスのような石は、矢じりやナイフ状に加工しやすいことから、縄文時代に石器の材料として中部地方から、一部は関東、関西にまで広く流通していたことが遺跡から判明している。 下呂石という名前は、考古学の世界ではブランド名として定着しているということだ。 湯ヶ峰へは林道下呂、小坂線を約7kmほど進めば登山口。頂上までは10分ほどでいける。眺めは良い。
湯ヶ峰への途中に大林集落がある。市街地からは離れていてこんなところに集落があることに驚く。このあたりでは日常的に野猿の群れに出会う。
大林集落の石垣を積んだ田んぼ。急傾斜で石ばかりが多い厳しい状況の中での先人たちの辛苦がしのばれる。今も田んぼは大切に守られている。ほかに、ビニールハウスでの野菜の栽培、また、渓流魚の養殖も見られた。林業に携わる人も多いと思う。
私たちの住む市街地近郊の田や畑が荒れたまま、放置されたり、次々と埋め立てられていく様子を眺めて胸を痛めている私ですが、厳しい条件の土地ほど先祖からの遺産が大切に守り継がれているように感じられます。
上の写真。大林集落、上部に石垣を積み上げた棚田が見える。一個一個、丁寧に大切に積んである。
山頂からの遠景(大林集落)
山頂付近からの下呂温泉市街(白っぽく見える部分)
山頂近くの道。林道から10分程で山頂へ。
近くの下呂御前山登山口にある看板。