春休みも終わり、「久喜プラネタリウム」も通常投影となりまして、今月の「テーマ番組」である「火星への道」が投影されています。
「火星」と言うと「地球のお隣」の惑星で、「外惑星」と呼ばれている「地球の軌道」よりも「外側」の惑星になります。当然「太陽」から遠くなるので、太陽の影響は地球よりも弱く、直径は「地球の約半分」である為重力は弱く、大気の成分は「二酸化炭素が95%」、「窒素が3%」、「アルゴンが1.6%」で、他に酸素や水蒸気などが微妙に含、まれているようです。ただ大気を維持しているのと、「地軸」が「25°」傾いていることから「四季」があり、コレは地球に相似している部分といえますね。あと「生命が生存できる範囲」としての「ハビタブルゾーン」にも含まれています。
そんなことから「火星には生命がいる」と昔から言われており、「火星の表面」を観測しその訳の誤りから「運河」があるという間違いが発端となって「タコ」のような「火星人」が誕生。その後、「米国の火星探査機 バイキング1号・2号」により「火星人説」は「否定」されました。その後の観測から「水」の流れた跡などが発見され、現在では「微生物」の生存を確認するのが目的となっているようです。
地球のお隣の惑星で比較的大気条件が安定していることから、「月の次は火星へ有人飛行」と昔から計画されていますが実際のトコロはどうなのでしょう?
まず、「地球と火星」までの距離ですが、火星は「楕円軌道」を描いており「2年2ヶ月」毎に「地球と接近」します、その時の距離は「約5600万km」平均では「約8000万km」くらいとなり、この時を狙って火星への探査機を打ち上げます。そしてかかる時間は「約300日」。しかも「行ってすぐ帰る」ワケにはいきませんから、当然地球に帰るには「次の最接近」を待たなければなりません。そうなると1回行って戻ってくるのに5年は考えないとなりません。そしてココから問題のオンパレードまずは最重要な「酸素」。そして「水」、「食料」に「宇宙放射線」。そして「燃料」に「長時間の宇宙生活に耐えられる精神力」。酸素や水、食料は無いと人間は生きていけませんから絶対に必要です。ただこれらを積むには膨大なスペースが必要になります。特に食料は缶詰のような「長期保存食品」はありますが、それが2年以上毎日となると「栄養状態」や毎日味気ない食事に耐えられるか?が問題となり、現在「日本での非常食」としてある「レトルト食品」でも「賞味期限3年」。「NASA」でもその賞味期限を延ばす事に研究をしているほどなどです。
宇宙を航行する時は「地球からの脱出」で燃料のほとんどを使い果たしてしまいます。「小惑星探査船 はやぶさ」では「イオンエンジン」と「電気式推進装置」を使いましたが、コレは「長時間使える」のですが「パワー」が無いので使えません。かと言って大きな推進力の得られる「科学推進」の代表的な「酸素+水素」ではとてつもない量になってしまい、大きな推進力を得られる「原子力ロケット」は「打上げ失敗時」のリスクが大きいですからね。そんなワケで現在実験開発されているのは「プラズマエンジン」でして、コレは「プラズマ」を作り、その推進力で進む事になり長時間使える為、300日を65日くらいまで短縮できるそうです。この「プラズマエンジン」は2015年に「ISS」にて実験を開始するようですよ。
火星に到着しても問題はあります。現時点での「宇宙服」は「体」も「1気圧」にしなければなりませんから「宇宙服の中」にも空気を入れているため「服全体」が「風船」のようになってしまい、動きが制限されてしまうのです。そこで、体にフィットした宇宙服によって1気圧状態を作り出す新しい宇宙服が開発されています。火星では大気が薄いので「宇宙放射線」が地表まで降り注ぎ、宇宙飛行士を被爆させてしまいます。そこで「火星での住まい」にもなる「宇宙船」を「地中」に埋めて放射線を防ぐ計画がされていますが、コレって離陸する時に掘り出さないとなりませんよね?
このように現在の科学技術では「火星への往復」は非常に困難なものになります。が、「火星への片道切符」での「火星移住計画」もあるそうですケド…。
それでは、本日の登場良人物は「プラネタリウム」な話題でしたのでこの方です。「プラネタリウムの妖精」を名乗っている「天元界 天象運行監視室 第二区域局」所属の「天象精霊」である「カスミ・アウロラ・タマノイ」さんです。まだまだお隣の惑星へ行くには大変なようです。