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郵政民営化の誤解~国会議員の場合

2005年07月09日 13時47分16秒 | 社会全般
今朝テレビを観ていたら(日テレ系「ウェークアップ」)、小林興起議員とか荒井議員(下の名前忘れた)という民営化反対派急先鋒の2人が出演していて、猪瀬直樹氏と対決していた。両議員とも、大したことは言わなかったが、もっともらしい反対意見を出して、下らん主張を力説していた。非常に腹立たしかった。猪瀬氏に、「それは全然違いますよ」と言われても、全く意に介さず、独自の意見をひたすらデカイ声で力説していたのが、愚かであると思った。


まず、簡単な方から片付けましょう(笑)。荒井議員は、「国民は今の説明を聞いても、よくわからないんです。小泉さんはきちんと説明しなければなりません。小泉さんは、(自分が対策委員をやっていた)選挙の時に、自由な討論をしていこう、と言ってこのパンフを作りました。その通りにやるべきです」というような、大体こんな感じの主張をしていた。


前にも書いたが、「よく分らない」というのは、自分のことでしょ?荒井議員(笑)。自分が理解出来ないだけでしょ?理解できるなら、反論も明確かつ簡潔に述べることが出来るはずである。にもかかわらず、こんな主張をしているようでは、国会議員としての責務を果たしていると言えないのではないか。以前議席を失ってしまったと思うが、次も沈んでみた方がよいのではないか?党内討論は自由でいいでしょ?ですが、「最終決定」は多数決で「党議拘束」となった訳ですから、「自民党」としての取りまとめた意見というのは「民営化」ですよね。党議に反する行為を行う以上、離党するなりなんなりして、自分の意志を貫くべきでしょう。それが筋というものではないですか?


続いて、小林議員だが、こちらは表みたいなので説明していたが、全部は覚えていない。下らん理由も多かった。根本的に間違っていると思うのは、何度も書いてきたのだが、「郵政公社は税金を一銭も入れてないし、赤字でもない」と主張していることだ。それが、大間違いだっての。本当に理解力に乏しいぞ、こういう議員たちは。この期に及んで、まやかしの「税金を使ってない」説を言い張る。郵政に利息を払っているのは、実質的に国だ。(昔の名称で言えば)特殊法人や自治体や国が利払いする限り、それは全部税金だっての。特殊法人が単独事業で儲けを出して、完全独立で賄っている組織なんざ、殆どないだろう?特別会計や一般会計から資金を注入してる。それで成り立っている組織だろう?だったら、全部税金だ。国民が払った税金が利払いに使われているんだろうが。借入元本が財投債に移行してようが、郵政に預託金100兆円以上とか国債が数百兆円とかあろうが、結局税金で利息を払うことには変わりないだろう。何処から借りてようが、関係なく利払いは「税金」。元本償還も、同じだろうけど(本当に借入金を着実に返済しているなら)。「人件費も貰ってないんですよ」と小林議員は吹いていたが、全く違いますね。税金で払うのと同じである。


また、郵政資金が「特殊法人に流れるというのは間違いで、市場判断によるものとなった訳です。運用も変わったんです」と言っていたが、これも勘違いが含まれている。特殊法人の借入が全て財投債に入れ替わったりなどしていない。特殊法人の借入は依然として郵政に残されており、現在の預託金総額がいくらなのかは知らないが、恐らく100兆円以上あるだろう(H15年度決算で158兆円でした)。財投債残高は100兆円強で、特殊法人の借入総額がこんなに少ないはずがないと思うからである。それに一気に借り換えなどできるはずがない。小林議員は、特殊法人が利払いを何処に行っているのか分らないのだと思うが、多分未だに2兆円以上の預託金利息を郵政に払っているだろう。これで「郵政資金が特殊法人には入っていない」などと言えるのか?「財投債に切り替わってるのに」などという理由が通用すると思っているのか?笑わせるな。


郵政は何で運用したとしても、結果的に利息を飲み込まざるを得ないのさ。国債だろうが、財投債だろうが、外国債券だろうが、関係なく利息が溜まる。一方では、貯金者達には民間金融機関と同じ程度の利息しか払えないから、「さや分」が全て内部に残されることになる。本来これを全額国に戻せば、国民から税金を集めたのと同じ効果となるのだが、余る量が多かったから「無駄に使う」ことに終始してきたのだ。「かんぽの宿」「メルパルク」等もその一部だ。小林議員が「社保庁を潰すべきで、あれこそ公務員の無駄。郵政は無駄なんかない」と豪語したが、猪瀬氏に先の宿関係の無駄投資が「グリーンピアが2千億円ですが、郵政の方は4千億円くらいの無駄ですから」と切り返されていた。


こんな簡単な理屈すら理解できない議員も存在するという例ですね。


それから、米国の陰謀説も挙げていたが、昨日書いた立花隆氏の言い分(郵政民営化の誤解~立花隆氏の場合)と非常によく似ている。小林議員も、「アメリカが欲しがる郵貯・簡保という金融資産を切り売りして、日本をアメリカに吸収合併させようという魂胆」(一部小林議員のHP参照してます)というように、「外資悪者論」を心底信じていると思えるような論を展開している(笑)。こんな議員が国政を考えても、何も良くなることはないな。

よくこんな連中をスタジオに呼んだな(笑)。他のコメンテーターも論点をずらさずに、小林議員が主張したことに対して、ビシッと言ってくれれば良かったのに。猪瀬氏は言ってたけれど。他の森本先生とか橋本五郎さんとか・・・あと誰だったかな・・・忘れたが、別な切り口・問題点を出してしまって、議論が噛み合わなかった。

番組を見て分ったことは、やっぱり荒井・小林両議員は、全く郵政の仕組みを理解していない、ってこと(知っていて、敢えて反対論を主張しているのかもしれないが)。私が選挙区の有権者ならば、こんな議員達には絶対に投票しないな。彼らの地域の住民でなくて残念です(笑)。