いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

パイロット万年筆比較

2013年01月24日 | 比べてみよう

 筆記具の主役の座を降りて久しい万年筆ですが、私は筆圧が高くボールペンでは疲れやすいこともあり、大学受験勉強など、多量の筆記が必要な場合には好んで万年筆を使っていました。趣味と言うよりは実用品として持っていますので、銘柄はほぼパイロットに統一。パーカーやシェーファーも使ったことはありますが、硬過ぎて好みに合いませんでした。

 仕事や日常の文書作成はキーボードからの入力なので筆記具はあまり使いませんが、万年筆の場合は書くことに楽しみがあるので、書類にしないメモ書きとかアイディアプロセッサーみたいなまとめ書き、勉強用の筆記ではまだまだ現役で活躍しており、最近は極楽息子(大)も興味を持ったようです。この他に写真にないキャップレスが1本あって、それは病院で顕微鏡プレパラートに目印を付ける用途で大活躍しており、私にとっては手放せない仕事道具です。

 これは上の写真で一番下にあったボディが四角のクアトロ。昔、受験勉強で大学ノートを次々に埋めていったエリートが丈夫で実用品として完成の域に達していたという思いが強く、「同じようにがしがし書けるもの」を探したのですが、このクアトロは書き味の点でコストダウンが目立ち、ほとんど使わずにお蔵入りになりました。

 ペン先が簡便なチップ状で恐らくステンレス合金。若い人に万年筆を使ってもらうためにカジュアルなデザインを採用したみたいです。この商品はパイロットも失敗したと判断したのか打ち切られており、今の入門用である「コクーン」ではクアトロより安価ながら剣形(私の勝手な名称で、公式な分類ではありません)のペン先を採用しています。入門用だからと言って、万年筆らしい書き味が感じられないようではファンを増やせませんものね。

 どうも接写距離を間違えてたみたいでフォーカスが悪いですね。これは真ん中のカスタム74です。この価格帯から剣形、14Kのいかにも万年筆らしいペン先が装備されます。パイロットの現行ラインアップの中心ということになると思います。万年筆らしいデザインと書き味が欲しければここから上を選べばいいでしょう。

 この74は細字(F)です。普通の筆記にはとても使いやすい万年筆だと思います。カートリッジで使っていた頃はよく詰まり気味になっていましたが、コンバーター(CON-50)に替えて、インク補充の際に何回か出し入れしてインク通路を清掃してやるようにしてからは絶好調です。これから買い足すならこのラインでしょう。

 一番上は、独特の書き味に興味のあったエラボー。特異な形状のペン先により、日本語を表現するのに理想的なしなりを生み出すことに成功しています。もっとも、Namiki Falconの名前で輸出もされており、最近ではFalconを使ったカリグラフィーの動画が「万年筆でこんなことができるんだ!」と話題になっています。ただしこれに使われているのはペン先を改造してあるので、市販のもので同じことはできないとのことです。

 大型のペン先の途中に特徴的な絞りがあり、見ようによってはファルコンの嘴みたいでもあります。これはソフト調の中字なのではがきや宛名書きにはいいのでしょうが、普段の勉強用にはちょっと太くて持て余し気味です。それだけに毛筆調の性格は強く出ており、パイロットが日本語用に考えた万年筆の設計意図が良くわかります。CON-50ではインクがすぐになくなるのも不便で、私の書き方にはあまり合いませんが、それでもこの個性には惹かれます。次に買うとしたら極細でしょうね。
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